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[nicesato] Column No.3:月並みですが、2001年を振り返ってみました

 早いもので今年も残りわずかとなりましたがみなさんいかがお過ごしですか?というわけで今回は月並みですが個人的に今年を振り返ってみたいと思います。とは言っても忘れていることの方が多いと思うので思いつくままに書いていくことになると思いますが。そんなわけで乱文覚悟の上お付き合いください。

 まずは今年聴いた音楽の話から。この時期になると音楽雑誌などでは決まって「今年のベストアルバム」的な特集が組まれるわけで、僕も最初はそんな感じで書いてみようかと思ったんだけど、実際のところ今年何を買ったかなんて憶えていないものの方が多い。ここ数ヶ月間に買ったものならまだしも、今年の前半に買ったものなんてよく思い出せないし、それが本当に今年買ったものなのか、昨年買ったものなのか記憶が曖昧だったりして。しかし「今年のベストアルバム」なんてくくっちゃうといい加減に選ぶわけにもいかなくなるので、その企画はやめました。それでもうちょっとユルい感じで「今年買った(であろう)記憶に残っているアルバム」と言うことで進めます。歯切れ悪いけど。

 ここ数年そうなんだけど、新譜を買うことよりも中古盤や再発CDなどの旧譜を買うことの方が圧倒的に多い。新しい音楽に興味が無いわけではないのだけど、後になってみると記憶に残っている新譜はかなり少ない。新譜でよく聴いたのは、邦楽ではキリンジと小坂忠さんぐらい。どちらもいいアルバムだったが、特に小坂忠さんの「People」(注1)はボーカリストとしてはもちろん、一人の人間としての円熟味を感じさせる素晴らしいアルバムだった。洋楽の新譜で記憶に残っているのはDUFT PUNKの「DISCOVERY」に入っている「DIGITAL LOVE」という曲。モロBUGGLESって感じのベタな曲だけど、妙に新鮮でよく聴いていた。

 次に旧譜関係。今年の個人的な流れで大きかったのはAORを聴き始めたこと。ここ数年ずっと50年代や60年代の古い音楽を掘り起こして聴いてきたけど、それが70年代に移り、最近になってようやく70年代後半という自分がリアルタイムで聴いていた時代に突入した。AORが流行った70年代後半から80年代初頭は、僕自身テクノポップやニューウェーブに傾倒していたこともあって、AOR自体はあまり意識して聴いていなかった。そこで掘り起こし始めたのがその辺のアルバムで、そのきっかけとなったのはALESSIの「愛しのローリー」(注2)という曲。別にAORの代表曲というわけでもないし、この曲をAORとしてとらえて良いものかどうかも疑問だけど、この曲に完全にやられてしまったおかげで自分のなかで勝手にAOR熱が高まった。AORは中古盤屋で安く手に入れられるのもいい。来年はもっと掘り起こしてみよう。

 他には冨田勲さんの再認識。冨田勲さんと言えば僕の中では冨田恵一、ヤン富田と並ぶ「世界三大トミタ」の一人だが、ムーグものを経過した今の耳で聴くと、改めてその偉大さを感じる。宅録電子音楽の金字塔。スゴすぎます。あとは再発CDということになるんだけど、今年は特に再発CDの当たりが多かった。というか、何年も再発を待っていたものがまとめてリリースされたような感じ。中でもHONEYSの「The Honeys Collection」(注3)やPAPER DOLLSの「PAPER DOLLS HOUSE」(注4)なんて、再発のニュースを聞いただけで失禁しそうになった。他にはスタックリッジの再発とか。その辺に限らず、興味のある再発モノは出た時点で買わないとダメ。すぐ廃盤になるから。あとはELOのボックスなんてのもあったな。「箱モノ」はちょっと高いからいつも悩むけど、結果的には満足出来るものが多い。というわけで旧譜に偏ってしまった感もあるけど、来年はもっといい新譜を聴きたいです。特にエレクトロニカ系のものに期待。

