花漾~たゆたう想い~ | emi★Asian日記

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F.A.E.P(エフエーイーピー)で活動中。取材の話や趣味の台湾旅行の話。それから最近はまった「ご朱印巡り」の話です。

アジアフォーカス 福岡国際映画祭のエンジョイ・アジアムービー作品として
「花漾~たゆたう想い~」が上映されました。







それも日本での公開はここ福岡が初!!
これは見なければ損をする!って事で取材はもちろんなのですが
2回目の上映も見てまいりました。

まずは作品のストーリーですが

300年前の中国外洋。双子の姉妹・小雪(シャオシュエ)と小霜(シャオシュアン)が漂着したのは流嶼島だった。花漾楼(かようろう)という妓楼の女主人に拾われた2人は、ある秘密を胸の奥にしまいこみ、芸妓としての生き方を歩む。しかし海賊の青年と管弦楽器の若き師匠によって、彼女たちの愛と運命は、まるで海面に浮かぶ花の様に、次第にたゆたい始めるー
                                  

メインキャストには台湾映画界を支える若手俳優チェン・イーハン、ジェリー・イェン、ミシェル・チェン、ジョセフ・チェン。これまでアイドルとして人気を博してきた彼らがゼロ・チョウ監督の元で映画俳優としてその魅力を開花させ、単なるアイドル映画としてではなく、切ない愛を描いたドラマ性の高い芸術作品として評価されている。主演4人をサポートするのは香港の実力派俳優サイモン・ヤムとサンドラ・ン。二人の熟練された演技が作品に重厚さを加えている

『Tatoo-刺青ー』『彷徨う 花たち』でその映像美が評価されている台湾の女性監督
ゼロ・チョウ監督。4人の若い男女が繰り広げる切ない恋模様を、海に浮かぶ灯篭、花街を艶やかに照らす灯など、鮮やかな色彩と共に描き、作品を華麗に幻想的に仕上げている。また小雪と小霜の哀しい想いを綴った歌詞と美しいメロディが、淡く切なく心に響き渡る。

                                           (映画チラシより)






見終わった瞬間「大人の映画だぁ」と思いました(笑)
いろんな愛の形があって、それは決してハッピーエンドだけではなく
消化ができなくって苦しくて悲しいものであったり、納得のできないものであったり
結末はそうであっても、どれも間違いなく愛の形なんだと・・・・
そりゃあ、できればハッピーエンドがいいんですけどね?(笑)

上映前に監督からお話を聞かせて頂けるという、
素敵なお時間を頂けたのですが(後日FAEP掲載予定です)
監督さんから「時代劇だけれども、若い男女のラブストーリー」だとお話を聞いていたのですが
まさしく王道ラブストーリーです!きゅんきゅんします!(笑)

若手4人もですが、海賊の親分:海爷役のサイモン・ヤム、妓楼の女主人:月娘サンドラ・ン
そしてお茶屋の奥様:芙蓉役のリー・シャオランと脇を固める方々の愛も切ないのです。
李二少役のマー・ズージュンは・・・うーん・・・役柄的に損ですよね(笑)
どうしても女性に嫌われてしまう役柄ですガーン

時代劇だと少し画像もほこりっぽいようなイメージでしたが、
びっくりするぐらいくっきりした映像で、それがまた新鮮でした。
こういう時代劇もあるんだ!と・・・
でも伝統的なちょっとコミカルな部分も残しつつ(笑)

でもでも、そこがまたポイントなのですよねぇ^^
「武器をくれ!」っていう海賊の青年・刀疤役のジェリーに味方が投げて渡したのは
刀ではなく、魚が入った丸い水槽。鑑賞していた方々の笑い声が聞こえたポイントでした^^
でも、これが「彼女」へのプレゼントなんでしょうねぇ、戦ってるのに
それだけは大事に落とさないように最後まで守ってるんですよね。
きゅんきゅんしますよね?(笑)

あ・・・そろそろ細かい所がでてきましたので
これ以上はネタばれになりそうですので
見たくない方はスルーしてください(笑)










