夢は生き続ける

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家族でオーストラリアのケアンズに旅行してきました。

「天空の城ラピュタ」のモデルではないかと言われている

パロネラパーク。

 

パロネラバークという名前は、

創設者のホセ・パロネラの名前からつけられたものです。

このホセさんの逸話が感動的なのです。

 

ホセさんは、スペイン生まれ。

「将来、自分の城を持ちたい」

と夢見る少年でした。

 

ホセさんは、一攫千金を夢見てオーストラリアに移民します。

ですが、当初就こうと考えていた仕事はすでになく、

さとうきび畑で働くことになります。

 

オーストラリアに来て16年目のある日、

ホセさんは、熱帯雨林にたたずむ美しい滝(ミーナの滝)に

一瞬にして心を奪われました。

 

そこに自分の夢であった城を建てようと決意します。

そして42歳のとき、滝を含む土地を購入し、遂に城の建設がスタートします。

 

このとき

「自分の城を持ちたい」

という少年の夢は、

「サトウキビ畑で働く人たちの憩いの場を造りたい」

というものに変わっていました。

 

長年、サトウキビ畑で働いてきたホセさんは、

夏は気温40℃湿度90%の照り付ける太陽の中での重労働のつらさがわかっていたのです。

サトウキビ畑のある田舎には、娯楽施設などありません。

ホセさんは、そんな頑張っている人たちを

楽しませるためのお城を造ろうと決意したのです。

 

それは、自分の城を持つことより

はるかに価値があり、

ホセさん自身もより幸せになれることだと思います。

 

 

さて、6年間の歳月をかけ、ホセさんはほぼ一人の力で、

1935年『パロネラパーク』を完成させました。

 

パロネラパークでは、昼は滝での水遊びやテニス。

夜はダンスパーティや音楽演奏、

もちろんレストランで食事も楽しめます。

 

そして、結婚式や

映画の上映までおこなわれました。

 

ホセさんは、水力発電まで自力で造ってしまったのです。

 

 

ホセさんの人柄がよく伝わるエピソードがあります。

娘のテレサちゃんが誕生日プレゼントに

「『ミーナの滝』が欲しい」と言いました。

 

ホセさんはテレサちゃんに言いました。

「この滝は、父さんのお気に入りなんだ。

だから、お前にあげることはできない。

その代わり、お前には別の滝をプレゼントしよう」

 

そう言って、ホセさんはテレサちゃんのために

なんと滝を造ったのです!

 

愛がハンパないと思いません?

高さ2mほどの小さな女の子にぴったりの可愛い滝。

滝の前には、二人がけのベンチがあります。

きっと、ホセさんはテレサちゃんと二人で、

このベンチに腰かけて滝を何度も眺めたことでしょう。

 

 

さて、川のほとりに建てられたパロネラパークは、何度も洪水に見舞われます。

そして、そのたびにホセさんは、パークを再建します。

 

ですが、ホセさんは胃癌に侵され、

60歳で生涯を閉じます。

 

ホセさんの死後、パークは家族により運営されますが、

たびかさなる自然災害や、

時代と共にパークを訪れる人は減り、

売却せざるを得なくなります。

 

人手に渡った後、火災により建物内部が全焼。

台風と洪水によりパークは廃墟と化します。

 

時は流れ1993年。

マーク&ジュディ夫妻によりパークは甦ります。

そして、クイーンランド州の

「Must Do No.1(絶対に行くべき場所No.1)」

に輝くほどの観光スポットとなり、

毎日大勢の人が訪れています。

 

 

パークの中には、夢に関する工夫がなされた建造物がいくつかあります。

 

『願掛けの泉』

小さな2段の泉に、願いを唱えて後ろ向きにコインを投げます。

上段に入ったら、その願いは叶うと言われています。

残念ながら上段に入らなかった人は、

努力すれば叶うのだそうです。

矢野家は4人とも下段でした。

 

『カウリ アベニュー』

カウリの木の並木道です。

並木道の先には「ミーナの滝」が見えます。

(写真ではよく分かりませんが)

 

ホセさんは、ここから滝を眺めて、

自分の夢を再確認したのだそうです。

 

そして、パークを訪れる人にも同じように

自分の夢を再確認してほしいと願っていたということです。

 

 

『軽食堂』

中央の吹き抜けから、「ミーナの滝」が見えます。

こちらも「カウリ アベニュー」同様、

夢を再確認するものです。

 

スペインからきた貧しい移民でも、

こんな立派な城を建てることができたのだから、

「あなたの夢もきっと叶いますよ」

とホセさんが私たちに言っていうように感じました。

 

 

ホセ・パロネラの夢は

時代を超えて生き続けています。

 

そして、パークを訪れた人々に

「今度は、あなたが夢を形にする番だよ」

とホセさんが背中を押してくれているように感じます。