 次に自分の活動について。前回のコラムで書いたように今年の前半は仕事ばっかりだった(H崎さんのリミックスとか)。仕事以外ではTHE TEETHという二人組のアルバムを手伝っている。これについては今後書く機会があると思うので詳しくはその時に。夏ぐらいからマイクロスターの活動が再び始まるんだけど(前コラム参照)結果3年ぶりのマキシシングルが発売されるという、この予想外の活動が個人的には一番の収穫といったところ。とにかく、それがきっかけでいろいろとやる気が出たことは確か。それがなければこうしてサイトを立ち上げて文章を書くこともなかったことだし。反省点としては昨年から作り始めているナイスリーナイスのミニアルバムの進みが悪いこと。仕事が一段落するたびに、気持ちも新たに作り始めようと思うのだけど、締め切りがないせいかいつも3歩進んで2歩下がるといった具合。本当はマイクロスターよりもナイスリーの方が早くリリースされるはずだったのに(山口さんゴメン)。来年こそがんばります。いや、がんばらねば。

 仕事といえば、仕事道具である機材類は今年あまり買わなかったな。雑誌では機材レビューもやっているくせに。それどころか、あまり使ってない機材をどんどん処分した。結果今残っているのはパソコンとサンプラーとアナログシンセ数台といったところ。ハッキリ言ってこれで充分。ただ、面白い機材を買うと創作意欲がわくのも事実なので、来年はそんな機材がでてくることに期待。

 とまあ、こんな感じの一年間でした。僕個人としてはマイクロスターの活動とともに来年に向けていろいろやる気が出てきたのが何より良かったかな。あと、私事でナンですが結婚もしたし。そう考えると、なかなか良い年だったかも。まわりを見渡せば日本だけじゃなく世界的に、想像もしなかったような暗いニュースばっかりでイヤになるけどね。音楽で世界を変えられるなんて思ってないけど、僕の作った音楽を聴いてくれた人が、それによってちょっとでも気分が良くなったりしたらそれでもう充分。こっちも気分良くなるし。そんな音楽を目標に来年もコツコツとがんばります。そんなわけで来年もヨロシク、そして良いお年を。Good Vibration!!!

佐藤清喜

(注1)People/小坂忠
僕みたいな小僧にはとうてい真似できない大人のアルバム。厚生年金でのライブもよかった。まさか「しらけちまうぜ」まで聴けるとは!生きてて良かった。
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(注2)愛しのローリー/ALESSI
久々に「やられた」と思ってしまった曲。ジャケはダサいが、AORは「ジャケがダサいほど内容が良い」という傾向があるので逆ジャケ買い(?)がオススメ。
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(注3)The Honeys Collection/HONEYS
待ってました。コンピに入っていた「He's a doll」を聴いて以来ずっと探していたけどなかなか見つけられなかった一枚。待ってて良かった。
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(注4)PAPER DOLLS HOUSE/PAPER DOLLS
これも待ってました。僕の好きなトニー・マコウレイもの。今まではコンピでちょこちょこ聴くしかなかったけど、これでようやくスッキリ。マコウレイ好きなら同発のピケティウィッチも必聴。
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[P-chan] Column No.2:~Lovey-Dovey~

 新譜のお話の続きを。

 ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、この「Lovey-Dovey」という曲はCMソングでもあります。この曲はCMで使われる事を前提に歌詞を書き始めました。なので、最初はCMを作るのに必要なサイズ、ワンコーラス分の歌詞だけ書きました。

 仮詞段階では女の子版サーフソング、みたいに考えてました。「アネット」(注1)というサーフ映画に出ている歌手がいるのですが、なんかそんなイメージでいこうと思っていました。「人生はサーフィンみたいなもの」とかなんとかいった感じの歌い出しで、ウソウソ英語の仮詞を書きました。でも「ほんにゃらかんにゃらサ~フィ~ン♪」って、クーピーちゃん一家はバーベキューしてんのにおかしいよなあ。と思ってサーフソング案は即座に消えました。

