お礼企画第2弾 『桜の木の下で』(薄桜鬼・土方)前編 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

お礼企画第2弾。


なち様からのリクエストです。

なちさん、リクエストありがとうございました!m(_ _ )m



お相手は土方さん。


今書いてて気付きました、勝手に現パロにしちゃった←

なちさん、お許しをm(_ _ )m


甘い、はず。



そして申し訳ないのですが、

お話の都合上、ヒロインが若干?鈍感キャラですw

苦手な方、すみませんm(_ _ )m


タイトルはどこかで聞いたことあるタイトルですねwww

でも一番しっくり来たんです;


何故か私の名前が友人として出ていますw




キャラ崩壊などお目汚しが多々あるかと思われます。

それでも宜しければどうぞ。
























年明け、私は部署を異動した。


まぁ、うちの会社では何かと話題の多い、土方部長率いるイケメン部署と言われる営業部で。

そこに配属されることになった私は周りからかなり羨ましがられた。

私も『きゃははうふふ』な展開があるかと思っていたけれど…。


もう想像以上に忙しい部署だった。

私の担当は所謂営業事務になるわけだけど、ほぼ毎日深夜まで残業。

元の部署ではかなり仕事量はこなしていたし、仕事も捌けていた。


でもここに異動してきた最初の頃はその日の仕事量をこなすのに、もう必死で精一杯だった。

我が会社1、2位を争うくらい厳しいと言われている土方部長の元だから…。



毎日深夜までの残業はなくなってきてようやく慣れてきたかなぁって頃に、
土方部長に晩御飯を誘われるようになった。


一番最初の時は土方部長と先輩の原田さんと私の同期である斎藤くんと私で。

皆翌日に響くからお酒は入れずに、仕事以外の話をしながら土方部長にご馳走になった。



それからは私が残業で残る日は大体土方部長に晩御飯を誘われるようになって。

何故か二人でご飯に行くことも多くなった。


勿論、断る日もあるし、割り勘にしようと食い下がるときもあるんだけど


「仕事終わりでお前のプライベートの時間割いて付き合ってもらってるんだ。
黙って奢られてろ」


と言われてしまった。


こういうことを自然と言えるのはスマートだと思うし、容姿端麗だし、
ストイックに仕事をこなす土方部長の姿が他部署からも憧れられるのはわかる。












今日は土方部長が贔屓の定食屋で二人で日替わり定食を食べながら、
ふと浮かんだ疑問を投げかけてみた。


「土方部長てずっと外食ですか?」


「ああ、大抵はな」


「…あの失礼ですけど彼女とか」


あ、眉間の皺深くなった。


「こんだけ忙しいんだ。いるわけねぇだろ。いたらお前とこうやって食事もしねぇだろうしな」


「…ですよね」


そんな会話をしながら箸を進める。


それから話した内容は会社の仕事の話じゃなくて、
昼休みあった沖田くんが斎藤くんのおかずを奪った話とか、
永倉さんの競馬予想のコツを延々と語られた話とか、
土方部長が聞いて楽しいかなぁと思う話まで。


まぁ、何か話せって言われるから私も話すんだけど。







食べ終わってから店の人にお茶のおかわりを貰って、
二人でゆっくりと飲みながら私は口を開いた。



「…あの、もし良かったら私食事作りに行きましょうか?明日休みですし」


ゆっくりと土方部長と目があった。




…あれ?


…すんごい睨まれてるな、私。



「……お前、そうやって男の部屋に上がりこむのか」


「へ?いや、そんなつもりは…。でもずっと外食とかお身体に悪いですよ。
あ、じゃあうちにきます?」



「…は?」


「…へ?」



沈黙。



土方部長の眉間の皺が増えました。


あー…、言っちゃいけないことだった、ようですね…。



「………余計なお節介でしたね。すみません」


頭を軽く下げながら、湯飲みをテーブルの上にコトリと置いた。




「…何時だ」


「へ?」


視線を上げれば、ぶっきらぼうな表情の土方部長が私を見つめていて。


「何時に行きゃいいんだ」


「じゃ、じゃあ19時で」


「わかった」



眉間の皺を残したまま、土方部長はお茶を飲み干した。












それから土方さんは週末に私の部屋に来るようになった。


会社以外で部長って呼ぶのは辞めろって言われたから土方さんって呼ぶようになって。


特に何をするわけでもなく、他愛のない話をしながら私の作ったご飯を食べて
一息ついてから土方さんは帰る。




「お前、俺以外にもこうやって他の男にメシ作ってんのか」


「へ?…土方さんだけですけど」


ある日の問いかけにそう素直に応えれば、視線をそらされ
「ならいい」と短い返事だけして、
食後に出したコーヒーを飲んでいた。




私としては世話焼きの延長くらいに思っていたんだけど。















「は?何その関係?!」



「へ?」


今産休を取っている同僚のみふゆと久々に電話している時、
ちらっと土方さんの話をすれば根掘り葉掘り聞かれた上に耳に届いたのは素っ頓狂な声。


「ねぇ、本当に何にもないの?!本当に?!土方部長だよ??」


「…うん」


「それって付き合ってるっていうか、家政婦?!いやいや、週末婚みたいなもんじゃん!!」


「え、週末婚?!」


「そうだって!!なち、あ・の・土方部長だよ?!本当に何とも思ってないわけ??」


「いや、…仕事してる姿とかかっこいいなぁと思うし…、
家でご飯食べてる時にほめてくれたりすると嬉しいし…、
たまに私の話で笑ってくれると嬉しいけど…」


頭を過ぎるのは色んな姿の土方さんで。
私は自然と笑みを浮かべてしまう。


「それってもう好きってことじゃないの?!
てか週末婚どころじゃないよ。もう夫婦じゃん。事実婚だよ!」


「…流石にそれは言い過ぎだってば」


「…ねぇ、土方部長のていのいいように利用されてるわけじゃないよね?
大丈夫?私すんごい不安になってきた」


「…えーっと…、…そう言われると…私も不安になってきた…」






電話を切ってからも部屋で、風呂でずっと考えていた。




私にとって土方さんは…。





ちょっと怖いときもあるけど、出来る上司だし。

仕事のときとか、ふとした時にかっこいいなぁって思うことも多い。


ただ他の人より食事の回数が多くて、

家にも食べに来てて。


一緒に長時間いても苦痛じゃなくて…。


うん、嫌いじゃない。




むしろ、好き…。





あれ?でもお互いが好き合ってるとかわかんない…これって…?


恋人…ではないよね。


身体の関係はないから…家族?



土方さんにとって私は…部下で、食事の回数も多くて、家にも食べに行く…関係って…。





…どんな関係なんですか?