夜中の1時過ぎ、

ピンポン、ピンポンとドアチャイムが鳴った。

アパート階下の隣人が
「となりの部屋から、壁をドンドン叩く音が
1時間前からしている」と

急いで親父の部屋に行ってみると
トイレの前でウンコを漏らして
親父が倒れていた。

あー、辛かっただろうなあ
1時間も…

意識があってよかった。

これ、隣の人が気付いてくれなかったら、
あるいは、気付いても、無視していたら、
親父は、朝6時半に俺が朝食を持って行くまで、ウンコ漏らして仰向けで倒れたままだった。

もしかしたら、そのまま死んでいたかもしれない。

お尻拭き用濡れティッシュで
キレイにお尻を拭いてあげた。

お尻の肉がほとんどなくなっちゃってて
これじゃ、歩けないよ。


自分で立ち上がれないほど足腰が弱まってしまったのも、うなづける。


もう、ひとり暮らしは無理だね。


警報機スイッチは常にベッド横に置いてあって
押してもらえば、アパート2階の私の部屋にある警報機が鳴るようにしてあった。

でも、親父はトイレくらい大丈夫だろうと…


とりあえず、ポータブルトイレを用意しなきゃ。


でも、この先どうしたらいいんだろう。


これって、日本中、何十万人の家族が直面している問題なんじゃないのかなぁ。

老人ホーム定員100人に対して
待機人数が、200〜300人。

今後はもっと増えるのは確実だよね。

これは、親の問題だけじゃなく、
自分自身の10年後、20年後に必ず起こる問題でもある。




たぶん、年収600万円未満の人は、
子育てを考えたら、今の生活でギリギリだろうから、貯金をして自分の老後に、有料老人ホームに入ることなど無理だろう。


どうしたらいいんだろう…


お金かぁ…
きれいごとを言っていたら、何も解決しないね。




とりあえず、アパート隣人に菓子折りでも持ってお礼を言いに行かなきゃ…