三重ブランド | 田中松緑のブログ

三重ブランド

先日の事業仕訳で、地域資源ブランド力向上事業「三重ブランド」(予算4591万円)が、廃止も含めて検討されることになった。

県がブランドを認定する費用対効果が小さく、県のマーケティング戦略を再構築すべき結果なのだろう。

全国消費者の立場でみると、「三重」というよりも、伊勢志摩、鈴鹿、伊賀、熊野など、それぞれの地域資源が注目されている。

これら地域を消費者に「三重」と認知させるよりも、独自のよさを磨く環境を整備することが産業発展のために重要だ。

この事業は、不況前に企画された高級食材のブランド戦略だが、不況も影響して参入(申請)企業が毎年数件しかない。

その結果、現状では、ブランドに認定された企業が独占の立場になる弊害も懸念される。

他県では、食材に限らず幅広い分野で、審査基準もわかりやすく、多くの県内産業を応援する仕組みが一般的だ。

例えば、東京の百貨店で惣菜店(桑名の柿安)は「美し国三重フェア」を開催して松阪牛コロッケなどを売出している。

鈴木知事は写真付広告で協力するなど、熱心だが、他の産品も一斉に売り出すこともなく、一部の業者限りの波及効果のない販売方法だ。

ブランドは、生産者から販売者までが消費者本位で磨き続けて守るもので、厳しいマーケティング戦略のひとつだ。

県が申請時だけで他との競争ないお墨付きを与えるだけではブランドとはいえない。生温い自画自賛の県政の表れだ。

地域ブランドは、特に情報発信地かつ消費市場の大都市(特に東京)における競争戦略が重要だ。

鈴木知事の名を汚さないよう、県職員は意識改革して、消費者の立場を考えた経済政策を実行してほしい。