妃は船を沈める 有栖川有栖 | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

有栖川さんの作品は出版される度読んでいたと思っていたが、最近の本が漏れていたのに気がついた。


妃沙子という女性を巡っての2編の物語 『妃は船を沈める』タイトルがずばりイキている!

妃は船を沈める/有栖川 有栖
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所有者の願い事を3つだけ、かなえてくれる「猿の手」。“妃”と綽名される女と、彼女のまわりに集う男たち。危うく震える不穏な揺り篭に抱かれて、彼らの船はどこへ向かうのだろう。―何を願って眠るのだろう。臨床犯罪学者・火村英生が挑む、倫理と論理が奇妙にねじれた難事件。(内容紹介より)




まずはしがきで有栖川さんからこの作品の説明が。

ウィリアム・W・ジェイコブズの作品『猿の手』

この作品中に『猿の手』をどう解釈するかといった議論の場面が出てくるが、それは実際に北村薫さんと有栖川さんとの間であったこと。

それをヒントにこの作品を思いつき、北村さんの了承を得て作品を描きあげた。

有栖川さんの見解は作品中では火村先生が唱えている。

―この火村先生の説は、ややこしいし、ひねくれていると思うけど、こんな考え方ができるから推理小説家なんだろう―


怪奇小説で有名な作品『猿の手』

子供の頃、子供向けに簡略化したのを読んで怖くなり、それからは絶対手を出さないです。

ここでその作品が係わってくるなんてね…



『猿の左手』

大阪、南港で車が岸壁から転落した。夜の11時。目撃したのは釣り目的の数人のみ。

車から発見された男性は一人だけ、44歳の男性。

睡眠薬を飲んでいたが死因は溺死。 その男性の妻は催眠ダイエットのサロンを開いており、男性は仕事で失敗ばかりしていた。その上妻の友人、三松妃沙子から多額の金を借りていた…

これは、保険金目的の殺人なのか?




『残酷な揺り籠』

あれから二年半

三松妃沙子は結婚して、設楽妃沙子となっていた。

“妃”と慕われていた妃沙子は新たな幸せを手に入れていた。

その夫婦のまわりで起きた殺人事件。 突然の地震がもたらしたもの。




妃沙子=こんな女性がいるのか? 40歳を過ぎて、自分の才覚で得た収入を持ち、若い男性を子犬を拾うように世話をする。若い男性たちも妃沙子の魅力と生活に満足し、しばらくするとその元を離れ、回りの青年たちはいつの間にか入れ替わる。しかし妃沙子の生活は変わらない。

ちょっと現実味がないようなんですが、ここが成り立たないと作品も成り立たない。フシギ



どうも推理小説の読み方では苦手。推理は火村先生にお任せです。


それで?それで? なんて読み方ですが、有栖川さんの作品が好き。

火村先生と犯人との駆け引きが好きなのか? 火村先生に興味があるのか?

犯人が突拍子もないことをする訳でなく、現実的な内容なのに、意外性がある有栖川さんの作品が好きなのか?


今回女性刑事が登場。高柳真知子、愛称コマチ

このコマチが火村先生の癖に気がついた。

緩くしめているネクタイを更に緩める=どんな記憶がこの行為をさせるのか?


コマチはこれからも登場するのでしょうか?




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