食品中セシウム検査方法基準を緩める厚労省:食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正 | 男も女もすなる日記といふものを、オカマもしてみむとてするなり

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現在は原発事故に関連した記事が多いですが、どの記事にも自分なりの物の見方・考え方を書くようにしています。

本年4月から多くの食品(一般食品)の放射性物質の基準値が500Bq/kgから100Bq/kgと、より厳格になる。
これを踏まえ、国や県の検査機器の実態や、新基準適用にあたり厚労省は検査結果の信頼性を損ねてでも検査方法基準を緩める意向であることは、食品中放射性物質検査機器と新基準への対応問題と検査精度で触れた。

厚労省の3月1日付け報道資料食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正についてでは次のように説明されている。

スクリーニング法改正

1 もともと厚労省が定めたガイドラインがあるけれど。
2 「効率的・効果的なモニタリング検査を確保」するためスクリーニング法を定め「簡易測定器」でのスクリーニング検査を推進してきた。
3 さらに新基準に対応するためスクリーニング法を改正することにした。

簡単に言えば自分が作った検査方法の基準を甘くし、さらに甘くすることにしました、ということである。

厳格な検査方法基準は検査機器の数検査時間の問題などと連動するから、効率的・効果的な検査方法を模索すること自体は必ずしも悪いことではない
しかし「効率的・効果的」だけを強調し「スクリーニング法」を採用することのデメリット、「スクリーニング法の改正」によるデメリットも同時に説明されなければ、単なる情報操作である。
「効率的・効果的」な検査方法によって「検査結果の信頼性」はどうなるのか? それも併記すべきだ

また「・技術的性能要件の見直し」だが、今までの技術的性能要件併記してその違いが一目で認識できるようにするべきだ。

政府の言うことを信じる人々というのは、自分で資料に直接当たって判断しないんだね。
めぐが上で指摘したことは、厚労省の今回の改正を是認するか否定するかの立場と無関係に指摘できるし、指摘しなければならないこと。気の利いた高校生なら出来るくらいのレベルの話だ。

実はスクリーニング法の改正というのは、その前にもやっていたんだ。
厚労省の平成23年11月10日付報道資料食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正についてで次のように述べられている。


ここでも、牛肉・米・麦類水・乳及び乳製品を除く食品全般に拡大という改正をしている。
そもそも「検査の迅速化及び効率化」というメリットだけだったら、後から拡大する理由などない。最初からやればいいだけだ。

スクリーニング法についてはこの記事中でリンクを張った厚労省のサイトからQ&Aなど、より詳しい説明を読むことが出来る。
ちとめぐの理解力ではすぐには「こうです!」と説明できるほど理解できていないので、本稿は厚労省が検査方法の基準に関してどんどん基準を緩めている実態と、「効率的・効果的・迅速化」というメリットのみを記載(Q&Aやその他の記述を十分な知識を持って読めば事実上書かれているかもしれないけれど、メリットを記載した同じ場所に記載していないということ)しデメリットには一切触れていないことを、ソースを示して紹介した。

なおもともとの厚労省のガイドラインとは、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課の平成14年3月の緊急時における食品の放射能測定マニュアルを指す。
厚労省は平成23年3月18日付事務連絡によれば、その前日の3月17日に上記マニュアルを参照して食品検査をするよう通知したとある。

平成14年という原発事故前に作られたマニュアルの内容が、現実に事故が起きたらどんどん緩められる。
「現実的対応」が理由なら「効率的・効果的・迅速化」などとメリットのみを強調すべきではない。
そして実際の事故が起こったときにそのまま適用できないマニュアルを作ったわけだから、無能な人々には責任を取ってもらいたい。或いは「原発事故なんてどうせ起きないから」と形だけの、現実に対応できないマニュアルを作って税金に寄生していただけか。