 そして「混沌パーティーソング」というくくりが自分の芸風の中であったので、そういう感じでいこう!と心に決めました。はじめのワンコーラスはクーピーちゃん一家のことを考えて、惚れたハレタは無しにしておいた。「スマイル」というテーマで、と発注元から言われていたので、それもふまえてみました。「スマイル」といえばもうもちろんビーチボーイズですが、あの「スマイル」を想定はしていません。そんなおそれ多い気持ちで「スマイル」という言葉を使ったわけではないのです。

 そしてしばらくしてからその後を書いたんだけど、CMや映像の事を考えずに、曲に乗ることだけ考えて書いていいんだ!と思ったら、なんだか急に気が楽になって「混沌パーティーソング」の招待客達は屋根にのぼってチュウしたり(ワオ!)し始めました。

 そして歌録りで印象的だったのはコーラス!とっても楽しかった!このコーラスがこの曲の肝になったんではないかなあ。イントロの「スマーイルオンスマイルオン…」というコーラスはコーデッツ(注2)の「ミスターサンドマン」みたいにしよう!(次々に重なっていく感じ)とサトマンが言ってきて、うん!うん!うん!それはすてきだねー!とやってみたのだけど、あんまり「ミスターサンドマン」にはならなかった。勉強になった。いつかリベンジしたい。

 そして、CMで流れているのはM-4の割とピコピコしたアレンジだったのだけど、今のマイクロスターの気分としては、違うアレンジのものを!ということでM-2アレンジをサトマンは作ったのです。個人的にはM-2のほうが気に入ってしまいました。あなたはどっち派?

(つづく)

飯泉裕子

(注1)アネット
アネットのビーチ・パーティ (PCCD-00069)
本人主演の青春映画「ビーチパーティ」の公開にあわせてリリースされたアルバム。映画を見ていなくてもサーフ・アルバムとして充分楽しめる。パンチの効いた歌が最高!
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(注2)コーデッツ
The Chordettes' greatest hits (VICP-60098)
女性版バーバーショップカルテットの草分け、コーデッツのベスト盤。「ミスターサンドマン」は細野晴臣氏のラジオ番組「デイジーワールド」のジングルとしても使用されている。
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[nicesato] Column No.2:Lovey Dovey plusが出来るまで

~ Lovey Dovey plus発売記念コラム ~

 今回はマイクロスターとしては3年ぶりのリリースとなるマキシシングル、「Lovey Dovey plus」の発売を記念して、その経緯などについて書きたいと思う。

 前回のマキシシングル「I'm in love e.p.」を発売した後のマイクロスターは、数回のライブ活動をのぞいて目に見えるような表立った活動はしていなかった。その3年以上の間、全く活動していなかったわけではないのだが、その間のことは今後また書く機会があると思うので、その時に詳しく説明したいと思う。とにかくその3年間の間に自分の中では、マイクロスターにしろナイスリーナイスにしろ「ライフワーク」という気持ちが強くなってきて、じっくりと長く続けられるような活動をしたいと思いはじめていた(今となってはマイペースすぎた感もあるが)。というわけで周囲からは「解散したのでは?」と思われても仕方がないぐらい地味な活動になっていたマイクロスターだが、今回CMタイアップをきっかけにマキシシングルを発売出来ることになったのは自分としても予想外の出来事だった。

 「Lovey Dovey plus」のサウンドについて語るには、まず「I'm in love e.p.」について書いておかなければいけないだろう。この'98年発売のマキシに入っている「I'm in love」という曲を聴いたことがある方ならば、今回のマキシは「なるほど」という気持ちで受け止めて貰えるんじゃないかと思う。「フィル・スペクターのウォールオブ・サウンドをマイクロスターなりに再構築した結果、90年代のナイアガラの滝が見えてきた」というような(?)この曲は、作った本人にとっても会心の出来だったが、そのマキシは同時に当時のライブ・レパートリー曲を収録していたため、「I'm in love」は「マイクロスターのそんな一面」程度にしか受け止められていなかったのではと思う。しかし自分たちにとっては、そのころ深く傾倒していた'60年代ガールズ・ポップスへの憧れから生まれたとても自然な作風だった。そこが今現在でも続く「王道ポップス」へのスタート地点。というわけで「I'm in love」は「Lovey Dovey plus」の原点なのである。

