黄金の王 白銀の王 沢村凛 | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

黄金の王 白銀の王読了
つい悪い癖が出て…
あまりにいい話で、登場人物たちに魅了され、これ1冊の完結ものだったので、読んでいる途中で、最後はどう終わるのか気になって、パラパラと
そこで知ってしまった二人の未来
ショックで読めそうになくなりました。。。でもそこまでの過程がどう進んだのか?
結果としてちゃんと読んで良かった。そんな作品です。
黄金の王 白銀の王 (角川文庫)/沢村 凜
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内容紹介
二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王であった―。翠の国は百数十年、鳳穐と旺厦という二つの氏族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領・穭(ひづち)が治めていた。ある日、穭(ひづち)は幽閉してきた旺厦の頭領・薫衣と対面する。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王。彼らが選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。日本ファンタジーの最高峰作品。
ファンタジーということで登場人物の名前は非常に難しい漢字が使われていて。。。書けない、読めない。。。それを除外すれば、なんと良い作品だったのでしょうか


城の地下は代々の城主の棺が置かれている墓所になっていた
棺に掛けられた布の地は黒
けれどそこに描かれた模様は金であったり、白銀であったり、順序が決まっているわけでなく、いくつか続き、交互に変わる。

同じ血筋から別れてしまった敵同士
双子の兄の子孫と弟の子孫 何度も支配者として入れ替わった歴史があった。
そのたびに起こる殺し合い

支配者として立った穭(ひづち)19歳 彼は決断する。
今しかないと。
彼の父母は数年前に病で死んだ
覇権を争い、奪った相手は15歳の薫枝(くのえ)以外は生きていない。
彼と手を組まないと、この国は外敵から守れない。

こうして難しい関係の二人の若者の生き方が決まりました。
文章は淡々とした口調で主に穭側の人間の心情を描写する形で進みます。

薫枝の受ける苦痛は口では言い表せません。
回りすべてが敵 気持ちをわかってくれるのは穭だけ
それでも穭の妹、稲積(にお)を妻にしたことはシアワセでした。

穭は時々考えます。自分が薫枝の立場だったら。。。時にはその人間性に嫉妬しながら、
それでも二人は目的に向かって、戦いのない国を作るために。
その為に時々起こる犠牲を乗り越え  
薫枝のすることは回りからは理解されません。非難ばかりを浴びながらも、穭から15歳の時提示された二人の進むべき生き方を守って。

涙が止まらなくなりました。
この二人の間の気持ちにも、薫枝と稲積の間の愛情にも

良質な作品と思いましたねぇ