時は少し昔にさかのぼる。中3の秋まで。
*008**好きだから…<0>
ある日、塾の模試を受けてみないかとクラスの友達・朋子に言われた。当時私は他の塾(前山くんの居るとこ)に行っていたのだが、他の塾に行ってみたいと思った私は受けることにした。それが無料のテストだということもあって。
そしてその模試の日。朋子と一緒に居ると、朋子に話しかけてきた男が居た。
「朋子~♪その子、誰?」
「可愛いやろ~私の彼女、山ちゃんでーすv」
彼は、某J事務所に所属していそうな甘い顔立ちの人だった。格好いい・と素直に思った。
彼の名前は富永一(はじめ)。私たちの中学からは遠い中学に通っているが、先生との相性がいいのか、朋子と同じここの塾に通っているらしい。
簡単に挨拶をしたあと、彼のあまりの顔立ちの良さに恥ずかしさばかりが先にたってしまった私は、朋子の後ろに隠れてテストが始まるのをひたすら待った。
私が、今通っている塾で有名私立高校に進学するような子が居るクラスに混ざってるからか、その模擬でそこの全塾生を抜いて1位になってしまったのはまた他の、ちょっとした自慢話。