海外つれづれ旅日誌

海外つれづれ旅日誌

自分は、海外旅行へ出かける前に、その土地へ行ったことのある人のブログを参考にしています。
そこで、自分の体験がほかの方にとって有益な情報になればと思い、ブログを開始しました(2013年開始)。
更新は年1回になるかもしれません…。

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搭乗時刻になるまでの間、おみやげを買ったり、旅行記をつけたりして過ごした。
ロサンゼルス空港ではWi-Fiが無料で使えたので、スマートフォンで調べものやメールもできた。

夕方になると、羽田便が出る58Aゲートのあたりは日本人だらけ。
これほどまでに日本語が飛び交っていると、自分が海外にいることさえ忘れてしまいそうだ。

飛行機に乗り込み、午後5時59分にロサンゼルスを出発。
羽衣のような雲の隙間をすり抜けた陽光が、天使の街に降り注いだ。

 
楽しかったグランドサークル探訪が、まもなく終わる。
躍動する大地に魅せられた日々を思い返していると、いつの間にか眠っていた。

ふと目を覚ますと、顔がやけに冷たい。
シェードをおろしているのに窓から冷気が漏れていた。

静かにシェードを上げると、光をなくした海と陸地が青に染まっている。
目を凝らすと、西の空の果てには、オレンジがほんのわずかだけ残っている。
(写真では明るく撮れてるけど、実際は藍色の世界)


座席の前にあるモニターの地図で現在地を確認してみた。
アラスカ上空を通過しているのがわかった。

このとき、モニュメントバレーに住むナバホの人々がふと頭に浮かんだ。
赤い大地で伝統的な生活をつづける彼らのように、アラスカにも狩猟を中心とした昔ながらの暮らしをつづける人々がいる。
寒暖の差や人種の違いはあれど、自然の厳しさや尊さを、彼らは身をもって知っている。

それでもなお、いや、それだからこそ、自然に寄り添って生きていこうとする意志を、彼らは持ちつづけている。
彼らの「生きる」は、僕の「生きる」とは違う。 生命の輝きが、違う。

そんなことを考えていると、飛行機は羽田空港に到着した。
訪れた場所からの眺めは、どれも圧倒的なスケールだった。
言葉では伝えきれない感動を「すごい」というひとことに込めるのが精いっぱい。

観光スポットだけじゃない。
移動中の車からみた風景さえ、目が離せないほどに雄大で心が躍った。
「地球の大きさ」を生まれて初めて実感できた。

人生観を変えるような感銘はなかったけれど、とても大切なものが、旅を通じて胸に刻まれた気がする。
それが何なのか? 今はわからない。
ただ、それが自分の生き様に大きく影響を及ぼす予感はしている。

僕の新たな旅路が、これからはじまる。

ターミナル内をうろつく体力もないほどに空腹だったので、ゲートの近くにあった店のカウンターに座った。

 
店内にはマイケルジャクソンやKISSなど、往年のスターのポスターや写真が飾ってあった。
店の名前は「Rock&Brews」。

メニューを見たかぎり、ハンバーガーが売りの酒場という感じ。
とりあえず、バックステージ・バーガーとバドワイザーを注文。

ビールの大きさを早口で訊かれた。 喉が渇いていたので、大きいほうにした。
ハンバーガーの焼き加減も訊かれたので、「ミディアム」と答えた。
料金は、なんと27.80ドル+チップ。 高いね、空港は。

さっそくビールがやってきた。 思ってたより、でかい。
サイズは、たしか22オンス(帰国後に調べたら、ビールの大瓶とおんなじ量…)。

ちびちびとビールを飲みながら数分が経った。 ハンバーガーは来ない。
店、混んでるもんね…。 しょうがない。

カウンターにいた店員さんが手ぶらでこちらにやってきた。
「全部そろったか?」と訊ねてきた。
おいおい! そりゃないよ。

「ハンバーガーがきていない」と身振り手振りで伝えた。
はじめは、まったく伝わらなかったけれど、注文時にもらったレシートやメニューを指差しながら片言の英語で伝えると、ようやく厨房に確認をとってくれた。
もしかして、忘れられてたのかな…。

それからさらに5分が経過して、ようやくハンバーガーがきた。


ハンバーグが隠れるほどに、とろとろのチーズがたっぷり乗せてあった。
野菜やポテトも想像以上に多い。 では、いただきます。

ハンバーガーがあまりにも大きすぎて、うまく噛りつけなかった。 でも、うまい。
ジューシーなお肉とカリカリのパンが絡み合うと、口のなかはしあわせなフレーバーで満たされた。
口当たりの軽いバドワイザーとの相性も抜群だ。

食事を済ませたあと、連絡通路を歩いて隣にある6番ターミナルへ向かった。
下りエスカレーターが工事中だったので、歩いて階段を下りるハメに。
そのうえ、連絡通路は思った以上に長かった。

ようやく6番ターミナルへ到着。
アラスカ航空やコパ航空など、聞き覚えのない航空会社が多いせいか、混雑はしてるのに日本人をほとんど見かけなかった。

ちなみに、5番ターミナルには日本人がたくさんいて、免税店では「航空券みせて」と日本語で言われた…。
BoardingTimeの15分前に担当者と合流。
ラスベガスのカジノ事情やお客さんのトラブル話を楽しく聞いていると、ターミナル内の時計が午前11時20分になろうとしていた。
出発予定時刻は11時31分。

「おかしいですね」と不安がる僕をよそ目に、「よくあることですよ」と軽く言い放つ担当者。

しばらくすると、ようやく優先搭乗がはじまった。
けれど、出発予定時刻を過ぎても、僕はまだ飛行機に乗れなかった。

「掲示板を見てください。 出発時刻を過ぎても「ONTIME」と出てるでしょう? これがアメリカです」と笑う担当者。
そっか、これがアメリカなんだ…。

11時35分になり、ようやく搭乗のアナウンスが流れた。
担当者の人と握手で別れて、機内へ向かった。
席に着いて数分後に飛行機は動き出し、あっという間に離陸。


ラスベガスの街を離れると、眼下には砂漠が広がっていた。
行きの飛行機で、海上を飛んでいる錯覚に陥った理由が、ようやくわかった。


ロサンゼルスまで砂漠が延々と続くんだろうなあと思いはじめた矢先、大きな雪山があらわれた。


その雪山の遥かかなたにはロッキー山脈もみえた。
アメリカ、どんだけバリエーション豊富なんだ。

出発が遅れたにもかかわらず、ロサンゼルス空港に到着したのは、予定到着時刻よりも5分以上早い午後12時40分。

降り立ったのは5番ターミナル。 羽田行きの飛行機も、おんなじ5番ターミナル。
出発ゲート(58A)は、探し始めてすぐにみつけられた。
よし、これで食事に行ける。