雨天の友 | Life can be beautiful. (みかこクリニック院長 高木美香子のブログ)

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愛知県一宮市の美容クリニック(形成外科/美容外科/美容皮膚科)
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形成外科専門医の院長が、女医ならではの美容医療をお届けします
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自家組織による乳房再建の手術というのは、医師が一人だけではすることが出来ません。ということは、一人体制で勤務している私が、木沢記念病院で自家組織による乳房再建手術を行うためには、毎回助手の先生を確保する必要が出てきます。

ありがたいことに、今では乳房再建の御指導を頂いている梅本泰孝先生が主催する乳房再建の勉強会(このブログでも近く取り上げたいと思います)を通じて知り合った乳房再建仲間や、こちらで知り合った形成外科医の先生方が助手に来てくださるようになりました。個人的に助けに来てくださる先生もいらっしゃれば、私の状況を理解して部下の先生が助手に行くことを許可してくださる近隣の形成外科の先生もいらっしゃいます。本当に多くの方に助けられ、支えられて現在があると皆さんに感謝しています。

しかし、木沢記念病院に転職した当初はまだ知り合いも少なく、助手の先生の確保には非常に苦労しました。もちろん外科の先生に助手をして頂いて手術をすることは可能です。ただ、東京の酒井先生のようなベテランの先生であれば助手が誰であろうと問題なく手術が出来てしまいますが、まだベテランの域には達していない私の場合には、やはり手術の手順を熟知してサポートしてもらえる形成外科医が助手に入ってくれた方が、実際上、手術がスムーズに進むということは言えます。

そんな、転職したての木沢記念病院で乳房再建を始めた頃、広背筋皮弁による乳房再建手術の助手が見つからなくて非常に困ったことがありました。
そのとき、なんと、直子先生こと千葉の大森直子先生が、電車を乗り継いでわざわざ美濃加茂まで助手をするためだけに来てくださったのです。当時、直子先生は酒井先生のもとで毎週のように拡大広背筋皮弁の第一助手を務めていらっしゃいました。言ってみれば、日本一の頻度で広背筋皮弁の助手をしている形成外科医と言っても過言ではなかったわけです。その直子先生が助手に入ってくださるというわけですから、こんなに心強いことはありませんでした。窮地の私を助けに来てくれたまさに「雨天の友」です。
御恩に報いるべく、「直子先生のピンチにはどこまででも助けに行きますから!」と言ってはありますが、残念ながらまだお声はかかりません。

直子先生とはその後もとても仲良くさせて頂いています。学会でお会いしたり、なんとか休みを合わせて短い旅行に出かけたり。その度に夜が更けるまで、話は尽きません。「ああ、直子先生も頑張っているんだなぁ。」と知ると、自分もさらに頑張ろうという気持ちになります。そういう友人の存在は非常に大事だなと思ったりします。

美濃加茂という小さな地方都市で行われる「乳房再建」が、私を御指導・御助力くださる多くの形成外科医の先生方のお力に支えられていることを、少しだけ皆さんにも知って頂けたらと思います。