すきやばし次郎よ FOREVER パート2 | メタボモンスターT支店長の戯言日記

すきやばし次郎よ FOREVER パート2

MICHELIN GUIDE東京 2008 (2008)
¥2,310
Amazon.co.jp

ミシュランガイド 東京版 2007



コレ、もう見ました?

本屋さんの店頭で売り切ればかりだったので通販で注文したら

アッ

という間に届きました。

都内に住んでいて、デッカイ本屋へ沢山いったのに手に入らなかったのに、アマ

ゾンなら直ぐに届いた。もはや外食以外は全てネットの方が便利な世の中になり

ましたなぁ~、改めてネットの偉大さに感服イタシマシタ。


さて、このガイドでこの度メデタク3ツ星を獲得したお店の中に、我らが敬愛して

止まない「すきやばし次郎」がありました。

ホントに本当にオメデトウございますデス。クラッカークラッカークラッカー



数年前に初めて行ってあまりの素晴しさに驚いて、それ以来定期的に通って

マス。今回、秋田のせいちゃんが上京した際に、

「久しぶりに行きたいっ!」てコトになったので予約の電話を入れました。

  私 「明日のお昼、2名で食事出来ますか?」

  店 「明日はいっぱいです。年内予約でいっぱいです。」

あっさり電話をきられそうだったので、

  私 「Tといいます。秋田からいつもの友人が来たので是非伺いたかったの

     ですが残念です。」

  店 「あっ、なんだ、Tさんですか、ちょっとまってってクダサイね」

     、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

  店 「じゃあ明日のお昼11時半でよければおとりしますが」

  私 「もうゼンゼンOKです。朝メシ抜いていきますから」

  店 「お待ちしてマス。次からお名前を先に言ってクダサイね、失礼しまし

     た。」


で、翌日せいちゃんとお腹をグーグー鳴らして行きました。

お客は我々だけ。

聞けば時間外なのにやってくれたんだとか。

で、いつも通りとっても元気でカクシャクとした二郎さんがニッコリ迎えてくれまし

た。


  二郎さん 「Tさん、お久しぶりです。少し間があいたからもうカツオないです

         よ。」ニヤリ。

いつもカツオばかりオカワリするのでイキナリの牽制球にひるみながら

  私 「でもこの時期タコがあるじゃないですかロブション絶賛のヤツが。」とニ

     ヤリを返し、牽制球を投げ返すことに成功、すると

  二郎さん 「今年は温暖化の影響でタコがゼンゼンだめなんです。味も香り

          も抜けたのばかりで使えません。」

と、申し訳無さそうに仰りました。


良しよし、勝ったぞ。

こーゆー鮨店では常に職人との勝負です。グー

そして勝たねばなりません。グッド!

勝ってこそ常連と認められ、常に最高の仕事をしてもらえるのですから。


但し、「勝つ」事を勘違いしちゃいけません。

生半可なウンチクを語ったり、店のアラ探しをしたり、有名他店との比較

をしたり、ワガママ言ったり、

こういった事、よく俗物オヤジがやらかしてますが、少なくとも握りに関しては世界

一であるこの店ではそんなのゼッタイ通用しません。あからさまにバカにされるの

がオチです。


「勝つ」とは、お店側が「こーゆー店でありたい」と望む理想に完全に適合

することです。

この店の場合、

 1、予約の時間にゼッタイ遅刻しない

 2、ビール、お酒は注文しない お茶のみ

 3、オマカセを注文する

 4、握られたら即座に食べる

    二郎さんの握りは中がとても軟らかいので置かれるとフワっと沈む。コレ

    を沈むかむか沈まぬかのうちに食べる 二郎さんが言うところ「3秒以内」

    に口に運ぶ。

 5、全て食べ終えたら、出されたオマカセのネタの中から特にその日に自信が

    ありそうなネタを見抜きき、それをオカワリする 

 6、オマカセ中はむやみに二郎さんに話しかけない


特に5は、この店のオマカセは結構な量があります。

だから最後のアナゴを食べ終えると結構苦しい。

それでも意地でオカワリします。

鮨たべながら汗かくのはこの店くらいでしょう。

そしてそのオカワリが二郎さんの狙いと合致した際、二郎さんがニヤリと笑い

います。

「勝利」をモノに出来た瞬間です。


これで「いらっしゃいませ」~「ありがとうございました」まで要する時間は約20分。

値段は1人30,000円。

私にとっては至福の20分ですが、興味無いヒトから見れば

ほとんど「マゾ」の世界でしょうねえ叫び


ネットのグルメガイドのこの店に関するクチコミを読むと結構悪口が多いです。

やれ

「愛想が悪い、接客がなっていない」むかっ

やれ

「リクエストしたのに二郎さんが握ってくれなかった」むかっ

やれ

「常連のみを大事にして一見は雑に扱われる」むかっ

やれ

「座ったら黙って食え的な印象で旬のツマミで楽しく一杯やりながらが出来ず、

 堅っ苦しくい」むかっ

やれ

「握りはせいぜい中の上クラス、なんでもかんでも煮切りを塗って創作性がない」むかっ


などが主な内容のようです。

私ははてなマークはてなマークはてなマークです。

「愛想が悪い、接客がなっていない」

 ここは旨い握りを食べる為だけの店ですよ。愛想なんか必要ないでしょ?

