鳴家<やなり>はかわいいかわいい 十七歳の仁吉が見てみたい
今回も「なぜ?どうして?」に引っぱられ、どんどん読んでしまいました。鳴家の魅力は大きい ここに出てくる人も妖もすてきでやさしい。大好きです。
- ころころろ/畠中 恵
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摩訶不思議な妖怪たちに守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる江戸有数の大店の若だんな・一太郎。ある朝起きると、目から光りが奪われていた!その理由は、空前絶後のとばっちり?長崎屋絶体絶命の危機に、若だんなが名推理。だけど光りの奪還には、暗雲が垂れこめて―。佐助は妻と暮らし始め、どうなる、若だんな?絶好調「しゃばけ」シリーズ第八弾。 (データーベースより)
「はじめての」
そう若旦那が初めての恋をした。 十二歳の一太郎。はかない恋のお話。
そして十七歳の仁吉が出てきます。
おっかさんの目を治すため無理な「七宝集め」をするお沙衣。そして目医者の昌玄の目的は?
「ほねぬすびと」
長崎屋にお武家さまから頼まれごとが。
2度も失敗した魚の干し物を無事江戸まで運んでほしい。
江戸に着いた干物の入れてある竹かご。それを見た後から、若旦那の目が見えなくなった
目が見えない若旦那…転んでこぶを作った。縁側から落ちて足をくじいた。味噌汁を取り損ねて火傷した。風呂で溺れかけて布団に絡まり、しっかり寝込んだ。
よくぞそこまで、さすが若旦那…あっぱれ
「ころころろ」
若旦那の目を治すため、生目神社の神様を捜す仁吉。
ところが妖たちがどんどん集まって来て、なんと妖が見える男の子まで仁吉に助けを求めてきた。
人形に取り付いた小ざさが哀れ。切ない話になっていた。
鳴家たちが目の見えない若旦那のために屏風のぞきと碁をする手助けをします。
碁石を動かす鳴家たち。だんだん勝手に動かして騒動に。想像しただけでかわいい~
生目神の珠を持った河童探しで忙しい仁吉に若旦那が手紙を‥代筆は屏風のぞきが‥なんとも微笑ましい。
「けじあり」
佐助がいつの間にか所帯を持っていた?
毎朝目につく「けじあり」と書かれた紙…けじありの意味がわからない佐助
どんどん大きく繁盛していく佐助の小間物屋、増える使用人。
妻のおたきがむきになって始末しようとする鬼とは、玉子焼きが好きだった !!
「」が続く話についつい引き込まれてこちらも佐助同様「あれ?どうして?いつからおたきと一緒になった?」
かわいい鳴家が佐助を導いてくれました。
本当の鬼は…人の心が鬼になってしまう瞬間とは、原因とは?…人ではない犬神の佐助にも通じる哀しさ
最後はうるうるしてしまいました。
「物語のつづき」
上野「広徳寺」で生目神こと品陀和気命(ほむだわけのみこと)が佐助たちが作った罠に捕まった。
若旦那の目の光を返せと迫る皆に神が問題を出した。
「桃太郎」はおじいさんとおばあさんのところへ帰ってどうなった?
妖たちが騒ぎ出す。―桃太郎は悪い奴。鬼の宝を取った
では「浦島太郎」はおじいさんになってからどうなった?
なんと若旦那は前に貧乏神から浦島太郎のその後を聞いていた
若旦那を想う佐助や仁吉、屏風のぞきに獺、鳴家たちが神とやりあう姿は笑い出します。
次に神が出した問題は‥
神と人間では生きる時間が違ってくる。それは妖も同じこと。
佐助や仁吉はそうしてたくさんの人間と別れてきた。若旦那もいつか‥
人間の一生は儚い。まるであっという間に終わってしまう。
はかない、はかない人生。それでも、人間はみな精一杯生きている。
しゃばけシリーズはいつ読んでも鳴家のかわいさと、若旦那のやさしさ、そして若旦那を取り囲む家族や妖たちの甘さに頬がゆるんでしまい、物語の最後の想いに涙が浮かぶ。
人としてやさしくなれる物語。
今年はテレビドラマにならないのかな?
去年・一昨年 11月だったけど、今年は何も聞きません。 本の鳴家もかわいいけど、ドラマの鳴家もかわいかった