 その「I'm in love e.p.」発売後、僕は何枚か友人のアルバム制作の手伝いをしている。「風note / スノーモービルズ」(注1)と、「gentlemen at work / アイドマピーク」(注2)がそれである。肩書きは「サウンド・プロデュース」という何やらたいそうなものだが、その内容はアレンジの手伝いから録音まで、裏方でいろいろサポートする仕事である。僕はそういう裏方仕事は大好きだし、何よりも友人と一緒に試行錯誤を繰り返しながら音楽を作り上げるのは楽しいものだ。またそれ以上にこの2枚のアルバムではアレンジ、サウンド面で僕なりに遊ばせてもらった結果、いろいろなことを学ぶことが出来た感謝すべきアルバムである。スノーモービルズのアルバムでは「I'm in love e.p.」以降のマイクロスターでも重要な位置を占めるコーラスワークについてさらに学ばせてもらったし、アイドマピークでは今回の「Lovey Dovey plus」にも通じるポップスアレンジを勉強させてもらった。特に「プリシラ」という曲などは「sweet song」にも通じるサウンドに仕上がっている。今になってみれば、こうして自分でも気がつかないまま「Lovey Dovey plus」への下準備が行われていたような気がする。

 めっきりマイペースな活動が続いていたマイクロスターだが(というかほとんど何もしていなかったのだが)自分の中では「来年ぐらいにはなんか作ろうか」ぐらいに思っていた2001年の夏、CMタイアップの話が持ち上がった。競合ということもあってさっそく軽い気持ちで3曲ほど作ってみた。内容はもちろん「王道ポップス」路線。こういう競合の場合は落ちることも多いので期待せずに待っていると、何と以外にも採用されてしまった。しかも発注元からは「マイクロスターっぽいピコピコした感じで」というリクエスト付き。なるほど、以前のマイクロスターを聴いている人ならばそういうサウンドを求めるのは当たり前の事だ。「I'm in love」からスタートし友人のアルバム制作を経て続いてきた「王道ポップス」の作風がマイクロスターの新曲に現れるのは自分の中では当たり前のことだったが、まわりの人にはそんなことわかるはずもなかったのである。それならばとCM用にアレンジし直したのが今回のマキシで4曲目に入っているバージョン。

 ピコピコしたアレンジが得意なのは自分でもわかっているし、CMにもとても合っていたから、その出来には満足した。しかし、CD発売の話が進むにつれて問題が生じてきた。マイクロスターとしては、「I'm in love e.p.」を作った時から「次からはこういう王道ポップスの方向性で」という考えだった。ところが3年ぶりのシングルがCM用のテクノアレンジでは、その方向性に反することになってしまう。いくら出来がいいとしてもそれは困る。というわけで、4曲入りのマキシシングルにすることにして、CMバージョンを追加する事で解決。それならばと、後は王道ポップスの大海原へ。変わったサウンドを作るのは以外と簡単な事だが、こういう一見(一聴?)普通に聴こえるものを作り上げるのは以外と大変なものである。しかも、自宅完パケで時間の余裕もなく間に合うかどうか不安だったが、目標があると人間がんばれるものである。

 こうして何とか「Lovey Dovey plus」は完成した。その出来は自分でも大満足。何の説明も必要としない、極めて明快な直球ポップス。このマキシをきっかけに来年はアルバムを作りたいとまで思うようになった。ついこの前までは、いつ活動再開するのかそのめども立っていなかったのに、今こういう状況になっているのが自分でも信じられないほど。そのきっかけを作ってくれたスーパーミューザック山崎さん、急な話にも関わらずリリースしてくれたユーフォニック佐藤さん、そして今回もいろいろと支えてくれたシンクシンクインテグラル矢島さんに、この場をかりて感謝したいと思います。本当にありがとうございました。マイクロスターのアルバムはもちろん、ナイスリーナイスも現在制作中なので、来年はもっとがんばりますよ。ヨロシクね!

