新・特捜司法官S-A〈1〉 麻城ゆう | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

麻城ゆうさんの作品「仮面教師S-J」を読んで、懐かしくなってこちらも読んでみました。2005年の作品
特捜司法官はまずコミックの「ジョーカー」でスタート。原作者の麻城さんがS-A=スペードのエースで小説に。
この作品は「新」と付いているように、この前作が2冊ありますが、その5年くらい後の設定です。秋津がしっかり大人の男になっている設定にしたかったようですね。特捜司法官の基本を押さえておけば問題なく読み始められます。
新・特捜司法官S‐A〈1〉―ジョーカー外伝 (ウィングス文庫)/麻城 ゆう
¥630 Amazon.co.jp
超人気TVドラマ「特捜司法官S‐A」で主役を演じる秋津秀のもとに、岸方セドナという少年が付き人にしてくれと言ってくる。俳優志望かと思いきや、彼は、行方不明になった女優志願の姉を探しているのだと言う。事件の裏に、「ネオヒューマン」と呼ばれる存在、そして、彼らにあこがれる若者たちを食い物にしている組織の影が…!!人間でありながら、特捜司法官のような銀色の人工眼球を持つ男、秋津秀の新たな冒険がはじまる…(内容紹介より)

SFアクションコミック「ジョーカー」の最初にあることば
あらゆる種類の電磁波を認識し 天体望遠鏡並の照準機能を備えた銀色の人工眼球を持つ合成人間
彼は刑事であり 検事であり 裁判官であり そして死刑執行人

地球がスペード
火星がダイヤ
木星がクラブ
金星がハート
担当している地域によって名前は違うがそれぞれ13人づつの特捜司法官がいる。
そしてジョーカーは切り札の存在



小説「特捜司法官S-A」の主人公、秋津秀は俳優  
役柄は「特捜司法官S-A」 この役だけを演じて十数年。彼の目は特捜司法官と同じように銀色の人工眼球である。それは特捜司法局の極秘事項で、秋津のまわりの人間は銀色のコンタクトを嵌めて撮影していると思っている。
ドラマ「特捜司法官S-A」で今回だけ出演したセドナが行方不明になった姉を捜すために付き人にさせてくれと秋津に頼み込んだ。
女優志望だった姉が撮影スタジオやセットがまとまっている浮島にきっと現れるはずだからと。

最近世の中には「ネオヒューマン」と呼ばれる足の長い、スタイルのとても良い若者が現れだした。
秋津の付き人にしてもらったセドナもそんなスタイルの持ち主。
しかしセドナの場合は遺伝子異常と宇宙で幼児期を過ごしたことが原因らしい。

「ネオヒューマン」は生まれながらに進化したといっていい人類なのか?
そして中には整形で体型を変えたネオヒューマンもいることがわかっている。
なぜならセドナの姉も整形をしたのだから。
そのように整形をすることでネオヒューマンになろうとする若者を利用して臓器売買で儲けている悪人がいるらしい。

セドナと一緒に彼の姉を捜そうとする秋津の前にS-AとS-Qがネオヒューマンに疑惑を持って
調査の為に現れる。
いつも頑ななまでに合成人間として秋津と距離を置こうとするS-A
臓器売買の話から合成細胞の話になったときに合成細胞を嫌う人間がいると説明しながら
「合成細胞は人間由来のものではない。合成人間が人間でないということと同じように―」
この言い方はS-Aを人間として見ている秋津の気に障った。
そんなS-Aに対してそばで二人の会話を聞いていたS-Qの的を得たことばが
「―身分の卑しい私はあなたとは釣り合わない。私を愛しているなんて言わないで―
そんなメロドラマみたいに自分を卑下したら、かえって秋津に失礼よ!」


この作品はこの秋津とS-Aの間にある人間と合成人間の葛藤と、取り上げている事件の解決と両方楽しめるのですね~

そして事件のネオヒューマンも司法官である合成人間も人間として同じか?いうテーマを
根本に持っています。


この作品は未来の設定ですが、どうしても現在や過去と比べる部分が、また日本を主として比べる部分が出てきます。
戦後食料事情の変化で、野菜中心から肉食になり、腸が短くなって胴長から足長へ変化した日本人。
硬いものを食べなくなって小顔になり、アゴやエラの張った日本人が減ってきた。
未来、もっと足が長くなり、胴が短く細くなったら…それがネオヒューマン。 
その体型で生まれなかった若者たちが体型にあこがれ、仲間はずれを嫌って整形して内蔵の摘出をし、サプリメントでのみ食事を摂る。
そんな若者が犠牲になった事件を扱って描かれている作品です。

自分の身体を変えるネオヒューマンと、変えられて生み出された合成人間

合成人間も人間ですから、能力は特殊でずば抜けていても感情があります。
そこがかわいいところで、それぞれ違いがあるらしいです。
殻を固く纏って秋津に向き合うS-Aがこれから変化するのか?ちょっと気になるところですね



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