源氏物語はなぜ書かれたのか 井沢元彦 | ちわ☆わんつーmemory 

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今、旬な『源氏物語』
私が好きな井沢元彦さんがこの源氏物語に関して書かれた作品が11月に発行されました。
早速購入。 
…これ、帯に『源氏物語』誕生の秘密に迫る これまでにない入門書ってあるんですが…
源氏物語はなぜ書かれたのか (角川文庫)/井沢 元彦
¥500 Amazon.co.jp
『源氏物語』には数々の謎がある。藤原氏全盛の時代に、敗者であった源氏を名乗る若者が女性にモテて、政治的にも藤原氏を圧倒する物語を、なぜ書くことが出来たのか。紫式部は藤原家の出で、主人である中宮・彰子の父親は藤原道長なのに。さらに奇異なのは、式部が『源氏物語』を書くことを奨励していたのは、道長その人なのである…。この謎を解明する鍵とは何か?『源氏物語』を深く、面白く読み解くための指南書。(内容紹介より)



入門書。。。それなら『源氏物語』について書かれているものだと普通思いますよね。勘違いして買ってがっかりする人が出るかも~
確かに内容について書かれていますが、少ない~もっと細かく書かれているのかと思った~ちわ☆わんつーmemory-7482.gif

井沢さんの主張である『源氏物語』は鎮魂のために書かれた物語
これは前にも読んだことがありますね~
それをもっと掘り下げて、くわしくわかりやすく書いてあります。

『源氏物語』を読むためにはその頃の歴史を理解していればよけいおもしろさが増す。
これはよくわかるんです。
井沢さんが書かれた他の本も、また『源氏物語』も読んだことがない人でも分かるような書き方で進められています。
だからわかりやすいと言えばわかりやすい。
ただし、自分の説である鎮魂のために書かれた物語と説明するために歴史について書かれた部分が多くて。平家物語や太平記についてなど、また源氏は源氏でも源義経などの源氏や平氏といった武士にまで話が及ぶ。

ちょっとタイトルとの隔たりが疑問です。
入門書だ、指南書だと考えなければ興味を湧かせる本ですが。

初めは【言霊】
井沢さんの本を読んでいればよく出てくる説です。もっともだと思います。

そして【怨霊信仰】
日本の歴史を理解するために欠かせない考え方
「昔の日本人は怨霊を信じていた」
これを心に留めて考えないと全ての謎は見えてこない
「怨霊神は何者にも負けぬ、強く尊いもの」という考え方が根付いていた。
藤原道長が、なぜ相対する臣籍降下した源氏の栄達の物語を書かせたのか?

平安時代の怨霊に対しての考え方が理解できると、それがスムーズにわかります。
この本はそれを解説した本です。

ただしこのタイトルと発売時期では、現在の映画公開にうまく乗っかって発売したようで、ちょっとがっかりですね。
井沢さんが好きな読者は、こんな売り方して欲しくないと思うけど。

最後に上野誠さんとの対談があります。
これがわかりやすくておもしろい。
『源氏物語』は優れた恋愛小説であり、ホラー小説であり、週刊誌のゴシップネタでもあるという。
モデルがいそうなのにはっきり書かれていない。だから読者は「もしかして○○さんのこと?」と空想をめぐらす。
平安時代にこんな物語が出来た日本ってすごい。。。ただし紫式部一人で書き上げた物語ではないようですが。





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