$みみずの絵の日記(仮)


『僕が触れた岩手(沿岸部編)part4』




津波で多くの建物が崩壊した。

その多くが
今となっては
「がれき」という言葉に
置き換えられ、
至る所でそう呼ばれている。

しかしながら
そもそもは誰かにとっての
汗水たらして働いた末の
大切な財産であったりもする。
家や家具や車であったり、
多くの思い出を詰め込んだ
宝物のような存在であったはずだ。


旅の途中で
僕はたやすく「がれき」と
呼べなくなっていた。

そういう気持ちは
自分の中でも忘れない様にと思う。

この日記では
その証として
「瓦礫」ではなく
「がれき」と記しておこう。

その事も
日記に綴っておこう。


言わずもがな
質量保存の法則が働いており
やはり物質そのものの量は変わらない。

その土地が津波によって
平地になっていたならば
その分、がれきと化した物が
どこかに移動しただけなのだろう。

震災後
様々な方々の働きで
随分変わったであろう景色も
多々あるのだろうと思う。

正直言えばその景色の
まえもあとも僕は知らない。

未だ過程でしかないことだけは
はっきりと解る。

黙々とした
その景色。

無口だが
とても雄弁に物語る世界が
僕の垣間みた光景に写り込んだ。


$みみずの絵の日記(仮)
「現在進行形で進められている物事の景色」



みみずの絵の日記(仮)
「仮設の学校と運動場」
「彼らにとってはここが母校となるのだろう。」



みみずの絵の日記(仮)
「ガンバレ釜石の文字」



みみずの絵の日記(仮)
「仲間が住む釜石の仮設住宅」
「彼が毎日ここで過ごしている日々を想い馳せる」



みみずの絵の日記(仮)
「学校の3階に軽自動車が突き刺さったまま」



$みみずの絵の日記(仮)
「仲間の仕事にまつわる景色」
「未来に防波堤を作る為、日々地道な仕事をしている。」
「縁の下の力持ち的存在。誰かが目に見えない所で踏ん張ってるから成立する未来。」




北村康司
http://twilog.org/mimizunoe