佐藤清喜

(注1)「風note / スノーモービルズ」
'99年に制作され、世紀をまたいで2001年にようやく発売された彼らの3rdアルバム。これをあらためて聴いたとき、自分で関わった事も忘れて「スノモー、すげーアルバム作ったなー」と思ってしまった。一生のうち一度は聴いてほしい傑作。
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(注2)「gentlemen at work / アイドマピーク」
アイドマピークこと柴田尚は、マイクロスターのサポートも努めるドラマーだが、同時にポップスセンスあふれる優れたソングライターでもある。「sweet song」が気に入った人は是非このアルバムを試聴してみてほしい。
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[nicesato] Column No.1:さよならアストロノート、よろしくキャッチボール!

~ catchboll studio WEBSITE オープン記念コラム ~

 ハロー!イッツ・ミー!サトマンです。このコラムは僕のよもやま話を紹介していくコーナー。一応ナイスリーナイスのページ内に置いているけど、ナイスリーナイスの事に限らずいろんな事について書いていく予定なので以後お見知りおきを。もしかしたら更新もゆる~いペースになるかもしれないけど、そこはまあテイキッ・イージーって感じでヨロシク。今回はこのサイトが無事オープン出来たことを記念して、サイト完成までの経緯について書いてみたいと思う。

 一番最初に自分のサイトを作ろうと思ったのは、今からさかのぼること5年ほど前。ナイスミュージックを解散し所属していたビクターからも離れることになった僕は、新しい活動を始めるにあたって宣伝活動も自分でやらなければと思いページ作成を開始する。活動の柱としてナイスリーナイスとマイクロスターの二つがあったので、それを統合した自分のスタジオ、当時のastronote studioのページを作ることに決定。今思えばcatchboll studio WEBの構想はこのときすでに完成していた訳だ。あくまでも構想だけ。早速PageMill1.0で(古っ!)トップページの制作に取りかかってみたところ、あっという間に完成。「以外と簡単だなー」なんて余裕こいているうちに仕事が忙しくなりトップページが出来た状態のまま放置。そうこうしているうちにシンクシンクのサイトが立ち上がり、そこにマイクロスターのコーナーが作られた。また一方のナイスリーナイスは96年発売予定だったシングルがレーベル準備のため発売延期に。自分の活動を発表するにも発表することがなくなってしまったastronote studio WEBはいつしか作った本人にも忘れられ、トップページのデータだけがハードディスクの片隅にひとりポツンと放置されることになる。

 その数年後の99年はじめごろ、発売延期になっていたナイスリーナイスのシングルがようやく発売されることになり、その発売にあわせてastronote studioのページをスタートさせることを決意する。そういえばトップページは以前作ったはずだなと思い数年ぶりにそのデータを開いてみたところ、これが思いのほかダサかった(泣)。それもそのはず、2年半も前に作ったデータである。ネットの世界はその間急速に進化していた。そのトップページを見ていると何か若い頃の自分を見ているようで無性にコッ恥ずかしくなり、まずはトップページの作り直しに着手する。以前よりは幾分かデザインソフトの扱いにも慣れていたせいもあり、わりとスムーズにトップページは完成。さて、ナイスリーナイスのコンテンツでも作ろうかという矢先、また仕事が忙しくなってきた。そうこうしているうちにナイスリーナイスのシングルは地味に発売され、またもやastronote studio WEBはスタートのタイミングを見失った。「発売後にスタートしてもいいじゃん」と突っ込まれそうだが、いや、自分でもそう思うが、こういう場合「勢い」が一番大切なのである。勢いさえあればどんなに忙しくてもやれるものだが、その勢いがなくなったとたん、どんなにヒマでもやる気が起きなくなってしまうのだ。いや、言い訳かも。きっと言い訳だ。

 話を戻そう。スタートのタイミングを見失ったastronote studio WEBはまたもやトップページのデータだけがハードディスクの片隅にひとりポツンと放置されていた。その後の2000年の末ぐらいからナイスリーナイスのミニアルバムの制作に入る訳だが、正直言って自分のサイトを作るなんていう考えはもうどこかへ行ってしまっていた。そんな勢いなど全くなくなっていたのである。

