2008年10月5日 | 大江朝美さんに首ったけ日記!!

2008年10月5日

気づけば早いもので、もう3年も経ってしまいました。

僕が最後にAKBシアターに入場した、あの日から…


このときの話は、もうこのブログにも載せた気がするけど、またこの節目に、あのときのことを振り返ってみたいと思います。
A4thリバイバル公演の千秋楽も1週間後に控えたこの日、夜公演の入場を待つ列の中に、時期的に当せんの望みはほとんどないと思っていたのに、思いがけず幸運を手にして喜び勇む、とあるキモヲタがいました。
当時の彼が大江朝美という人を想う気持ちは、その場に集まっている誰がどのメンバーを想う気持ちにも勝っていたことでしょう。

このときの彼は、
「自分にとっては一番思い出深いこのセトリを見れるのも、今日が最後になるだろうから、悔いを残さないように目と耳に焼き付けよう」
と、その程度のことしか頭にありませんでした。
この後に起こる大事件を、全く予想もしていなかった。

入場抽選は干されに干されて、最後から二番目。
(「準優勝」とか言うらしいですねw)

「お立ち台」の上段に辛うじてスペースを見つけて、そこへ必死に分け入り、ポジションを確保しました。
ここからでは、下手側の柱より下手の範囲しかステージが見えない。
これが恐らく、自分がこのセトリを見れる最後だというのに…!

こうしてキモヲタが歯ぎしりをしていたのと同じ頃、ステージ裏では恐らく本番前の円陣が組まれていたことでしょう。
そして、後に本人たちが語ったところによれば、他のメンバーにはこのときに初めて「重大な決意」を伝えたといいます。

公演自体は、全くいつものようにつつがなく進んでいった。
日曜日の夜公演ということで、3公演の最後なので疲れの色も目立ちましたが、それもひっくるめて「いつも通りの平凡な休日夜公演」でした。
一番下手しか見えないキモヲタは仕方なく、「Mr.Kissman」など「最愛のひと」が下手にやってくるわずかなタイミングに全神経を集中させたりしておりました。


そんな千秋楽間際の「平凡な公演」が終わろうとしていた、アンコール最終曲の「なんて素敵な世界に生まれたのだろう」の最中に、異変は起こりました。
曲の最中に、川崎希さんが泣いているのが見えたのです。

最下手しか視界がなかったからそのときは知らなかったけど、他にも涙を流しているメンが何人かいたとか。
千秋楽まで一週間というこの時節柄、このただならぬ雰囲気を目の当たりにして、その場にいた誰もが、ヲタとして最も恐れる事態を予期せざるを得なかったことでしょう。
もちろん、背後の壁の出っ張りにつかまってバランスを取りながら、必死に身を乗り出していたそのときのキモヲタにも…。

果たして、最後にステージ上で横一列になったときにその瞬間はやってきたのです。

当時の映像を奇跡的に発見したので、糞画質ではあるけど貴重な資料として、YouTubeの方にUPし直しておきました。





「ハイ!えーっと、私から報告があります」

梨紗ちゃんは下手にいたので、そう言いながら柱の影になっているステージ中央に消えていくのが見えました。

切なかった。
それと同時に、納得せざるを得ませんでした。
「なるほど、梨紗ちゃんなら確かに…」

しかし、それでは終わらなかった。

「はい!私からも報告がありまーす!」

柱の影で全く見えなかったけれど、その声が誰の声か、そのキモヲタにわからないはずはなかった。
少なくともそのキモヲタにとっては「世界一の美声」、まさしくその声だったのだから。

「う、嘘だ!嘘だっ…!!」

しかし、これでも終わらなかった。

「ひぃからも報告があります」
「はいー!私からもあります!」
「はい、私からもありまーす」

もちろん姿は見えなかったけれど、声の主はみんな誰だかわかりました。
このとき、実を言うとすごくホッとしたのです。

一度に5人も卒業するなんてことはあるはずがない。
それも、最初の3人はともかく、花ちゃんや、りなてぃんまでもが卒業するなんてあり得ない。
そもそも、花ちゃんやりなてぃんが卒業する理由がないじゃないか。

そうだ、きっとこの5人で派生ユニットを作ってデビューするっていう発表に違いない!
それで、のぞフィスは嬉し泣きをしていたんだ!

