琅邪の鬼 丸山天寿 | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

琅邪=ろうや=古来より「あやかしの町」と呼ばれた中国大陸の東端・山東半島にある港町。その海には時々、見ることができるが近付けない島が現れ「神仙」たちが住む島と信じられていた。


これがデビュー作品!! 最後まで振り回されました…

琅邪の鬼 (講談社ノベルス)/丸山 天寿
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始皇帝時代の中国、商家の家宝盗難をきっかけに、港町・琅邪で奇妙な事件が続発する!「甦って走る死体」、「美少女の怪死」、「連続する不可解な自死」、「一夜にして消失する屋敷」、「棺の中で成長する美女」―琅邪に跳梁する正体不明の鬼たち!治安を取り戻すべく、伝説の方士・徐福の弟子たちが、医術、易占、剣術、推理…各々の能力を駆使して真相に迫る。多彩な登場人物、手に汗握る攻防、緻密な謎解き、そして情報力!面白さ極めた、圧倒的興奮の痛快歴史ミステリー!第44回メフィスト賞受賞作 (内容紹介より)



中国で「鬼」と呼ばれるのは日本で「亡霊」「幽霊」と言われるもの、そして人知を超えた怪奇な現象。不思議な出来事やそんな人、獣…なんでもかんでも理解出来ないこと全て



個性あふれる登場人物。あまりにも複雑極まりない事件。

人間の起こした事件なのか、それとも怪奇であるのか?



三年前琅邪は秦に支配されるようになった。その琅邪の海に時に突然異界が現れる。

その島には不老不死の薬を飲む仙人が住んでいると噂された。

琅邪を支配した越の王も斉の公も歴代の支配者はその島に手を出そうとはしなかった。しかし秦王政=始皇帝は「不老不死」の薬を欲していた。


やがて徐福を知った秦王は「不老不死」の仙薬を入手するよう命じる。

こうして徐福はこの地、琅邪の町の中ほどにそびえる小高い山、琅邪山に仙薬の研究所を建てた。

そこには巫医(ふい)と呼ばれる人々が集まった。

巫医、それは医者である。また易者もそう呼ばれた。薬草、医療にくわしく、なかには異能を持つ者もいた。




琅邪の大商人「西王」の屋敷に鬼が出るという。それが事件の発端だった。


その件で、求盗(警察官)希仁は徐福塾へ相談に来た。

西王が持っていた「壁」と呼ばれる玉を平たく円形に磨き上げた宝物が見つからない 

        壁=完璧という言葉の故事までできた宝物

きっと鬼の仕業に違いない。



「西王」は最近急に商人として伸びてきた。もともと琅邪には「王」という名の商家があったが、同じ「王」なので「東王」「西王」と呼び分けていた。

その「西王屋敷」には息子と娘、そして美しい後妻がいた。

また「東王屋敷」には嫁に行った金花、まだ嫁に行っていない「銀花」と呼ばれる美人姉妹がいた。


希仁は徐福塾の巫医残虎や塾の手伝いの娘、桃姫と西王屋敷の怪を調べ始める。

やがてどんどん起こる奇怪な事件。

それは西王家だけでなく東王の家族や郎党まで巻き込んだ。一体なにが原因なのか?


そして活躍を始めるのは桃の亭主である狂生、そしてその兄無心。

意外な人物が後から後から登場します。

まして事件はなんという結末で終わるのか!


意外や意外

この言葉が本当に実感です。最後まで油断できません。



できれば匈奴の娘桃姫と狂生が結ばれた訳や、無心のことなど、今後も読みたい人達です。




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