 しかし翌2001年秋、状況は急変した。マイクロスターのCMタイアップが決まりマキシシングルを発売することになった訳だが、そのシングルはシンクシンクレコードではなくユーフォニックからの発売になったのである。つまり今までのCDはシンクシンクのサイトで紹介されるが、次のシングルはユーフォニックのサイトに行かなければ見れないわけで、それならマイクロスターの活動をまとめて紹介するオフィシャルサイトを作った方がいいということになった訳である。とは言っても急に決まったシングル発売のためそのレコーディングのスケジュールで忙しく、サイトを作るヒマなどなかったのだが、ある強力な助っ人を思いだした。それが今回このサイト制作において多大な協力をしてくれたスノーモービルズ折原である。折原は以前シンクシンクのウェブマスターをつとめたこともあり、また現在ではmentalsketch.orgで自分のユニット、スノーモービルズのサイトを運営するなど、その道ではプロフェッショナルな人物。事情を折原に説明し、サイト制作の協力をお願いしたところ快諾してくれた。そしてマイクロスターのレコーディングも無事終了し、数日後に打ち合わせ。基本的なデザインの話の他、せっかくだからマイクロスター以外にもナイスリーナイスやナイスミュージックのことも紹介することなどを話す。しかも「ページのデザインと文章さえやってくれれば、あとはこっちでなんとかする」という心強い言葉をもらい、やる気満々で家に戻る。astronote studio WEBは新しいタイミングを手にし、前以上の勢いを取り戻していた。

 折原との打ち合わせで自分のやるべきことが明確になっていたせいか、作業は予想以上の早さで進んだ。数年前に作ったトップページのデータなどには目もくれず、新たな気持ちでバリバリ作り続けた。前回の打ち合わせから一週間後に折原へデータを預けることになっていたが、それよりも早く渡せそうな勢いだった。そしてページデザインも一通り終え、あとは細かいテキストを残すのみというところまで来たのだが、そこで問題は起きた。ネット上で何かの検索をしていたところ「astro note records」というページを発見したのである。ウチのサイトは「astronote studio WEBSITE」、名前カブり過ぎ。しかも本来なら「astronaut」と書くところ、「note」に変えてるところまで同じ。内容を見てみると、何やらテクノ系のアーティストらしい。しかもリミックスや原稿の仕事までしているみたいだ。同業者か。その人のことはよく知らなかったが、これだけやってる事がカブってるのはマズい。「astronote studio」は僕がナイスミュージック時代から8年近くも使い続けてきた自宅スタジオの名前である。当然愛着もある。しかし、このまま使い続ければもしかしたら誤解や混乱を招くかもしれないと思い、風呂に入りながら改名を決意する。最初は「astro」を残し他の言葉をつなげるとか、「astronote」を短くして「astron」とかいろいろ考えてみたものの、何かしっくりこない。そして風呂上がりに聴こうと思ったレコードの裏ジャケを見てピンきた。そう、それが「キャッチボール」。そのレコードとはテストパターンの「アプレ・ミディ」。僕はこの「キャッチボール」という曲が大好きだし、実際にキャッチボールをするのも大好きだ。そしてその言葉のノンキさ具合も気に入って新しいスタジオ名は「キャッチボールスタジオ」に決定。スタジオ名変更を決意してから1時間ぐらいの話。

 スタジオ名変更にともないロゴの直しや多少のテキストの直しとかはあったものの、予定内に大まかな部分を作り上げ折原にメールでデータを送る。そのあとがスゴかった。折原はデータを受け取った直後から作業をはじめ、なんとその日のうちに基本的な作業を終えてしまったのである。その仮ページを30分おきぐらいに更新すると、だんだんとページが組上がっていくのがわかるのだ。さすがプロ。なんか大工さんみたいだ。

 次の日、折原家に向かい細かいデザインの直しなどをする。これでほぼ完成。あとはちょっとテキストを加えたら完成だ。こうして「astronote studio WEBSITE」改め、「catchball studio WEBSITE」をみなさんに見てもらうことが出来たわけだ。ここまで構想5年、制作日数2週間弱。やはり勢いが大事だということか。というわけでこれからも「catchball studio WEBSITE」をヨロシクネット!

