弾けなかったベルリラ | 脳内図書館

弾けなかったベルリラ

幼稚園の年中さんのとき、誰よりも先に音楽室に走っていった。
鼓笛パレードの練習が、もう本当に楽しくて嬉しくて待ち切れなくて。

楽器棚のガラスケースをスライドさせた瞬間を鮮明に覚えてる。
「わぁ~~~~!!」って目を真ん丸くして、憧れのベルリラに触ったの。

まるで、何百年もの間、海底に沈んでいた海賊船で、世にも美しい宝石箱を開けるような気分だった。

でも、楽器を持った瞬間、部屋に入ってきた先生がすごく困ったを顔して言ったんだよね。
「あれ?お母さんから聞いてないのかな??
・・・ミカちゃんち、来月引っ越すんだって。
だから、ミカちゃんは、鼓笛パレードに参加できないの・・・」

??????

一瞬頭が真っ白になって、なにがなんだかわからなくなって、硬直。
でも少ししたら理解できて、そのまま声を出さずにボロボロ泣いた。

何が哀しかったかって、ベルリラを叩けなくなってしまったことだった。

「ミカちゃんはオルガンを弾くのが大好きなので、引越し先では是非ピアノを習わせてあげてくださいね」
最後に先生が母に言ってくれた言葉だ。
数年後に念願叶ってピアノを習わせてもらえたのは先生のお蔭だと思う。


わたしと音楽の本質的な関係は、あの頃から殆ど変わっていない。
「あなたと仲良くなって、たくさんたくさん一緒に遊びたいの!!」っていう気持ち。
小さな頃、なんだかわからないけれど一目会った瞬間「この子と仲良くなりたい!」ってピンとくるような感覚に似てるかもしれない。(一目惚れ??)
奏でるものがベルリラであれ、カラダであれ、一目惚れした友達であれ、あまり変わらない。

そして、ここに回帰していくことが、(意志を持って)音楽を始めた時から現時点までの自分のディレクションであり、同時に、ここに向かうプロセスはアーティストmicaとして生きる人生の「前半」部分なのではないかと思った。

・・・ということは、もうそろそろ前半は完結しなくちゃということなの(・∀・)

うまくまとまらないけれど(汗)実は活動について革新的なことを考えています。
そのためにもスピード上げていこうと思う。
待っててください^^