ボストン美術館浮世絵名品展 山種美術館 | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

山種美術館も臨時休館していたうえ、会期が4月17日までと短いので、再開してたくさんの来場者
それだけの価値がある展示品ですが、人気ありますね。
ゆっくり見ていたら予定時間を1時間もオーバーしました。

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錦絵の黄金時代清長、歌麿、写楽 ボストン美術館浮世絵名品展
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明治初期に日本美術に魅了された収集家によって海を渡り、ボストン美術館で所蔵されている浮世絵は50,000点にも上るそうです。
その量と作品保存の理由からボストン美術館内でさえほとんど公開されなかった浮世絵
保存状態がよかったおかげで摺られた当時の鮮やかな色彩がそのまま現代に伝わっている。
そんなレビューを読んで、ぜひとも見たいと思いました。
まして「歌麿・写楽」とあればなおさら
あまりカタログを買うことはないのですが、今回は買ってきました。

浮世絵は描いている絵師の技量も魅力的ですが、感心するのは彫り師です。

細かい絵や文字までよくぞ!と思うくらい 日本の技術はすごい!


第1章 鳥居清長

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「雛形若菜の初模様 あふきや内 たき川 おなみ めなみ」
このシリーズは3枚が展示されていてパンフには
「雛形若菜の初模様 丁字屋内 丁山 しをり つまき」が載っています。
これは遊女の宣伝と着物のカタログとを1枚で合わせ持っているのですが、この赤い着物の柄が孔雀。
左右にいる禿も紫の着物ですが、柄は同じく孔雀
すごい柄! よほど自信がなければ着れないねぇ~ 
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この浮世絵のサイズは大判錦絵となっています。
この頃のかけそば1杯が十六文
大判浮世絵はだいたい二十文だそうです。ものによってはもっと高くなったそうですが。


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「風俗東之錦 萩見」
2枚続きの大判錦絵  こちらは江戸=都会の風俗の紹介版  江戸のみやげにしたりとか?  
真ん中の武家を周りの女性達が関心持って見ています。 江戸の女性は積極的?
左右で地面の色が違うのは摺の状態が違うからでしょうか?
いつでもまるで同じとはならなかったのでしょうね。
展示品には同じ絵で摺の違うパターンを紹介したものもありました。

鳥居清長は芝居絵も何枚も展示されていますが、色付けする前の校合摺と錦絵の対比もあって色がつくと華やかです。


第2章 喜多川歌麿

美人画がすぐ浮かぶ歌麿
でもおもしろい絵がたくさん展示されていました。
「台所」では煙に顔をしかめる女性
「煤掃き」ではネズミをほうきで追う女性や美形の若い衆を胴上げする女性たち

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「四季遊花之色香 上・下」
こちらの右側の絵では一番右の女性が若衆の絽の着物に顔を透かせてもう一人の女性を驚かせてる



第3章 東洲斎写楽
味のある大首絵です。 美人画を見た後ですから、笑ってしまいます。

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「中山富三郎の宮城野」
なよなよしている仕草からぐにゃ富とよばれたそうです。

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「『天王子屋里虹』二代目山下金作の中居おかね、実は貞任妻岩手御前」
ここに描かれている役者はこの時六十六歳

二枚の役者絵を比べると、その違いの大きさに驚きます。
顔のつくりや表情に…
謎の絵師ですね~ 写楽!

全身が描かれた細判錦絵も何枚も展示されていて、見得を切った場面や表情の豊かさを楽しみました。

「二代目小佐川常世の女髪結いお六」はホントにおもしろかった。
オッサンの女形って感じでした。ちわ☆わんつーmemory

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第4章 黄金期の三大絵師をとりまく大家たち
ここでも印象に残る作品が何点も展示されていました。


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鳥文斎栄之「茶屋娘見立雁金五人男」
当時美人と評判の娘たちを芝居の一場面で表した作品ですが、このなかに描かれているのが
「高しまおひさ」と「難波屋おきた」
歌麿も二人の絵を描いていますが、人気だったのが忍ばれます。

そして芝居の役者でも「三代目瀬川菊之丞」が人気が高かったようで
私が気に入ったのが
勝川春章の「楽屋の四代目市川団蔵と三代目瀬川菊之丞」
鳥居清長や写楽の「三代目瀬川菊之丞」も展示されていますが、芝居の絵です。
楽屋の役者まで浮世絵になるなんて!
「好きな役者のことならなんでも知りたい」ファンの心理をつかんでる?

それぞれが工夫していろいろな場面を描いている浮世絵
見ていて細かい発見がたくさん 飽きません

第5章 版本と肉筆画

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これは鳥居清長の「彩色美津朝」という絵本です。
絵本と言っても形状は今とは違いますけど。正月風景を描いた場面 「商い始め」
角松が飾られ、本屋の店先で客が絵を見ています。
その見ている絵も鳥居清長本人の作品だそうで、しっかり宣伝しています
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