わたしの唯一のモテ伝説は、
小学校3年生の遠足の班決めで、
取り合いになったことだ。
クラスの人気者男子グループと、
おちこぼれ男子グループ。
転校したてのわたしは、
なにやらおもしろいヤツと注目されていて、
おちこぼれグループの大将に
「子分になれ!」と追い回され、
「おまえが子分になれ!」と言い返しているうちに友情が芽生えた。
一方人気者グループの男子から、
遠足で同じ班になろうという誘いがあった。
そして学級会で、ひと悶着が起こった。
落ちこぼれ大将のカドピンが文句を言ってきたのだ。
不人気グループなので少人数。
「そっちは人数が多いんだからひとりよこせ!」と。
でまぁ・・・転校して1か月の女子なんだから、
ふつうは女子グループに入れとけと思うけど、
先約だったからという理由で
人気者の班におさまって楽しい遠足だったと思う。
男子グループにモテてたが、
女子グループにはモテなかったという話・・・
この不良ぶってたカドピンという子は、
わたしにとって忘れられない子だ。
彼は中学に上がるころ、亡くなった。
親がリコンしてる同士で、
カドピンとは誰よりも話しがしやすかった。
同級生と話しているというより、
オヤジと話してるみたいだったけど(笑)
いろんなことを話し・・・
しみじみと恋バナなんかしたりした。
やつの好みは、おしとやか系(´艸`*)
今、カドピンが生きていたらと思う。
あのころの思い出話ができたら。
カドピンのおばあちゃんのカレーを食べたこと。
先生の家に遊びにいったこと。
ものすごく誰かのことが好きでたまらなかったこと。
せめて彼のお母さんに出会えたら、
今でもムスコさんのことを覚えてるよと伝えたいなぁ。
あのころ、
彼のおばあちゃんは、
電車とバスを乗り継いでやってきては、
夕飯をつくって帰っていった。
おとなになった今思うと、
けっこうたいへんだったのがわかる。
わたしは「今日はおばあちゃんこないの?」って
かんたんに聞いていたけれど・・・
毎日はこれないだろう。
時間のやりくりもあるだろうけど、
交通費・食事の用意など、
自分の財布から出していたと思われる。
それでもわたしは、
おばあちゃんがいる日は、
いつも、うれしかった。