大学卒業時点で人生をかけてやりたいことを見つけるなんて、
ものすごく難しいと思う。
よっぽど人生経験が豊富な大学生は別にして。
自分がそこにいた時は、決めなくてはいけないと、
大人なんだからと、そう言い聞かせていたけれど、
正直漠然と英語を使って、
海外と繋がれる仕事がしたいくらいことしかわからなかった。
日本での脱サラや転職は、
諸外国に比べてまだまだマイノリティーだけれど、
年をとるにつれてやりたいことが変わったり、
本当にやりたいことを見つけたりするのって、
本来自然な流れだとも思う。
人間は幾つになっても未熟で、
成長し続ける生き物だと思うから。
回り道しながら色々な景色を見て、
そのうちに少しずつ余分なものが削ぎ落とされていって
どんどん大切なものが見えてくる。
最初から何かこれってのを見つけた人はすごいけれど、
どちらかというと今は色々余分なものが落ちた後の
「後に残った何か」
を大切に生きている人が素敵に見える。
そういう人の話を聞くのはとても面白くて、
人生って経験してなんぼだなーなんて思わせてくれる。
昔は迷ったり、道を決められないのは悪いことだと
決めつけていたけれど、
今は迷ったり、道に迷わなければ
見つけられないものもたくさんあると思う。
フランス人の友達が、
大学卒業後に本当にやりたいことを探しながら、
多様なフォーメーションを受けているのを見て、
がんばれって、今は迷っていいと思うってそう声をかけた。
信念を持ち、迷わず進むことだけがかっこいいのではないんだな、
そんな風に思えるようになったのはフランス生活のおかげかな。
私もそろそろ、残った何かを大切に生きていきたいと思う。