十三の冥府 内田康夫  | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

久しぶり過ぎるくらい久しぶりの浅見光彦シリーズ。

偶然 9月24日に放送するというテレビ《浅見光彦シリーズ》内容紹介に「都賀留三群史」の文字を見つけた。

実際は東日流外三郡誌ですが変えてありますね。

そのテレビ用の紹介文

《ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は大和朝廷とは別に荒覇吐(アラハバキ)王国が存在したという「都賀留三郡史」について調べるため青森に向かう。》



原作を読んでみました。

十三の冥府 (ジョイ・ノベルス)/内田 康夫
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「なにわより/じゅうさんまいり/じゅうさんり/もらいにのぼる/ちえもさまざま」八戸の蕪島でお遍路の女性とすれ違った時、女子大生・神尾容子は奇妙な唄を耳にした。数日後、そのお遍路と思しき絞殺死体が「ピラミッド」へつづく山道で発見される。同じ頃、古文書の真贋論争の取材で青森県を訪れた浅見光彦は、行く先々で不可解な死に遭遇。それらの死の原因を“アラハバキ神の崇り”と考え、恐れおののく人たちがいた…(内容紹介より)



古代史トンデモ本や伝奇小説が好きだと目にしたことがある「東日流外三群誌=つがるそとさんぐんし

古代、津軽地方には大和朝廷から弾圧された民族がこの地で文明を栄えさせていた。その国は「荒覇吐=アラハバキ」と呼ばれ東北地方一帯に見られる民族信仰の荒覇吐神を信仰していた。

このことが書かれた古文書が五所川原市在住の和田家から発見された。



津軽を東日流と表記するなんてロマンを感じましたが、
実際の「東日流外三群誌」は偽書ということで決着が着いているようです。

一度読もうと思って図書館で借りたけれど、読むのが面倒になってしまい、偽書という決着のみで納得したのが斉藤光政さんの『偽書「東日流外三郡誌」事件』


偽書「東日流外三郡誌」事件 (新人物文庫 さ 1-1)/斉藤 光政
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偽書追及の最先鋒として、文書群の「トンデモ」ぶりを検証、偽書事件の構造を徹底した取材で明らかにし、論争に終止符を打ったひとりの地元新聞記者の奮闘記

この作品もレビューを読むと、下手なミステリー小説よりおもしろいんだそうです。再チャレンジするかな…



浅見シリーズはミステリー部分が現実に起こる事件と取り上げるモチーフと二重に描かれている。そこが安心して読めるシリーズです。一時期ハマりました。

ところが地名プラス殺人事件というタイトルで何冊も読むと、内容がごっちゃで思い出せなくなってしまい手を出さなってしまった。

最近はタイトルも内容を偲ばせていて「箸墓幻想」は新聞連載時に読みました。、あれが浅見さんシリーズを読んだ最後かな…

「十三の冥府」

どうも冥府と覚えられずに墓標と記憶しそう…巻末に浅見光彦シリーズタイトルの一覧表。

過去に描かれた「十三の墓標」のタイトルを見つけて、読んだことがあったかな?と思案。


十三湊、日本のピラミッドと必要なアイテムなので付いたタイトルでしょうが、わかりにくい。今回読んだことで記憶に残るかな?



いつものお決まりのシーンもあって、地元警察とつながり情報を得る。

ヒロインも登場して、パターンは一緒。 


取り上げられた津軽と南部の地域は、私自身にとってあまり関心も接点もないので疎い地域です。今回読んでみて、地元の気質の違いなどはなかなかおもしろいものでした。




勝ち残った政権が正義を主張するのはあたりまえ。記紀は中央政権の大和朝廷に都合良い記述にあふれ、北の地は文化的な発展は中央にずっと遅れていた。

それを翻す「東日流外三群誌」の発見は地元の人たちの喜びだったと想像できます。



この文書が真実だと賛成する派、偽書だと反対する派

ある程度は脚色してあっても内田さんだからそれほどいい加減な表現はないだろうと思って読みましたが、そこで思うのが、浅見光彦作品の影響力です。 信じてしまいますから。



犯人の設定は無理はないけど、エグイ作りです。

あとあと影響ないのか?と心配しました。余計なおせっかいですが。初版は2004年です。

「東日流外三郡誌」の経過や地理的知識を得るには好都合な作品です。




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