歌川広重・名所江戸百景・秋の部より

 

大伝馬町こふく店

 

つねきち水彩にて模写

 

 

現在の「大丸百貨店東京店」発祥の地である

 

大伝馬町を歩く

 

「棟梁送り」の行列を描いた浮世絵です。

 

「棟梁送り」とは

 

「棟上げ式」(上棟式)の後に

 

行列を組んで大工の棟梁を家まで送るもの。

 

「棟上げ式」は「地鎮祭」とはまた別で

 

工事の安全を祈る儀式です。

 

 

先頭を歩く棟梁が持っているのは

 

大幣(おおぬさ)という

 

神事に使われる紙製の束。

 

その下には日の丸の扇を3つ繋ぎ

 

中心には鏡が置かれ

 

櫛、赤い手絡(てがら・・・髪飾りに使う布)

 

かもじ(つけ毛)と5色の吹き流し。

 

その後ろを、鶴と亀が彫られた

 

破魔矢を持つ鳶の頭が続きます。

 

 

行列が通っているのは

 

呉服店・大丸の大きな暖簾の前。

 

みな武士の正装をして

 

大店の特別感をひき立てているようです。

 

着物の模様や地面の質感など

 

つねきちが隅々まで

 

力を込めて描き上げました。

 

どの顔も緊張しているようですが

 

誇張されているのがまた

 

微笑ましいところです。

 

 

行列が着く先の棟梁の自宅では

 

祝宴の準備がされています。

 

棟上げ式が無事に出来たことのお祝いと

 

職人たちへのねぎらいで

 

ご祝儀が配られるそうです。

 

幸先の良い雰囲気が

 

暖簾と衣装に使われた紺色で

 

すっきりと引き締められています。

 

左上の看板に書かれている文字は

 

「現金掛け値なし」

 

しっかりと大丸の宣伝もされたところで

 

景気良くまとめられた

 

鮮やかな秋の一景となりました。

 

 

 

本日もご覧いただき、ありがとうございます。

 

 

 

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