わからないよ、何がわからないのかもわからない。
わかるなあ。
人はどうしてこうもわかりあえないのか。わかろうとしないのか。
貧困がテーマのお話。
フィクションだけど、実際に日本では程度の差はあれど珍しいことではなくて。
ギリギリで生きてる人ばっかりだと思う。
その中には母子家庭や父子家庭で、生活保護を受けないとまともにご飯を食べられない人もいて。
「アフリカの子供に比べたら」
「路上で物乞いしてるわけじゃないし」
「あなたよりももっと恵まれてない人はたくさんいる」
そう、そうですよね。
もっと恵まれてない人がいる、私はその人達に比べたら幸せです。
贅沢は一切せず、夢は見ずに必死で働いて、働いて…
でもそんな生き方のどこに希望があるんだろう、
折角生まれたんだから夢くらい見てもいいじゃない。
希望が死んだ夜みたいなこの国で生き続けるなんて。
でも沢山のお金を手にした途端人は狂い出す。
お金は人を変えてしまう。
お金はこわい。
メッセージ性のあるお話でした。
人の気持ちなんてわかるわけない。
だけど、仲田さんみたいに、少しでも寄り添って考えたり、"想像"したり、そういう意識があるだけで世の中は少し変わるんじゃないかな。
切なかったり、悲しかったり、絶望に打ちのめされたりと、ポジティブなお話ではないけど、
最後にどんでん返しがあったり(でもちょっと強引に感じる人もいるかも)、至る所に伏線が張られていたり、文章も読みやすくて一気読みできます。
ジャンル的にはミステリーになるのかな。
色んな意味で賛否両論あると思いますが、
是非、多くの人に読んで何かを感じてもらいたい。