今日はNHK総合テレビで音楽バラエティ「バナナ♪ゼロミュージック モーニング娘。20周年特集」が放映されました。出演者は、モーニング娘。’17とOGの中澤裕子さん、矢口真里さん、高橋愛さん、道重さゆみさん、それからゲストにモーオタで有名な柳原加奈子さんと大森靖子さんを迎え、更にはつんくさんや夏まゆみさんまでもがビデオ出演するというなんともはや豪華な作りでございます。

 

今回はモーニング娘。特集ということで、20年の歴史を振り返りながらクイズをはさみこんでいくのですが、モーオタならいざ知らず一般の方々では全問正解は難しいのでしょう。ちなみに第1問は「モーニング娘。の『。』を付けようと言ったのは?」、第2問は「LOVEマシーンのイントロのポーズで表現しているのは?」、第3問は「モーニング娘。の中で在籍年数が最も長いのは誰?」というものでした。

 

そしてOGの4人から「モーニング娘。20年事件簿」と題してそれぞれエピソードが披露されます。まず最初に中澤さんが「元々ロックボーカリストオーディションで集まったメンバーだから仲良くしようなんて思ってなくて、お互い口を利くことなく常に無口でレコーディングもピリピリとしたムードだった」など話し、次に矢口さんが「忙し過ぎて気がついたら洗面台に自分で頭を打ち付けていた」と、3番目が高橋さんで「遅刻したら、先輩だけでなく後輩にも一人ずつ謝りに行かなければならない」といった話をしている途中、事件は起こります。

 

突然、佐藤優樹さんが「はーい、はいっ!」と言って手を上げます。周囲のメンバーはあまり驚いていない様子なので、たぶんリハーサル通りなのだと思うのですが、バリバリのまーオタである私めなどは一瞬にして緊張感が走ります。思わずとちらないように・・・と祈らずにいられません。そして彼女が放った言葉とは「あの~私は、学校を遅刻したら、ここ9期10期が全員、連帯責任にされたりとか・・・」うーん・・・これは見事にとちっているのではないか?とそう思った時、バナナマンの設楽さんが「学校の遅刻なんてわかんないじゃん、誰も」と助け舟を出してくれます。すると佐藤さんが次のように答えます。「なんか、私達の会社は、怖くて分かってるんですよ」ここで出演者全員が大ウケとなり、しっかりオチをつけます。

 

この後、道重さんが「モーニング娘。って今何してるの?と言われて口惜しかった」というエピソードを流暢に話しているのですが、直前の佐藤さんのトークで沸いた興奮が冷めやらず、あまり頭に入ってきません。でもおしゃべり上手な道重さんは、いつの間にやら高橋さんを巻き込んでプラチナ期の話題で話に引き込んでいきます。

 

プラチナ期の次といえば当然、フォーメーションダンスということで、現役メンバーによるダンスが披露され、そこにバナナマンの日村さんなどが入って一緒に踊るという企画をやって、そして最後に新曲「邪魔しないでHere We Go !」とモーニングコーヒー、ラブマシーンのメドレーとなるのですが、やはり・・・佐藤さんと森戸知沙希のダブルセンターはめちゃくちゃカッコイイ!

 

今回の彼女達のダンスで書きたいことはたくさんあるのですが、とにかく動きが素早くて疾走感があるんですよね。特に左右からメンバーが走るように交差するところが印象的で、中でも間奏場面では、佐藤さんが左翼から中央に移動すると後方のメンバーも逆方向に移動し、互いに錯綜しながら同時に回転してビシッとフォーメーションを形成します。

 

あまりの精密な動きに言葉を失うほどなのですが、この場面を後で繰り返し見てみると、右翼からは森戸さんが中央に移動しようとしていることが分かります。しかし彼女のさらに後方から牧野真莉愛さんが既に中央前列へ動き出しています。この曲における彼女達の動きはとても速く、およそ疾走に近いのですが、森戸さんが右翼前列から中央後列へと抜けようとするべく振り返ったとき、右方の牧野さんを捉えて一瞬だけ停止し、その影を踏むようなギリギリの時間差で走り抜けるのです。

 

こうしたことがいったいどれだけの技術力を要するのか分かりませんが、少しでも迷いがあったとしたら衝突が生じてしまい、そうなればフォーメーションは崩壊してしまいます。素晴らしい感動は、そんな危うさの下で成り立っているのかもしれませんが、しかし、努力を重ねることによってそうした迷いは払拭できるのでしょう。私は・・・森戸さんが振り返った瞬間に見せた彼女の表情に、まるでそれが当たり前であるかのような微動だにしない冷静沈着を見たのです。つまり、彼女達は周到に練習に練習を重ね、このNHKの大舞台に臨んだということなのです。