◆恋愛純情06◆ | 恋愛小説-Meru's story-

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   ◆恋愛純情◆


-*6*好きの領域外の私-



出会いは最悪だった。


「よかった、結菜…無事で」


槇斗は私の顔を見た瞬間に、私を強く抱きしめた。


「うん…」


ごめんね、心配ばっかりかけて。


ごめんね、こんな私で。


たった今でも海李を想い続けてる私を。


「結菜の事心配して、一緒に探してもらったんだよ」


急に槇斗が言った。


――誰に?


そう言おうとしたとき、槇斗の後ろに何人かの人がいた事に気が付いた。


ああ、あの人たちか。


人の前で抱き着いてたなんて、気づいて恥ずかしくなって。


槇斗の耳元で呟く。


「ま、槇斗!!みんな、見てるよ…」


槇斗は力を緩めるどころか、さらに力を入れた。


「え…?」


「まだ、不安なんだ」


その時だった。


―――え、嘘…でしょ。


抱き合う私たちを、ひやかす二人の男。


その隣に、見覚えのある笑顔があった。



無邪気に笑う、笑顔が。



「…槇斗!」


私は思いっきり、槇斗との間隔を保とうとした。


力を入れて、押す。


嫌だ、海李に見られてる。


海李が見てるよ、違う、海李、見ないで。


この時に気付けば良かった。


私自身の、歪んだ感情に。


「結菜」


急に槇斗が力を緩めた。


それすらも、私には気にしてる余裕が無い。


槇斗の友達だったの、海李は。


どうして楽しそうに私たちを見てるの?


海李、私たちが仲良くなって嬉しいの…?


やだ、私だけ嫉妬してるみたい。


槇斗と近付くと、どんどん海李が離れていくような気がする。


「結菜、どうした…」


もう、やだ。


こんなの――嫌だ。


「結菜!!」


崩れゆく身体と、薄れゆく視界。


槇斗が私を呼ぶ。


でも、どうしてだろ。


上手く、立てない…。


―――グラ


もう一回視界が揺れた時、私の意識が、そこで途絶えた。


意識が途絶えた暗闇の中。


海李がさびしそうにつぶやいたような気がした。


〝さよなら〟


夢だよね。


そう――夢。


これは夢なんだ。


夢で逢ってほしい、そう願った。


また目が覚めたら、槇斗と海李を愛す私が居る。


だから、起きたくない。


私は、まだ起きたくない。


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