 そういう人はファミレスに行けばいいのでは?

 また、愛想ばかりよくて大して美味しくない鮨店いっぱいあるでしょ?

 そうじゃないから意味があるのです。

「リクエストしたのに二郎さんが握ってくれない」

 私も二郎さんが握ってくれるようになったのは4回目くらいからでした。それまで

 は長男さんが握ってくれましたが、それはそれでとっても美味しかったと思いま

 す。

 初めて行って物見うさんで言うから相手にされなくて当然です。

「常連のみを大事にして一見は雑に扱われる」

 小さなお店ですから、これは当然です。

 このお店は「誰でも沢山の人に来てもらいたい」と思っている店ではない

 のですから。

 お店側から「この客は大切にしたい」と思わせなければダメです。

「座ったら黙って食え的な印象で旬のツマミで楽しく一杯やりながらが出来

 ずに堅っ苦しくい」

  二郎さん曰く「そういう人は料亭や居酒屋へいけばいい。鮨屋は鮨を食べ

  る所です。」

  それに堅っ苦しさも鮨店には必要だと私は思います。

  よくカウンターの常連とべちゃべちゃ喋りながら鮨を握っている鮨職人を見かけ

  ますが、あたり一面その職人のツバだらけです。目に見えないツバってかなり

  飛散してるんですよ?私はそういう鮨屋だとわかった瞬間直ぐに出ます。この

  店は世界一の握りを出す店なんだからそれに集中すればいいのです。

「握りはせいぜい中の上クラス、なんでもかんでも煮切りを塗って創作性

が無い」

  他店でよく塩をのせたり柚子の皮をけずったりの鮨を出されますが、私はや

  り煮切りが一番鮨に合ってると思います。変わってっていいなと思うのはたま

  にでいいのです。そういう鮨が良ければそういう鮨屋へ行けばいい。ここはあく

  まで鮨の本道、王道でいいのです。

  また、創作性とは何?伝統ある仕事を毎日毎日丁寧に完璧に繰り返す

  とがこの店で見出せる最高の創作性なのです。創作性とは変わりダネのこと

  ですか?では「鮨屋」ではなく「SUSI」店に行けばいい。ナントかロールとかい

  ろいろありますよ?カッパ鮨なんかもいいですね。トンカツ握りやハンバーグ

  握りなんかありましたから。

  また、この店の握りが「中の上」と思う人は今後こういった店には行かない

  方がいいですね。お金の無駄ですから。回転系で十分でしょう。


ま、どれも殆どがガイドブックや評判を聞いていってみたケド、ぞんざいに扱わ

れたことに対する「ヒガミ、ヤッカミ」の部類の様です。いつもは行きつけの鮨屋

で我が物顔で振舞っているのにハジかいた的なもののようですが、非常に見苦

しいし聞き苦しい。ドクロ鮨一筋50数年、常に最高を目指してきた二郎さんの前

では、そういった人達の俗物的プライド等はノミのケツに出来たデキモノ

くらいの物でしかないのです。

ガイドを見て「いっぺん行ってみよう」と思った人は、この店に行くのなら以上の

事を踏まえた上で行かないといけません。

二郎さんが「ヨーダ」に見えるか「ダースベイダー」に見えるかは行く人の気持ち

1つですから。


私      「ミシュランに載ってとても忙しそうで大変ですね?」

二郎さん  「仕事ではいくら忙しくてもいいのですが、取材で忙しいのには参

        りました。」

私      「へえ~、そんなにですか?」

二郎さん  「仕事と仕事の合間にビッシリです。もうコキ使われてます。」


なんだかんだ言いながら取材受けてんジャン。なんか嬉しそうだったし。

以前のお弟子さんの水谷さんや青空さんもそれぞれ3つ星、1つ星もらってまし

たから、やっぱりご本人が3つ星もらえなかったらマズかったでしょうから、その

気持ち解ります。

82歳になった今でもとってもお元気そう、まだまだ現役で最高であり続けてクダ

サイね。ドキドキドキドキドキドキ