再見!再見! | メメントCの世界

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演劇ユニット「メメントC」の活動・公演情報をお知らせしています。

再見!再見!

安全区の全ての公演が終って、あらゆることを片付けております。
まずは、領収書、請求書、その他の資料などを、右から左へと捌きながら、まあ積もり積もったこの一年を反芻する私です。
「安全区/Nanjing」だけではなく、その前の「太平洋食堂」のものも、私の仕事部屋で山脈をなすかの如く、書類が溢れているのです。これでは何もできない!進まない!
今日はまだ芸術文化振興基金の書類提出も足止めを食っていて、すっきりしません。
ああ、早くすっきりしたいと思うのですが、あちこちで新年度の事務渋滞が起きているのですよ。
それでも、この一年を終わって、あちこち具合が悪いけど生きてるし、ドタバタしてます。
チェーホフ的?ブレヒト的?どちらかというと、阿Qの様でもあります。

一年前!
忘れもしない、「太平洋食堂」再演のサイは既に投げられ、座・高円寺のラインナップ発表会で、列に並んでアピールしていたっけ。・東京・大阪・新宮ツアーのプロモーションでした。
それでもって、あーでもない、こーでもない、と近畿に和歌山を走り回っておりました。
そういえば!鹿に激突する列車に乗って24時に新宮へ日大の西田先生と一緒に行ったし、
京都労演さん、彦根演劇鑑賞会さん、神戸演劇鑑賞会にお邪魔して、しゃべりにしゃべったなあと。

ホントに一年前??
今日も会合で一年前を思い出していました。
私は芝居をやるだけでなくて、音楽や演劇講師をしたり、公立小中学校でワークショップもしております。その会合です。

「ほんとによく働いたわね。でも顔がすっきりしてるわよ」
とねぎらってくれた大先輩のN女史。

「安全区は演出の目線が初演よりしっかり出来てた」
ああ、嬉しい。
「ブレヒト的であり、チェーホフ的だったわ」
とびきりうれしい!


「中尉は自分の役割を必死で果たそうとする、そこに喜劇性があるわね。ともすれば、あの紳士的かつ神経の行き届いた身のこなしなどで、あのナチス的な言説は、人の耳目をさらってしまう。ほんとに怖いことだわ」
「従軍僧は従軍僧で、やはり己の役割を果たそうとして、こちらは喜劇をかざしてルところが、悲劇。だから、ブレヒト的なのよ」
「林教授はその運命を受け入れきれない、そんな俳優の体もあって、チェーホフに出て来る人みたいだった。どうにも仕方ないこと、でも運命を引き受けなくちゃならない」
「女性は、とても身体が能弁だった。だから悲劇性が、初演より増して、茉莉も抑えた演技でもっと深い役どころになってたわ」
「ストリングラフィの表現が新しい形になってた。あなたがやってたの??」



とびきりのご褒美をもらった私でした。
私の野望は、もし次があったら、今度はストリングラフィを三面に張り巡らして南京城の城壁を糸で作ることです。
ひょっとしたら、それが出来るかもしれないと思ってた京都芸術センターの事業応募は落とされてしまいましたが、ご縁が無かったということでしょうか。

でも、蜘蛛の如く、どこかに糸を張り巡らせることは可能ですし、外国だっていいんです。
もちろん将来的に。

ちょっと前は、「葉子」の公演を座・高円寺で成功させた作家でやはりプロデューサーの金塚さんと情報交換をしていたのですが、お互いに口から出て来たのは・・・

「書くなんて楽よね~~~!!制作って死にそう!!!」

です。そうなんです、脳内劇場は至福であり楽しいだけですから。
協働作業であり経済活動である公演制作はイバラの路です。
本当に、全国の制作さん、お疲れ様です!!!

しばらくは頭の中で仕事部屋を整理しつづけるでしょう。
「安全区/Nanjing」では新しい言語というか、新しい表現のプロトコルを手に入れました。
それはきっと私を勇気づけてくれるだろうし、助けてくれるでしょう。
今回の公演ほど、人の情けに縋り、助けられた公演はありません。
セッツアンならぬ、ナンジンにも神様はやってきていたようです。

さてまあ、これにて今年のメメントの活動はお休みを頂くのですが、私個人は、この後、女優の明樹由佳さんとワークして一緒に高木顕明の娘の話を語り芝居として作ります。
お座敷で、小さな場所で、私と明樹さんで謡い語るような芝居になります。
いつ?と問われてやにわに答えは出ませんが、出来たらお知らせ致しますね。

それでは、しばらくの間、御暇を。
でも、おしゃべりな私は何かブツブツ言い始めるかもしれませんが。

あ、もうちょっとしたら「安全区」の上演台本を販売します。こちらは、簡単な印刷になりますのでご了承を。ご希望の方は mementc2014@gmail.com までメールください。

そんな訳で、再見!再見!多謝!多謝!!一路平安!