ニューヨークには
やたらと目に付くものがいくつかある。
スタバのコーヒーもそのひとつ。
ほかには、
走っている人。
イヤホンやヘッドホンでなにか聞いている人。
あと、ダンキンドーナツ。
ダンキンドーナツなんて
いったい何年ぶりに見ただろう。
子どものころ、
うちのまわりじゃ一番大きなデパートに
店が入っていたけれど、
いつのまにかなくなっていた。
それ以来見ていなかったあのダンキンドーナツが、
ニューヨークにはものすごい数の店を出していた。
ひょっとしたらスタバに負けていないかもと
思わせる勢いがあった。
これを見るにつけ、
アメリカ人はドーナツ好きなんだなあと
思わざるを得ない。
たぶん日本人の比ではなく、
それはもう人種のレベルで好きなんだと思う。
ダンキンドーナツだけではものたりなくて、
ドーナツの屋台まで出ているくらいなのだから。
プレスリーは、
ドーナツを食べ過ぎて死んだとささやかれているけれど、
あれはプレスリーだからショッキングなのであって、
ドーナツを食べ過ぎて死んでしまうこと自体は
アメリカじゃ案外普通に起こっているのかもしれない。
辞世のドーナツはオールドファッションでした、みたいな。
そう思わせるほどのニューヨークのドーナツ事情にあっても、
わたしは一度もドーナツを食べませんでした。
食べようとさえ思わなかった。
ドーナツと言えば、
日本のコンビニでドーナツの販売がうまくいってないという
話を思い出す。
あれはお国柄じゃないですかね。
アメリカでまんじゅう売るようなものかも。
