こんな記事を見かけた(以下抜粋)
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/1576329.html
>野球を見に来た人は、家を出るときに、部屋の照明をつけっぱなしにし、テレビをつけっぱなしにし、
>エアコンをつけっぱなしにしたまま、家を出るわけではない
>3万人の人間が集まった場所を一挙に照明するための1人あたりの電力が、1人の人間、あるいは
>家族が過ごす部屋を、暖房し、明るくし、テレビを見て泣いてみるための電力と、どれほど違うのか。
>同じなのか。


なるほどと思い、実際に計算してみた

東京ドームの試合開催日の消費電力量=約5~6万kwh
神宮球場の試合開催日の消費電力量=約5000kwh
横浜スタジアムの試合開催日の消費電力量=約2万1000kwh

これと野球観戦に出かけることで家庭で消費されない電力量にどういった差があるのかが問題なわけです

一般家庭の1日あたりの消費電力量=約12kwh
一般家庭の1時間あたりの消費電力量=約0.5kwh
一般家庭の1時間あたりの消費待機電力量=約0.05kwh

平均試合時間=約3時間
(参照:http://www.npb.or.jp/gbp/2010time.html)
家から球場間の移動時間=約2時間
(観客の8~9割が1時間圏内に居住してると言われる)
野球観戦で家を留守にする時間=約5時間

野球観戦に出かけることで消費されることのない1世帯当たりの電力量=5×0.45=2.25kwh

※ここまでのソース
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/03/20/kiji/K20110320000463370.html
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/03/17/kiji/K20110317000445460.html
http://www.ecofukuoka.jp/q_and_a/51.html


では、実際に野球観戦に出かけることで何世帯が家を留守にすることになるのか
目下の問題である在京セ3球団で考えてみる

平均観客動員数
東京ドーム=約41200人
神宮球場=約18500人
横浜スタジアム=約16800人
(参照:http://baseball-freak.com/audience/)
※厳密には主催試合での観客動員数

世帯数の割合(全国)
単身世帯=約28%
2人世帯=約25%
3人以上の世帯=約47%(5人以上を5人で計算して平均3.8)
(参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E5%B8%AF)
 ※一世帯当たりの平均人員は全国平均2.6人であるが、東京・神奈川・千葉・埼玉に限ると2.49人
 (参照:http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/sokuhou/04.htm)

これを観客数にあてはめてみる(東京ドームで計算)

東京ドームの観客約41200人中
単身世帯からの観客=11536人
2人世帯からの観客=10300人
3人以上の世帯からの観客=19364人


単身世帯の観客の家は絶対に留守になります

2人世帯が留守になる割合はどんなものか?
(夫婦或いは親子一緒に観戦に訪れている人の割合はどんなものか?)
実感として2割程度な気がします
1人が家に残っている場合は家庭でも通常の電力量を消費します

3人以上の世帯全員で野球観戦に訪れている割合はどんなものか?
これは1割程度じゃないでしょうか
家族のうち1人でも家に残っていれば通常の電力量を消費します


そうすると東京ドームに約41200人が訪れることで留守になる世帯数のおおよその数は

単身世帯=11536世帯
2人世帯=1030世帯(10300×0.2÷2)
       (10300人の2割に相当する2060人が同世帯から2人で訪れた観客であると推定)
3人以上の世帯=約509世帯(19364×0.1÷3.8)
       (19364人の1割に相当する1936人が同世帯から全員で訪れた観客であると推定)
計13075世帯

と言うことで、東京ドームで試合を開催することで
13075世帯が家を留守にし、その間5時間で家庭で消費されなくなる電力量は

13075×2.25=29419kwh
(東京ドームで試合をやる際との電力消費量との差は約2~3万kwh)

となる

ただし、

東京ドームの巨人戦は4割節電、照明最小限に
http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/news/20110319-OYT1T00783.htm?from=y10
>これらの節電策により、約40%減の2万3000~2万4000キロ・ワット時まで減らせる見通し

とのことなので、これが実現するならば
東京ドームで試合を開催することで5~6000kwhの節電となる


同様の計算方式で神宮球場では

5871世帯が家を留守にし、その間5時間で13209kwhが家庭で消費されないこととなり、
試合を開催することによりむしろ約8000kwhの節電となる


同じく横浜スタジアムでは

5332世帯が家を留守にし、その間5時間で11997kwhが家庭で消費されないこととなり、
試合を開催すると9000kwh余分に電力を消費することになる


つまり、

東京ドームと神宮球場で試合をすることはむしろ節電となる可能性がある
(ただし、東京ドームは節電策が成功する条件付)

横浜スタジアムで試合をすると、通常より9000kwh電力を消費することとなる


※野球観戦に訪れることで留守となる世帯数の算出方法については議論の余地あり