午前中早めに家を出てきました。そのおかげか、皆さん遠出しているのか、チケット売り場はスムーズに買えました。
前売り券買ってなかったんですよね。この展覧会は来る気がなかったから。ところが評判がとてもいい
だんだん興味が湧いてきて、行ってきました。8月29日まで。渋谷Bunkamura B1ザ・ミュージアム
―400年前のワンダーランドへようこそ―
ポスターは《聖アントニウスの誘惑》の一部が使われています。
版画への興味はなかったので、ブリューゲルがとても人気が高いことは知らなかった。
16世紀ネーデルランドの画家 ピーテル・ブリューゲル
ブリューゲル版画は不特定多数の購買層のために制作されたので、当時の人々のさまざまな関心に応えています…パンフでの解説…
始めのコーナーは風景画。まずその細かさに目を奪われます。
版画だから彫ってあるのよね。下絵の通りに。展示のなかに版画を作っている当時の工程を、作品にしたものがありましたが、彫師さんのが下絵かきより高い工賃を取っていたとか。下絵を描いたブルーゲルだけでなく版元の名前も明記されています。
展示のコース途中に天井から設置された画面で《大きな魚は小さな魚を食う》のアニメが見れます。
ほんの数分ですが。
そこのソファーで休んだときに足を伸ばしたら、足の指がつりそうになりました。結局3時間展示物を見ていたんですけどね…
アニメはおもしろかったです。
最初は大きな魚は何事も無く横たわっています。漁師がナイフを使い始め、はしごが架けられて背中からつつくと口や腹から小さな魚が出てくる。手前に小さな船の親子も出てくる。
一休みにちょうどいい
展示されている作品が細かくて観るのに時間が掛かります。並んでいるとなかなか進まない 仕方がないからこちらもじっくり観察です。
ポスターの《聖アントニウスの誘惑》は
第2章 聖書の主題や宗教的な寓話を描く
ここに展示されています。ポスター右下、光輪のおじいさんが聖アントニウス 誘惑に負けずに聖書を読んでいる。
ここにもたくさん描かれている怪物・キャラクター
ブリューゲル版画の世界オフィシャルサイト
ではトップページを開くたびに出てくるキャラクターのアニメが変わります。
ポストカードにも抜粋でまとまっています。
この発想のユニークさが魅力なんでしょうか? ブリューゲルはヒエロニムス・ボスという画家に影響を受けたようですが。
このコーナーには
「七つの罪源」シリーズと「七つの徳目」シリーズも展示されている。
「七つの罪源」
貪欲 傲慢 激怒 怠惰 大食 嫉妬 邪淫
「七つの徳目」
信仰 希望 愛徳 正義 賢明 剛毅 節制
怖い絵ですが、このような版画で当時の様子がわかるのですね。
当時の人々も怪物とかこんな怖い絵とか…いつでも世間の興味は一緒!
第3章では帆船やガレー船
どうも「FLESH&BLOOD」が 好きな私は船にも目が行ってしまいます。当時の船です。
第4章人間観察と道徳教訓の世界
ブリューゲル作《誰でも》
オフィシャルサイトの解説によれば
―誰でも自分自身を求める―
―誰でも最も長いものを得ようと引っぱる―
―誰でも自分自身を知らない―
テレビでこの「ブリューゲル版画の世界」特集番組が放送されていて、途中から見ました。
第5章の諺(ことわざ)を通じて知る「青いマント」の世界
この頃の版画には諷刺やことわざが織り込まれているんです。
《大きな魚は小さな魚を食う》もここに展示されています。これは『弱肉強食』をあらわしています。
フランス・ホーヘンベルフ《青いマント》
青い色は虚偽・欺瞞を表している。左下に夫に青いマントを掛けようとする妻…彼女は夫を裏切っているんですね。この絵には40位の諺が描かれているとか…
ブリューゲルの作品と他の画家の作品が並べられていて、同じタイトルだったり。同じ諺を表現しています。
比べるとおもしろい。
また、ブリューゲルの下絵と版画も並べてあって、反転しているのですね。
公開しては風刺が効きすぎてマズイから、主要人物の帽子を版画を刷るときに下絵とは違って当たり障りの無いものにした。そんなこともわかってしまう絵がありました。
ここでも感じましたが、西洋の諺とか聖書の逸話とか。日本に馴染んでいない話は、画面では読み取れません 説明ボードがありましたがメモできない。ボードの無いものは「何か表現しているらしい」としか理解出来ない。作品カタログは高いし厚くて重いし…やめました。
もっと興味が湧いたら、また図書館を利用です。
会場をでたら台風の影響が強まって雨まで降ってきた。日本海側を北上とか天気予報で言っていました。