文化部発表会での朗読劇が無事に終わってホッとしたのもつかの間、6月初旬には「NHK高校放送コンテスト(Nコン)」地区予選大会が実施されます。
数日後、再び訪問。残念ながら全員には至りませんでしたが、GW中にも関わらず集まった部員達の表情には、文発での大舞台をやり終えた充足感とともに次へのやる気が伺えました。
Nコンの準備に完全シフトチェンジして、私も先輩OBと一緒に気合いを入れて指導に臨みました。
OBと部員の皆で意見交換会。熱く語るOBの話を、真剣な表情で聞いていました。
放送コンテストの個人部門では、「アナウンス」と「朗読」があり、それぞれ規定時間内に原稿を読みます。アナウンスは、校内放送の想定で自作の原稿を準備、朗読は課題本の中から自分の好きな場面を選んで読みます。正しいアクセントや滑らかな読みが求められるのは当然のこと、時間も測定され細かく審査されます。
個々の準備状況と原稿の内容に応じて、まずは読みを聞きます。ちょっとどうかな…と思うところや修正が難しそうなところは、私からだけでなく、一緒に指導するOBや顧問の先生とも意見を交わし、本人の考えも聞いて対策していきます。ここでもやはり、頭ごなしに「ダメダメ!」「もっとこうしなさい」というだけではいけない。ワンフレーズの表現ひとつにしても、色んな読み方があって正解は一つではないワケです。
本人がアドバイスの趣旨を理解して、かつクセや弱点をカバーして自然に読めるように、うまく導けるようにアドバイスする必要があります。さらに朗読では前後や全体の雰囲気、シーンの解釈なども考慮して、適度に演出も加えないといけません。恋愛や複雑な人間関係、別れ、葛藤など…高校生ではなかなか難しいと思われる登場人物の心情についても説明したりします。(年齢なりの経験が、ここで役に立つ;笑)
なるほど、と自分の中での理解が深まることにより、読みも少しずつ上手くなっていきます。
あまり根を詰め過ぎても良くないしリフレッシュも大事。合間に休憩をはさんで雑談や面白トーク、おやつタイム等も交えて楽しい時間を過ごしオンオフを切り替えながら進めて、次第にポイントを絞った練習を行っていきます。
部員の皆の気合いの入った読みを聴いて、、OBの指導にも熱が入ります!
本番さながらにマイクを使っての読みももちろん行います。さらにそれを録音して聴いてみると、客観的な印象も感じられて効果的です。そうした練習を進めるにつれ、部員達もそれぞれに手応えを掴んできたようです。皆、最初の方よりも確実に良くなっていました。
「GWの勉強会では皆、アドバイスを聞いて自分のものにしたいという姿勢が見られました。その後も、熱心な部員は毎日放課後に練習しています。まだ大会まで日があるので、もっと上達できると思います。」とのことでした。

あぁ、、、嬉しいなぁ。部活に対する意識が上がって、励んでいる子達がいる。拙い指導でも、部員の意識と行動に変化が生まれた。。。これだけでも嬉しいことです!小さな変化かもしれませんが、たとえ数名でも、積極的な部員が率先して行動し、空気や流れを作ることで波及効果が生まれる可能性もあります。
個性を重視して伸ばす時代ですから、‘全員右へならえ’じゃなくても良いんです。
皆のがんばりを信じて、あとは大会が終わるまで私からは何も言わず。練習でやってきたことを出し切れるように…と陰ながら応援しておりました。
Nコン地区予選大会の結果は、朗読部門で、入賞1名:準決勝進出(県大会相当)、佳作2名でした。
しかも、佳作のうち1名は入賞ラインまであとわずかでした。
まさに、以前からの勉強会でも毎回必ず参加してくれていて、ひときわ熱心な部員達でした。3名とも結果が出ました。よかった!!よく頑張った!!!
全国大会には及ばず…地区予選佳作と県大会で終わってしまい、もしかしたら本人達は不本意だったかもしれませんが、それは勝負の世界だし、まだまだ上には上がいるのです。(そもそも、Nコン全国大会はそんな甘いものではない!^^;) 悔しさを味わうことも良い経験。それに、自分のレベルや評価が客観的にみてどのようなものかも分かったでしょうし、入賞者の実技を目の当たりにして学ぶことも沢山あっただろうと思います。
何よりも、、、「練習したことが身に付く、頑張ったことが結果につながる。」ということを、一層実感できたのではないでしょうか。
先生からのお話では、この3名だけでなく、他の部員達も、練習した分だけ上達し、各自の成果と課題を感じることが出来ているようです。波及効果…ちょっとはあるかなと期待していましたが、どうやら良い影響が現れているようですね^^
OBからの指導に関しても、Nコン個人部門ではこの数年間で一番良い成績を残せたので、地道な働きかけが少しずつ実を結んでいるという手応えを感じられ嬉しく思います。
これからも放送部の活動を続けていきますが、「自らで感じ考えて、自主性を持って行動できるように」後押しする指導となるように、今後もやっていきたいなと思っています!o^^o
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