浅田 次郎
姫椿

勝手に採点 ☆☆


ちょっと不思議な感じのする短編集。


内容的には、ぽっくり死んでしまったゲイバーのママがホントは

ただのお爺さんだった話や事業に失敗して自殺も考えてたところ、


昔通った銭湯をたまたま見つけ希望を見出す話など、これといっ

て印象深いものや感動的な話はない。


浅田作品の真骨頂は、泣きのベースを丁寧にインプットすることな

ので、そういった説明が一切省かれ、かつラストも尻切れトンボとな

ると魅力は半減。


鉄道員のような秀作は別として、場面がはっきり目に浮かび、登場

人物が生きているような錯覚を与えることは甚だ難儀らしい。


やはり彼の作品は長編に限る。