刑事の子 宮部みゆき | ちわ☆わんつーmemory 

ちわ☆わんつーmemory 

日々の忘れたくないこと

中学生向けに描かれたそうなので字も大きめ。読み易い作品です。
1994年発刊の初期作品「東京下町殺人暮色」を中学生向けに装いも新たに出版。

刑事の子 (BOOK WITH YOU)/宮部 みゆき
¥1,000 Amazon.co.jp
中学一年生の八木沢順は、刑事である父・道雄が離婚したため東京の下町に引っ越すことに。開発が進むその町で、優しい家政婦のハナとの三人の生活に慣れたころ、奇妙な噂が流れ込む。近くの家で人殺しがあった、と…。そんな噂とともに、バラバラ殺人事件が実際におきてしまう。町が騒然とする中、順のもとに事件の真犯人を知らせる手紙が届く。刑事の子・順は、友人の慎吾とともに捜査に乗り出す。(内容紹介より)
 


両親が離婚して、順が父と転居したのは東京下町の借家。
友達になった慎吾の家は材木問屋。父親が町会長をしていることから、順の父親が刑事だと知っている。
そして順のことを刑事の子と呼ぶ。

家政婦のハナが順に相談したのは近所の噂。
川っぷちの一軒家に若い娘が入って行ったけど出てくるところは誰も見ていない…
夜中にその家の裏手で穴を掘っている老人がいたのを見た人がいる…
刑事の父、道雄に相談したほうがいいのかどうか。。。

同じ頃バラバラ事件が続けて起こった。殺されたのは若い女性

うわさがたった家は画家の篠田東吾の家。
その東吾の家の近くで本人に会ってしまった順は代表作品「火炎」を見たいと言った。
「火炎」は東吾が東京大空襲のときに見た記憶、感じた思いを絵にしたものだった。

描かれたのが十数年前、約二十年といってもいいかも
その頃は戦争体験が日常の会話に出たでしょうか?

私が子供の頃はお年寄りの話に「戦争のときは~」などと出ましたね。
3月10日の東京大空襲も地元では戦争全般の話と一緒に語り継がれていました。

“いつまでも戦争の悲惨さは身近にあったできごととして語らなくてはいけないのだろう”とそこが印象に残った作品です。
しかしこの作品はそこはいいのですが、だんだん説教くさくなりました。
もっとさりげなくでもいいのでは、とか。そう感じる自分が後ろめたいこともあるし。読むのがおっくうになることもあるし。
他人の痛みが想像できない人間が増えてきたことに対しての憤りを作品の中から感じました。
そこが出すぎて、読むほうに押し付けに感じるのは、まだ宮部さんも若かったから?

順のように年寄りを尊重してくれる性格のいい子が、今現在日本にどのくらいいるのかな…? そんな感じです。
そして、この作品に出てくるような子たちが増えているのが現状でしょうが、そうならないよう指導するのが大人の仕事なんでしょうね。





ちわ☆わんつーmemory ポチっとしていただけるとうれしいです。
ちわ☆わんつーmemory にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