佐藤清喜

[P-chan] Column No.1:Lovey Dovey plusについての2、3の事柄

 どうもはじめまして、おひさしぶりです、こんにちは!飯泉裕子と申します。
 マイクロスターでは歌をうたっています。いやいやおはずかしい。
 そんな我らマイクロスターは久しぶりにCDリリース、と同時にHPもスタート!
 皆様、よろしくねっ!BBSなんかにもはずかしがらないで、はにかむなんて君らしくないゾ!いや、君に似合わないYO!のほうがいいかな?イヤ、あたしこそちょっと恥ずかしがったほうがいいね。
って事で、気軽に参加していってくださいね。

~sweet song~

 今回は新譜の歌詞、歌のお話を。
 私たちマイクロスターは完全分業制でやっています。
 わたしはさしずめ佐藤清喜(以下、サトマン)の箱庭、イヤ、サトマンならジオラマかな?に登場するガールポップ歌手でしょうか。サトマンの曲がサトマンによってアレンジされたものが私に渡され、それを聴いて「これにどんな歌詞をのせようかな?」というところからがわたしの出番。

 私はある晩、CDを聴いていました。ロイヤレッツ(注1)というガールズコーラスグループのCDです。このロイヤレッツ、なんていうかこう、もうもうもうれつにゴージャス!エレガント!そしてミラクル!!テディー・ランダッツォという作曲家がたくさん曲を書いているんですが、とにかく「ダ!ダ!ダ!ダ!ダ!」という3連のキメがこれでもか!というほどでてくるのです。そのダ!ダ!ダ!ダ!ダ!を何回も浴びせられるうちに、もうとろけてしまいたい!という気持ちになってきます。まじで!「恋してるってこんな気持ちなのかしら?」みたいなさっ!(ひとり盛り上がってすいません)「こういう曲の歌詞はもう本当に直球で、スウィートであってほしい」と思いました。そしてサトマンももちろん「ロイヤレッツ!恋ってす・て・き!」(多少脚色してあります)
 そんなわけでこの曲(sweet song)をサトマンが持ってきた時は、直球ストレートど真ん中のラブソングにしよう!と思いました。キュンとするってどういう状態の時なのか?じじいとばばあは真剣トークしたりもしました。そして、「やっぱまだ片思いなほうがいいに決まってる。」「片思いといっても思い詰めてたら怖いから。」と、それをふまえて結構悩みながら書きました。直球ってむつかしいのです。

 歌詞が決まったので今度は歌入れです。
 実際出来上がったものは似ても似つかないのですが、そして、おそれ多いのですが、ロニー・スペクター(注2)のように歌えたら、などと思いながら歌いました、、、。しかし、、、。すいませんでしたと謝りました。ホント、何なんでしょう?あの人の歌声は。スパイシーでそれでいてスウィート。あのキラメキには程遠い。

 だけど、この「sweet song」私は大好きです。こういう曲をたくさんやりたい!ポップスの大海原を漂流していこうとマイクロスターは決意したのでした。

(つづく)

飯泉裕子

(注1)ロイヤレッツ
The elegant sounds of The Royalettes (CMYK-6143)
テディランダッツォがアレンジとプロデュースをつとめた4人組ガールズコーラスグループ。そのサウンドは限りなくドリーミーでエレガント、まさに「Sweet song」。
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(注2)ロニー・スペクター
the best of THE RONETTES (AMCY-485)
「Be my baby」の大ヒットで知られる3人組ガールズコーラスグループ「ロネッツ」のリード・ボーカリスト。その独特な歌声は分厚いウォール・オブ・サウンドの中にあっても全く埋もれることなく、強烈な輝きを放っている。
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