「彼に関するすべての記憶を、わたしの中から消し去ってください！」
「上司の前にいくと、
父親の怒鳴り声を思い出して、
頭の中が真っ白になってしまって、
仕事でミスばかりしてしまうんです」
誰もが【忘れてしまいたい過去】
を抱えているのではないでしょうか。
今回は、つらい過去を癒し、
過去から学ぶ方法
をお伝えします。
痛恨のエラー
あるクライアントさんのお話しをさせてください。
30代の男性Aさん。
彼は、重要な場面になると、体が硬直してしまう
という悩みでご相談にみえました。
彼には原因がはっきりとわかっていました。
小学6年生のとき、
リトルリーグの地区大会の決勝で、彼のエラーで負けてしまったのです。
それ以降、失敗できない重要な場面になると、
その時のことがフラッシュバックして、
体が硬直してしまうのだそうです。
私は、彼に『ビデオ再現法』を行いました。
ビデオ再現法とは、NLPの中の技法を矢野が簡単かつ効果的にアレンジしたものです。
やり方をお伝えしますね。
① つらかった過去を、当時の自分が主人公の映画を見ているように思い出します。
② ビデオの再生ボタンを押したまま巻き戻しボタンを押すように、早回しで巻き戻します。
③「このとき、こうだったら良かったのにな」と思うストーリーを思い浮かべます。
④ 書き換えたストーリーの自分の体の中に入り、良い感情を味わいます。
大切なのは失敗しないことではなく、失敗しても挽回できること
さて、Aさんは、
エラーをなかったこと
には書き換えませんでした。
エラーした事実はそのままに、
その裏の攻撃で自分のバットで逆転した
というストーリーに書き換えたのです。
「なぜ、エラーをなかったことにしなかったんですか？」
私の質問にAさんは、
次のように答えてくださいました。
「今の自分に必要なのは、
失敗しないことではなく
失敗しても挽回できるんだ！
と思えることだと思ったんです」
Aさんが、失敗を恐れずチャレンジできるようになったことは、言うまでもありません。
過去を乗り越え
過去から学ぶ
私たちは、
「こういうことがあった」という過去の出来事に苦しめられているのではなく、
「そのときこんな苦しい感情を抱いた。ネガティブな解釈をしてしまった」
という自分の「感情」や自らくだした「解釈」に苦しめられているのです。
上記のビデオ再現法では
過去の出来事を頭の中から消し去るわけではありません。
思い出したときの
「感情」や、その出来事に対する「解釈」が変わるのです。
過去を乗り越える。
過去から学ぶ。
というのは、つらかったことを忘れることではありません。
つらかったことを思い出しても
嫌な「感情」が伴わなくなり、
「あの時のことが今、こんなふうに役立っている」
と「解釈」が変わることなのです。
過去に悩まされている方も
お待ちしています。
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