舟を編む 三浦しをん | ちわ☆わんつーmemory 

ちわ☆わんつーmemory 

日々の忘れたくないこと

小説 『舟を編む』 を読んだ
今年の本屋大賞作品。やっと図書館で順番が来ました。
久しぶりに現代小説を読んだので、とてもわかり易くて、読み易い忘れたくない ちわ☆わんつーmemory -ウンウン
最近は架空の世界を描いたファンタジーや歴史物を読んでいたから…

本屋大賞もうなづける作品でした。本を扱う人にとっては、この内容は強く胸打つものだと思えます。
「辞書は言葉の海を渡る舟」
…正確な言葉で誰かに思いを届けるために…
舟を編む/三浦 しをん
¥1,575 Amazon.co.jp
玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。(内容紹介より)

前半では馬締や西岡の恋愛模様も描かれていて、ちょっとがっかりした気持ちもありました。
結局恋愛ものなのか…という気持ちです。
しかしながら馬締と交代のように営業部へ行く西岡の気持ちはとっても理解できる。
集中することがかっこわるいと思っていた学生時代からの流れ
一人部外者になる無常感。 馬締に追いつかない嫉妬
それでいながらいやな奴にならず、辞書編集部を応援していこうと思う気慨

そこの辺りがよく描かれていて、西岡にも声援を送りたくなりました。

<大渡海>刊行に向けての辞書編集部は古い木造の別館にある。
定年を迎えた荒木は後継者として辞書編集部に新しい人材を求めていた。
辞書編集部に在籍する西岡では心もとない。
西岡が見つけてきたのは、西岡と同い年だが院卒なので入社三年目の馬締。
やがて、この馬締=まじめ 名前の通り真面目でちょっと変人ぽい主人公と契約社員の佐々木。
お目付け役の荒木に監修の松本先生。
孤軍奮闘の編集部は問題を解決しながら<大渡海>刊行を目指す。
13年の月日が流れ、新しく辞書編集部へ配属された岸辺みどりは慣れない辞書編集の仕事と馬締への対応に戸惑っていた。
丸秘と堂々と書かれたファイル。その最後に書かれていたのは西岡からの馬締へのフォローであり、辞書編集部へ配属される誰かへ宛てたエールだった。


辞書作りの行程が垣間見え、『ことば』に対して再確認した作品です。
辞書に使用するのエピソードが描かれていて、理解しやすいです。
「大辞林」もらった(引き出物で!)過去があるけれど、大事に扱わなかったなぁ…重くて処分しちゃった…ゴメン

最後には辞書が完成します。
この辺りは感動もので、涙、涙の読了でした。「松本先生、ご苦労さまでした」と馬締や荒木と共に言いたいです。
ひとつのものに夢中になる。
西岡がこのことに触れ、それができない淋しさにも触れています。
この人物、登場したばかりの時は、イヤな奴なんだろうかと思いましたが、彼のおかげでこの作品がわかりやすくなっています。
 馬締はシアワセ者だよ!

対外に言葉を発する行為をしていると言葉の正確性。使い方に気を使う 私が書いているような、このようなブログでも。
辞書はその最たるものなんだと思うし、言葉は生きているとわかる。
とても読後の気持ちよい作品でした。




ちわ☆わんつーmemory ポチっとしていただけるとうれしいです。
ちわ☆わんつーmemoryにほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