- 自分に突っ込み、回りに突っ込み 一人称で語られる新二くんの突っ込みがツボでよかったで~す。
- 一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)/佐藤 多佳子
¥520 Amazon.co.jp
春野台高校陸上部、1年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第一部、スタート! (データーベースより)
9月9日にupした『風が強く吹いている』 読了記事のコメントでモトさん から紹介された作品です。
「読書メーター」でこの本を読んだ読者さんのコメントを見ると、私と同じように『風が強く吹いている』を読んで、この本を読んだ読者さんは二つの作品を比べてしまうようですね。
こちらは軽いです。甘いです 多分対象とした読者層が違うと思います。
私としては、同じ走ることがテーマですが、全然違う系統の作品ものだと思いました。
新二は中学まではサッカーをやっていた。 父も母もそして兄もサッカー中心の家族
しかし2歳違いの兄とは能力が違いすぎて。それでも兄は新二のあこがれだった。
コンプレックスに悶々とし、やがてサッカーから心が離れてしまう新二。
幼馴染の連は走ることの能力がずば抜けていた。しかし性格がマイペース 結局中学では競技者をやめてしまう。
新二の側にいる二人の才能ある人間。ところがタイプは正反対 新二は連と公立の高校で陸上部へ。
新二の日常と、 走ることへ、それも連と走ることへ心が動いていくのが新二のことばで綴られます。
高校で入部した陸上部の様子。部員達、顧問の先生。みな生き生きと描かれていて、二人や部員達に好感が持てる
がんばっている陸上部、そんな中で連はマイペース。
それでも新二の気持ちに応えるように、二人で走ることを喜ぶように走る連。
夏休みの合宿
大体、このような小説や映画は合宿で事件が起こりますね。親元離れて一緒に過ごすからね~
でもちょっと肩透かしの終わり。どこかに連載されていたの?と思うような描き方で、事件後がないのは「」でした。ここいら辺が「風が~」と比べられて落ちる原因かな?
でも新二の気持ちがとてもよく描かれていて
練習に現れない連に対しての憤りや能力へのジェラシー 恋への憧れ
「4継」と呼ばれる400mリレー競技の一瞬一瞬 バトンリレーのおもしろさと怖さ
試合前のプレッシャーでトイレマンと化す新二 余裕あるライバルたち
まだ1年の新二や連、そしてネギたち部員がどのように伸びていくか?
この作品は「2部 -ヨウイ-」 「3部 -ドン-」と続きます。
最後がどこを目標にしているのかとても興味が湧く読後感。 続けて読みきりたい。
よろしくお願いします。
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