僕が引き継いだ会計事務所が元々老舗だった事もあって、クライアントには比較的長い会社が多くあります。

しかし堅調に利益を稼いでいる会社もあれば、売上が減少し続けて先細りの会社もあります。

半分笑いながらではありますが、社長さんが

「もう1年ぐらいで会社もたたもうかしらねぇ」

みたいな事を言われたりする事も時々あります。

中には、業績が奮わないながらも資金繰りは安定していて、すぐにやめる気があるわけではないものの

「もし会社を清算するには、どんな準備があればいい?」

みたいな相談を受ける事もあります。


「そんなことおっしゃらず、諦めずに頑張って下さい」

と言いたいところですが、会社の存続以上にクライアントの経営者や従業員の生活を第一に考えなくてはなりません。

傷が浅い時に会社を畳んだ方がいい場合もあるので、顧問税理士としていい加減な事は言えません。


身につまされる思いです。

僕に出来る事は、少しでも判断材料としての数値を的確に提示する事と、可能な限り社長さんの相談に乗って不安を和らげる事ぐらいしかありません。


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先日のNHKの討論番組でしたが、テーマは「国際人」でした。

主な参加者は国外の大学や企業で活躍して来た日本人や、日本で働く外国人。

「内向き志向」や「議論が苦手」など日本人の悪い特徴とか言う点は今まで様々なところで論じられて来たので、ここでは割愛します。

しかしこの番組に限らずつくづく痛感するのは、世の中が本当に求めているような人材を日本は輩出出来ていないのではないのか、ということでした。

たとえば中国やインドでは国を挙げて理数系の人材を育てていて、若者達はその方面のトップを目指して猛烈な受験競争を戦い抜いています。

また僕自身も中国人の先生や学生から聞いて驚いたのは、中国の商学部や会計学部でも学生の殆どは、日本と違って元々理数系出身だったという事でした。

よくよく考えれば、会計学にしろ経済学にしろ数字を扱う学問なので、文系よりも理系というのは理にかなっているとも言えます。

中国もインドも経済大国を目指し続けているだけに、産業を支える科学技術並びに経済の担い手を国が必要としているからに他なりません。


一方、欧米の大学では専攻分野だけでなく全般的な教養を伝統的に重視しています。

たとえば物理学が専攻でも哲学や古典文学も必修ですし、専攻科目じゃないからと言って手を抜いているわけでもありません。

これも、政財界のトップとなる人材には、幅広い見識や人格形成が欠かせないという考えに他なりません。


アジアにしろ欧米にしろ、その社会のニーズに即した人材育成の場を大学が担っていると言えるでしょう。


ひるがえって、日本はどうでしょうか?

僕は部室で寝てばかりいた記憶の方が圧倒的に多いのですが(笑)、先生が一方的に黙々としゃべるばかりで、テストもテキストやノートの持ち込み自由は当たり前…。

日本で世間一般に一流大学と言われるところの多くは、大学のカリキュラムそのものよりも入試の難易度で評価されているきらいがあるのは否めません。

確かに、入試は知能や地頭を図る指標として、全く意味がないわけではありません。

しかし、このようなペーパーテストで試す脳力も、人間の脳力全体で見たらごく一部でしかありません。

瞬時に情報を処理する能力か、物事を論理的に熟考する能力か、はたまた他にはない独創的なアイデアを生む能力か、本来はさまざまな能力があるはずです。

にも関わらず、日本の教育界ではこうした能力のうち、ごく一部に偏りすぎているように思えてなりません。


では、なぜこうなったのか?

そもそも論で言えば、大学も学生も、「ニーズ」に合わせて来た結果でしかありません。

人材を求める大口需要側、すなわち大企業や中央官庁のニーズです。

彼らのニーズに叶う人材が本当に優秀で、世界とも渡り合えるだけの能力を具備していれば良いのですが、現実は果たしてどうなのでしょう?

彼らのニーズに合わせた結果、逆に今の日本にとって必要な人材との乖離が生じたのではないでしょうか?

せっかく中国や欧米では金の卵となるような若者でも、みすみす才能の芽を摘み取ってしまうような事態に及んではいませんでしょうか?

敢えて言えば、大企業や中央官庁が日本の人材を潰しているという言い方だって出来なくはないのです。


さらに言えば、その大企業や中央官庁も、自分たちにとってどんな人材が本当に必要なのか、実はわからないままでいるのではないかと僕は思うのです。

ダーウィンが「生き残れる者は強者でも知能のある者でもなく、変わる事の出来る者だ」と言ったように、日本がサバイブしていくためにはどうした能力が必要なのか、今一度振り返る必要があるでしょう。


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言わずもがな、クライアントにも様々な会社さんがあります。

厳しい経営環境の中で必死に頑張って利益を上げている会社、

赤字続きで資金繰りに四苦八苦しながらも、自ら資金を投じて何とか継続している会社、

あるいは元々やめたいが、借入金があったり先祖代々の家業だったりという理由で続けざるを得ない会社…。


では、質問です。

貴方の事業は仕事ですか? それとも趣味ですか?


多額のお金を掛けているのに関わらず赤字になっても、趣味にお金をつぎ込んで満足しているの同じであるのなら、それはそれで何ら問題はありません。

生活に支障がない限り、好きなだけ費やせばいいだけです。


でも、仕事ならどうでしょうか?

どんなに好きな事であっても、お金を稼げない限り継続はおろか、自身の生活も立ち行きません。

まして従業員を雇っているのなら、尚更です。


自分の事業に思い入れのある人ほど赤字であっても、事業を「仕事」とするための話が耳に痛く響くこともあります。

けれども、仕事であれば黒字とまでは行かなくても、事業が成り立つだけのキャッシュは確保しなければなりません。

仕事としてお客様よりお金を頂く限り、自分自身だけではなくお金を払ったお客様に満足して頂かなくてはなりません。

そのためには、今の自分には何が足りなくて、何が必要なのか。

それは問う側にとっても終わりのない問いの繰り返しでもあります。


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