ここで変に希望的観測を振りかざして、どうにか気持ちを立て直そうとしたのが間違いでした。
この次の瞬間再び突き落とされたキモヲタは、その分2倍のダメージを受ける結果に…。

今動画で見ると、この間わずか20秒くらいなんですよね。
それがあのときは、随分と長く感じた。
そして、その20秒の間これだけめまぐるしくいろいろなことを考えていた思考回路は、5人が息を合わせて「重大発表」を言い終わった瞬間に、一気に停止しました。

動画を見ると、客席から「えー!」「なんでー!」などと怒号が飛んでいますが、
あのときはもう、言葉にもならず茫然自失でした。
目の前で起こっていることが理解できなかった。
夢の中にでもいるような心地でした。

この後、5人がそれぞれ喋り終わるまでの時間が驚くほど長く感じました。
柱の影で、ステージの様子がわからないから尚更に。

この間、「彼女はどんな顔をして喋っているのか」、「どんな顔をして他の子の話を聞いているのか」
そればかりが気がかりでたまらなかった。
居ても立ってもいられなかった。
泣いているのか、それとも気丈に笑っているのか…。

後で映像を観て、見事に自分が予想していたとおりの表情だったことを確認して、かえって胸が締め付けられました。


彼女は「これは前向きな卒業だから、みなさん心配しないでください!」としきりに強調した。
「まだ事務所も決まってないというのに、どこが前向きな卒業なんだよ!」
「どうやって心配せずにいろと言うんだ!!」
キモヲタの胸中には、声にならない叫びが行き場もなく、いつまでも渦巻いていました。


そして「ようやく」終演。
フラフラとカフェスペースに出て、ボーゼンと帰る人波を見ていると、目に涙を浮かべている人、完全に泣いてしまっている人、いろいろいました。
でもあの日のうちは、一滴の涙も出なかった。

とにかく実感が湧かなくて、全くショックを感じられない(感じることもできない)自分がショックだった。

全く錯乱状態の頭の中を、どうにか言葉にしようと必死に書き残した当日のキモヲタの日記が、mixiの方に残っておりました。


>りさちゃん、ひぃちゃん、りなてぃん、花ちゃんがAKB卒業。
>
>
>そして…おーいぇも。
>
>何が起こったのかわからないよ
>もうあのステージに立つおーいぇを見れないなんて信じられない…
>
>考えられない。
>
>
>なんでだビックリマークビックリマーク
>まだ事務所も決まってないのに
>
>
>とうとうAKBヲタを辞める時が来てしまったようです…
>
>
>AKBのおかげで生きる希望ができて、おかげで大学にも入れて…人生そのものだった。
>
>
>平安堂のCD売場で桜の花びらたちの映像を偶然見た時から2年7ヶ月、あっという間だった。
>人生最高の時間だった。
>
>
>もう終わってしまうのか。
>
>
>全く実感がわかないな…
>
>
>これからも夢を諦めないで頑張って欲しいです。
>絶対、これで辞めて欲しくない。
>おーいぇに会えなかったらおれは生きていけない。
>
>正直、少なくともしばらくの間は仕事はほとんど来ないだろう。
>でも辛抱強く続けてくれたら、おれもこれからも応援し続けることができる。
>
>地位も名誉も富も命も、とにかく全部を捧げたい。
>
>
>おーいぇだって悩んだんだろう。
>一番不安なのは本人なんだから、ヲタも辛抱しなきゃいけないんだな。
>
>
>頑張れビックリマークおーいぇビックリマークビックリマーク


どうしていいかわからなくて、とりあえず綺麗ごとを言って終わってるけど、ほんとにどうしていいのかわからなかったんですね。
結局、ちっとも言葉にはならなかった。


あの日の夜の秋葉原の景色、家に帰るまでの夜道、あの日のことはなぜか鮮明に記憶に残っています。


しかし、思えばあれが、自分の「本物のヲタク」としての出発点だったと言えるかもしれません。
だとしたら、あの日からまだたったの3年、戦いはまだ始まったばかりです。

大器晩成な人が開花するまで待つという我慢大会です。
熾烈な戦いですw


今からさらに3年経ったときには、彼女は、そしてこのブログは、っていうかおれはw、どうなっているでしょうか?