大地震から、5日。

まだまだ行き届かない支援、完全でないライフライン、
そして原発の不安。
被災地の皆様に、本当に心からのお見舞いを申し上げます。
とにかく早く、救出・安否確認・安心な生活ができますように。
日々想っています。



週が明け、また世の中が動き出したものの
先週とはやはり全く違う空気を感じています。


私は今回の震災では全く被害のなかった地域に住んでいます。
以下、そんな私が今回のことで今感じていることを記事にしてしまいます。
ご気分を害されるかもしれません。
長文になりましたし、読んでも良い方だけでお願いします…。



あれからも普通に私の住む街は機能し、
電気・水道、その他が 当たり前に使える状態で生活させていただいています。


お洗濯が出来ます。
ご飯が炊けます。
家の隣のコンビニは、物がたくさん陳列されています。
晴れています。暖かかったりします。


私の大切な友人たちは、物も足りず不安な毎日を送っているのに。
テレビで見る避難所の方々や、それ以上に未だ救出の手が入らない地域の方々は
水もほとんど無くご飯も食べられないのに。


「普通」それが本当に本当に申し訳ないと思いながら、暮らしています。
一つはっきりしておきたいのは、決して「他人事」等とは思っていません。


今は、今まで普通だったことの何割かが
「不謹慎」と感じられているように思います。


だから「自粛」という言葉をよく耳にします。
被災地や計画停電の対象地域ではないからこそ
何をしてよいかわからずに一人一人がそれぞれに心を痛め考え、
行動や言動を制限している状態にあると思います。


私の仕事は「娯楽産業」です。
果たしてこの事態に、
笑って、お酒を飲む仕事をしていいものか。
みんなが奥底で悩んでいます。


実際、お客様がたも
大手はお仕事がお休みになっていたりします。
某工場は資材が届かずラインがストップ。
公務員の方々は、それぞれに役割があり
いつ呼び出しがあってもよいように24時間体制だそうです。


心配の連絡は出来ても、
営業の連絡は出来ません。

「こんな時に!」
「飲みに行くなんて!」

言われることが多いし
正直私も「こんな時に」と思います。
だから今は、誰に連絡をしようにも
考えて考えて、結局しなかったりしてしまいます。



地震当日、金曜日のことを書きます。

いつもより街は暇でした。

ある程度、暇な理由はわかっていながら
私がいつも暇な時に甘えられる何人かのお客様に、
メールしました。
「暇だよー。出てない?」と、いつものように軽い文面で。


「関東方面の友人に連絡がとれないから心配で飲んでる場合じゃない」

「地震、津波で大変。仕事中」

等と返ってきた何通かのメール。
ああ本当に、今回はみんなが大変なんだとようやく感じ始めました。


「仕事中」とわざわざ返信をくださったあるお客様は、公務員さんでした。
そこではっと気づいたんです。
他の仲良しのお客様にもメールしたけど返信が無かった理由に。


いつも団体で使ってくださる彼らは、緊急時にはいつも職場に向かい待機していました。
その緊急が、全国どこであろうとそうだったようです。
日曜日には彼らの機関の精鋭がチームを結成し、被災地に派遣されたニュースをテレビで見ました。


私はなんて気遣いがなかったんだろう、と
本当に自分の馬鹿さ加減に情けなくなりました。


週明け、お詫びのメールを送りました。
大変な時に気遣いがなく、本当に申し訳ありませんでした、
お仕事頑張ってくださいと。
いつものようにデコメや絵文字も使わず、私なりにきちんとした文章で。


そうしたら、すぐに返信がきました。


「絵文字の無いメールは寂しいじゃん?」と。

そして続けられた言葉は、

「緊急時にバタバタするのが、俺たちの仕事!

 いつものように、ワイワイ明るくするのがお前の仕事でしょ?

 そんな気を遣わなくていいよ。
 お前はお前の仕事を、一生懸命がんばれ!

 また落ち着いたら行くよ。」

と。


もうお店に入っていて
お客様もいらしていた時間だったのですが、
そのメールを読んでちょっと厨房で泣いてしまいました。


そうだ。
私の仕事は、どんな時も明るく笑ってお客様を癒すこと。
気持ちに沿って、一緒にお酒の場を過ごすこと。
悲惨なニュースばかりだからこそ、少しでもホッとする場所を作ること。
それで「不謹慎」と感じることは無いんじゃないかと。


このメールをくれたお客様は私よりも年下だけれど、
すごくカッコイイなって思いました。


被害のなかったこちらの地域だからこそ、
いつものように冷静に、緊急時に迅速に動いている機関がある。企業がある。


知識も何も無い私達は本当に無力で動けないけれど、
力や知識のある彼らが見えないところで動いてくれている。
それが本当にありがたい。


自○隊のお客様からも
来週被災地に出動するからね、と連絡がありました。
私の大切な友人たちが被災地にいることも知っているお客様。


「出来る限りの支援物資を届けて、出来る限り力になってきます」と。


心強い。
本当にありがたい。
私が何も直接できていなくて歯がゆい毎日を過ごしている中、
直接動いている誰かが私の知り合いにいる。
そんなお仕事をされている方々が、近くにいる。


まだ直接役にたつことといえば募金くらいしか出来ない私は、
先に彼らのお仕事に気持ちを託します。


そして私も私の仕事をちゃんと全うしなければなりません。
今だからこそ、
誰かの笑顔の時間を作る。
今回、バタバタで動かれているお客様たちが落ち着いた時にも、
おつかれさまと笑顔の時間を作る。


機能している私たちの地域が、いつものように笑顔で働き元気を作る。


たくさんの方がそれを既に書かれていたりしますが、
本当にそうだと実感しました。


漫画家の方々が、笑顔の絵を描く。
ミュージシャンの方々が、音楽で元気を作ろうとする。
芸人の方々が、笑いで元気を作ろうとする。

それをネットでは非難されていたりもします。
私も正直、初めは複雑な心境ではありましたが。
みんな何かしたいのは同じで、
みんな自分たちの役割を考えた結果、そこにたどり着くんですね。


私も同じ。
私の仕事は「癒しの空間」「笑顔の時間」を作ること。
その想い、信念があれば
私たちの仕事も決して不謹慎な場所なんかじゃない。


自粛だ、とお客様に仰られれば仕方ないのですが、
細やかな気遣いは忘れずにまた私も「いつも通り」に
お客様に接していこうと思います。



世界各国のメディアが、日本を称賛しているのを色々な記事で読みました。
私もその島国に住む一人として誇りをもちたい。


何が出来るか、
どうするか、
今 みんながきっと考えていることでしょうね。


直接的・間接的。
目に見える・目に見えない、たくさんのちからが
たくさんのことを支えられたら。


1日も早い被災地の復興と
安心した生活が出来る日が来ることを
毎日心から願っています。



最後に、
もしこの記事を読んでくださった方で、
きれいごとじゃないんだよ!等、ご気分を害された方がいらっしゃいましたら
本当に申し訳ありませんでした。


直接的な被災者ではない私自身の、いまの気持ちを整理したかった為、書かせてもらいました。
長文にお付き合いいただいた方がいらっしゃいましたら
ありがとうございました。