もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海
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こんばんちゃ。  しょーもない事ばかりブログ記事にする、と定評がある小説マラソン男です。



さて、上記の本、本屋さんで最近よく見かけますよね。


ビジネス書の売上トップテンコーナーで、「なんじゃこりゃ?」と疑わずにはいられない本書。


異彩を放っているからこそ、記憶に残っているのかもしれません。 ってか、事実として売れてるんでしょうね。



 最近読みました。 やべー、これ。ライトノベルの本質的な強みが生かされてるよー。


と思った作品だったので、紹介します。



 昼間の仕事柄、経営書、人事書なんかはよく読むので、ドラッカー信奉者のわたくしとしては、


「――これ、ふざけてるの?」


 と思わず突っ込まずにはいられなかったのですが、 全然ふざけてませんでした。 いや、ある意味ふざけてるのですが、ガチでドラッガーさんの伝えようとしていることを、表現していました。


 著者様ごめんなさい。 そして、感服いたしました。


 小説形式のビジネス書自体はよくあるものですし、 オタッキーな装丁の本というのも、近年めずらしくはありません。


※小説形式のビジネス書として、個人的には↓これがおすすめ


成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語/神田 昌典

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 が、しかしですね。 冒頭の繰り返しになるのですが、ライトノベルの本質的強みが生かされた、という点で


女子高生マネージャー × ドラッカー と言う表現手法は秀逸だと思うのです。


 この掛け算によって、子供も大人も手に取れるビジネス書に だいへんしーん、しちゃった訳ですから。



だってさ。 考えてみれば、中高生の方も、この表紙で手にとって、ドラッカーに巡りあってくれるかもしれないのですよ?


 さらに、ドラッカーの本書に興味をもってくれるかもしれない。


 社会生活上、学校や部活、果ては会社や自分の家族、といった【組織】とは常に関わっていかなければいけないのが人間です。


 その【組織】と上手に関わっていく、もしくは運営していくためのエッセンスを、中高生のうちから触れておける、というのはこの上なく、メリットがあるように感じます。



一方、大人にも、ちゃんとメリットがあるんだからね!! 読みなさいよ! (ツンデレ風に)


 近しい経営者の方で、本書を読んだ感想を聞くと、


「ドラッカーは当たり前のように読んだけつもりだったけれど、経営や組織論の初心を思い返された」


と仰ってました。




 とはいえ、べた褒めしすぎは好くないっすかね。


最後に注意点だけ。 著者の方は小説家ではないので、指示語が多用されていて読みにくい印象もあります。


が、しかーし! それでも充分に読む価値ありと認定。


 

 はい、俺、偉ぶらない!



 ――小説は技術じゃないよ。 伝えたいことがしっかりとあって、面白いアイディアがあれば、人は魅入ってしまうんだよ。


  と再認識した、しがない小説マラソン男でした。


 (表紙裏に萌えイラストまでつけるとは……完全にライトノベルじゃねーか。ちゃんちゃん)