『トラップ一家物語』39・40話(最終話) Review | Masterpiece Forest 名作の森

『トラップ一家物語』39・40話(最終話) Review

トラップ一家物語(10) [DVD]/勝生真沙子,堀勝之祐,安達忍

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(あらすじ・見どころ)クローバーby Meisakian

オーストリア<第39話>「誇りと信念」
 ついにナチス党員であることを明かしたハンスと
ゲオルグが対峙する時が来ました。

 ハンスは自分のおかげで、トラップ家に危害が
加わらないようにしてやっているのだと主張し、
ヒトラーこそが救世主だと声高に叫ぶのでした。
(゜д゜;) ハンスは人格まで変わってしまったかのようです…。

 そんなハンスに出ていけと命令するゲオルクでしたが、ハンスはもし今私が出ていけば、トラップ家や子供たちの無事は保障できないと脅します。
 
 それを聞いたトラップ大佐は、ナイフを取り出しナチスの鍵十字の旗を切り裂くのでした。これが今のゲオルクにできる唯一の抵抗でした。

 それからしばらく経ったある日、ナチスから新型潜水艦Uボートの司令官に任命するとの手紙がゲオルクのもとに届きます。しかし、ナチスの潜水艦になど誰が乗るものかとゲオルクは手紙を黙殺するのでした。

 マリアは産まれてくる赤ちゃんのために、乳母車やゆりかごの用意をしていました。すると、そこにゲオルクのオーストリア国旗が返されていました。どうやらハンスが返したようです。
 オーストリア国旗を見たゲオルクは、オーストリアに忠誠を誓ったことを心に思うのでした。

 さらに数日後、今度はヒトラーの誕生日の式典に、トラップ一家合唱団が出席し歌を披露するようナチスから命令が届きます。

 鍵十字旗の掲揚の拒否、Uボートの司令官任命の黙殺、そしてもし、ヒトラーの誕生日を祝う式典を拒否すればナチスの命令に逆らうのは3度目となり、一家はどんな仕打ちを受けるかわからないのでした。

 オーストリア人としての誇りと信念を失うことはできない!!
 ゲオルクはついに、一家そろって亡命することを決心するのでした。


自由の女神<第40話>(最終話)「さようならわが祖国」
 亡命を決意したゲオルクは、フランツにルーペルトへの伝令役を頼みます。作戦はハンスに気付かれないよう極秘に進めるのでした。

 亡命の手はずは、ハイキングに行くふりをして家を出て、汽車に乗り込み、途中でインスブルックにいるルーペルトとおち合い、一家そろったところでアルプスを目指し、かつてトラップ家でメイドをしていてカールという青年と結婚したミミーの住む家を目指します。
 そしてミミーの家からイタリア国境を目指し、その後永世中立国のスイスに亡命するという計画でした。

 マリアはトラップ一家合唱団の指揮をしてくれていたヴァスナー神父も共に亡命できるよう手はずを整えます。

 ついに亡命を決行する日がやって来ました。
 ヴァスナー神父は先に修道会のミサに行くふりをして出発していました。ところがハンスもその日は休みをとって母親のもとへ帰ることにしていました。
 ハイキング姿で屋敷を出発したトラップ一家。コックのローズィには後で危害が加わらぬよう内緒で出発しますが、ローズィは子供たちの様子から皆が亡命するつもりだと気付き、無事を祈るのでした。

 バス停にはハンスの姿がありました。ハンスは皆の様子をうかがっていましたが、亡命には気付かないのでした。そこにルーペルトへの伝令役を引き受けたフランツがやって来ます。
 ハンスがいる手前、ルーペルトのことを報告できないフランツは、一言「艦長、出航準備完了。」と言ってルーペルトも出発することを伝えるのでした。

 無事汽車に乗り込んで、インスブルックへやって来ましたが、ルーペルトの姿はありませんでした。
 ルーペルトは駅に向かう途中、人身事故による渋滞に巻き込まれ、汽車の発車時刻に間に合わなくなってしまったのです。
 ゲオルクが一人駅に残り、あとからルーペルトを連れて、ミミーの家に向かうことにします。

 一足先にアルプスのミミーの家にたどり着いたマリアたちは、ミミーとの再会を喜びます。

 一方、ゲオルクはようやく駅にやって来たルーペルトとともに一本あとの列車で追いかけますが、まもなく国境が封鎖されると言ううわさを耳にします。

 ミミーの家で落ち合ったゲオルク達は、国境封鎖を免れるためすぐに出発することにします。そこで、ミミーの夫のカールはうまく逃げられるよう霊柩車を用意して、それに乗り込みイタリア国境を目指すことにします。
 カールの運転する霊柩車に国境の警備兵が尋問してきます。

 ゲオルクは、わざとイタリア語を話して、うまくごまかしますが、一人の警備兵が中の棺桶の中を調べさせろと迫って来ます。その中には子供たちが隠れていました。
 その時、ヴァスナー神父が、死者を愚弄することは許されないと言い、うまく逃れることができました。

 イタリアからスイスに入ったトラップ一家。
 亡命は成功したのでした。一家はかつてアメリカでの公演をオファーしていたアメリカ人興行師ワグナー氏を頼ってアメリカのニューヨークへ渡ることにします。

 一家は大西洋を渡りながら、「別離の歌」を合唱するのでした。
 さようなら、わが祖国…。

 アメリカへやって来たトラップ一家。
 数カ月後にはマリアが生んだ赤ちゃんが、新しい家族として加わるのでした。