「日本のクラウド化はなぜ遅れているのか」を読了
→かなりかっがり。買ったことの失敗感が強かった本。
クラウドに関連する本を過去に読んでいたので
最近では、この添付に貼った、
「クラウドの衝撃 」
「クラウド化する世界 」
「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの 」
「クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図 」
などを読んでいて、同様なテクニカルだったり、ビジネス戦略的な流れの観点での「クラウド」に関する
最新の時流を加味した本を読もうと思って、この「日本のクラウド化はなぜ遅れているのか」を読んだが、
大きく外してしまった。
確かに、この本の論点は、クラウドの社会の中で生き残るための人材教育、リーディングなどのことを述べていて、その中でも、自分の会社「日本サードパーティ株式会社」の仕事の進め方を例として、そういう考え方を行っていく必要があるという話。
「人材」を「人在(いるだけの人)」や「人罪(いるだけで積みになる人)」にとどめておくのではなく、人財(つまり財産となる)人に育て上げ、それをグローバルレベルまで引き上げる。という事が述べられている。
つまり、「クラウド」というキーワードはは、言葉の端々に「クラウド時代に役立つ人財」という意味で登場はするものの、あくまで人材をどう育てるのかと言う観点のみで、「クラウド時代のビジネストレンド」的な内容とは直接の関係はほとんど無い話が終始されている。
クラウドという流れの他の本の様な内容を期待すると大きく外すので要注意。
「題名にダマされてはいけない代表的な例」かも。
前半は:
日本がクラウド化に遅れているのは・・と言う視点で、
世界レベルのクラウドを実戦するためには組織としてのセキュリティの体制構築ではダメで、世界の流れは、個人レベルのセキュリティマネージメントと、その能力やスキル、さらにそこへの認証精度などが必要だが、
日本にはそこが不備や認識不足が大きく、世界レベルで戦うためには、そこの再認識と対策が必要であることが語られている。
そこまでは、なるほど・・とめていたのだが・・・
そこから先が(残念な方向に)全く持って流れが変わってしまった
具体的には
全254ページのなかの
3章(131ページ:つまり後ろ半分)、クラウド時代を勝ち抜くための「ルール」と「仕組み」
さらにその少し中の
03(148ページ) 「ルール」や「仕組み」はパズルのピース
から、内容や方向性が、読んでいた私の思っていた内容とはかけ離れた方向へ「ばく進」してしまった。
まあ、この本の元々の趣旨を読み取れずに買った、私が失敗したのだったのだが・・。
ここから先の内容は、
この著者である「日本サードパーティ株式会社」の業務内容や、仕事の進め方に終始されていて、
つまり、この本の後半半分の範囲が、全く持って、世の中の流れや、クラウド社会の発展、世界の中での日本の立場など、いわゆるクラウドとしてのあり方という観点ではなく、単なる自企業の内容に終始しているのは
全くもって頂けない本であった。
確かに、この会社の理念や、仕事の進め方は、クラウド化が進むグローバルな中で勝ち残るための人材教育に焦点を置いているポイントは、それなりに意味のある教育方法ではあるが、ことあるごとに、「私の会社では」こうやっている・・成功事例が出てきて、なんだかとてもうさんくさい、変な宗教本を読んでいるようで、読んでいて次第に腹立たしくなってきた。おそらく趣旨は、自分の会社のプレゼンスを上げる事が最大の目的の本として企画されたのではないかという感じですね。
と言う事で・・
こういう内容の本(つまり、人材教育を主眼とした本)であるが、それが題名や帯からはあまり見いだせず、全くダマされている感が強かった。
題名:「日本のクラウド化はなぜ遅れているのか?」
副題:「世界標準のクラウド・エンジニアが日本を再生する」ですが・・
まあ、副題からすると、読んだ後から思うと、教育論と読めなくもないが・・。
ああ、1500円の半分くらい損した気分。
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