本当に時代劇だけど、歴史的な英雄が出てくるわけではなく
男女、そして姉妹の愛情の話なんですが
どれもこれも泣かせるストーリが詰まっているんですよね



小雪文秀の話は本当に切ない・・・実際には文秀が拒絶するシーンは出てきませんが
小雪を探してさまよう文秀の姿が見ててとても苦しくなります。
ピュアすぎたのがいけなかったのかなぁ・・・・そういえば途中小雪の前で
小霜のことを褒めちぎっちゃうシーンもありましたね(笑)
ピュアすぎる!素直すぎる!(笑)

海爷芙蓉のラブストーリへの展開はまさか!と驚き!ショック!
しかし年齢的にはどちらかというと自分は芙蓉に近いのでw
この二人の別れのシーンは涙が出ました
「一緒にこいっ!」と叫ぶ海爷と、それに応えることができずに泣き崩れる芙蓉
このまま自分が死んでしまえば、また芙蓉が苦しむと思っての海爷のセリフですよねしょぼん

そして白いハンカチで涙をぬぐい、一切の感情を捨ててしまったような芙蓉の顔が
すごく印象的でした

そして月娘も切ない!お守り変わりに渡した玉を握りしめるシーン。
あ~やっぱり海爷の事好きだったんなんじゃないかぁ~と、歯がゆくなりました(笑)
しかし大人の女は、好きという感情だけでは成立しないものなのかなぁ
海爷の前でも女というよりは花漾楼のおかみとして立振舞っていて
女として甘えることもなくて・・・・。
海爷芙蓉の事を「愚かな女だから」という理由で守ろうとしていたけど
月娘だってある意味「愚かな女」なんだけどなぁ
わかってほしかったなぁ~しょぼん

そして小雪小露の姉妹愛
お互い性格が全く違うふたりで、だからこそ愛情の表現方法が違うし、感情の出し方も違う
お互いにあてた手紙を読み合うシーンは鼻水じゅるじゅるになりました(笑)
小雪が事実を知った時に、感情がぐーーーっと昂ぶってるはずなのに
大きな声を出して叫ぶのではなく、声はなく、反りだった崖の先端で打ち震えてるシーンは
小雪らしいと思ったし
瀕死の状態で手紙を読んでいる小霜は最後まで強がってるシーンは本当に小霜らしくって
離れ離れになってしまった姉妹の運命は涙なくしては見れません
文秀李二少が島に来なければ、花漾楼の中ではあるけど一緒にいられたのだろうか
それともこんな運命になったとしても花漾楼から出れたことは
ふたりにとっては幸せだったのかなぁ


最後に唯一報われた(と思いたいw)ふたり。刀疤小霜
オープニングからふたりのラブシーンからスタートするんだけど
暗い画面の中で、ふたりの吐息だけが聞こえてきて、ちょっとドキドキします(笑)
しかし、あのシーンって後半にも同じシーンが出てくるけど
微妙に違うんですよねぇ?
オープニングの方は「真的吗?」って小霜の問いかけに「真的」と刀疤が答えてるんだけど
ストーリー後半の方は答えず、そのままギュっとしちゃうんですけど
これって何か意図があるんでしょうか?
しかし、小霜刀疤を好きなんだろうけど、圧倒的に刀疤の愛情の方が想いが強いよねにひひ
まぁ、小霜の病気の事をこの時点では知らないとはいえ
抱きしめあう二人の、複雑な気持ちの小霜に対して、思わず笑みが出てしまう刀疤(笑)

最後のシーンに関しては監督が「あれは本当に二人だったのか、亡霊だったのかは見分けのつかない境」だと上映後のQ&Aで話されていましたが
本当のふたりであってほしい!なんかわからないけど小霜の病気も治っていて
せめてふたりだけは幸せであってほしいと思いたいっ!(笑)

そして今回の監督の作品もやっぱり色がとてもキレイでした
監督の故郷は基隆だということで、ちょっとそういう雰囲気もありますよねぇ^^
・・・というものの、私まだ基隆はもちろん九份にも行ったことがないのですが
来月の台湾旅行(プライベート)では立ち寄る予定にしています
さらに楽しみ方が増えました^^
花漾の世界観に浸ってきたいとおもいます


「花漾~たゆたう想い~」は10月26日(土)シネマート六本木、11月16日(土)シネマート心斎橋にて公開予定です