植物工場システムセミナー【備忘録】その1 | megaseminarのブログ

植物工場システムセミナー【備忘録】その1

植物工場システムセミナー 【備忘録】その1


植物工場 における農産物のマーケット規模は5年(2008-2013)で30.6%、年率6.1%の伸びが予測されていて、特にBRICsと言われる新興国では年率7.8%の伸びが見込まれているそうです。一方、日本は大きなトレンドとして生鮮食品は供給過剰(自給率は低い)とのこと。過去十年間の生産量の伸び率が高い品目としては、デザートで使われるバニラや、食べ飽きず料理との相性がいいアスパラガス等があり、なかでも果物が多かったことが印象的でした。
 
海外の例として、イスラエルの砂漠の密閉型の植物工場 や、ドバイの砂漠で設備無しでのイチゴ栽培を挙げられ、高機能センサーでの制御や夏場の高温を避けるための高地への移動などが行われているとのことでした。
 
植物工場 の海外展開は業界の内部構造外部要因成長要因のような多くのリスクがあるとのことで、技術面以外でも課題は多いと感じました。経済産業省は農商工連携を促進するため、農林水産省と連携してさまざまな取り組みを行っており、これには植物工場関連の補助金事業、法整備等が含まれます。


今年の2月の植物工場 推進フォーラムでの意見交換では、検討課題としてコスト削減需要拡大海外輸出があげられ、ビジネスマッチングも行ったそうです。輸出については、まだマーケティングの情報共有ができていないのが実情です。経済産業省は今年の10月より、植物工場の需要が見込まれる水資源の乏しい中東、栽培技術が未熟な中国を含むアジアにしぼって情報収集を開始するとのことでした。


植物工場 に対して新興国の特に資金的に余裕のある国の多くは興味がありますが、植物工場へのニーズは国ごとに違います。中国では自国の野菜は危ないと思っている人が9割にのぼり、安心安全な食料を求めているとのことです。また、中東では水の節約と新鮮な野菜を食べたいという声があり、東南アジアでは害虫対策、収量向上に重きがおかれているとのことです。植物工場野菜に対するニーズも、日本では安全性は当然のことながら、エコ地産地消、お手軽等の農産物のストーリー性を見る傾向があるが、中国等新興国では規格厳守、安全安心、健康思考と違いがあります。
 
また、中国では世代ごとにトレンドが違い、子育て世代である70后(1970年台生まれ)をターゲットにしたアプローチがすでに進んでいるそうです。
 
植物工場 システムに対するニーズも国ごとに様々ですが、フルターンキーでは顧客のニーズを掴めないので、システムを管理できる人間を1人、最低1年は派遣する、コールドチェーンをセットで提案する等の必要がありま
す。それから、人工光型植物工場の場合、地域によっては自然光ではないもので育った植物に対する拒絶反応を示す事があるので、検討が必要です。


■記事の元となったプログラム内容


海外における“植物工場システム ”の最新動向とビジネスチャンス

http://ameblo.jp/megaseminar/theme-10025676719.html


日時:2010年09月27日(月) 13:15~16:45
講師:下記参照


第1部 海外の農業事情と展望

農業ビジネス誌『農業経営者』副編集長 (株)農業技術通信社専務取締役 浅川 芳裕氏   


 ・市場規模と成長性
 ・海外農業への視点
 ・世界の地域別市場とその特徴
 ・海外農業・施設園芸ビジネス


第2部 植物工場の現状と海外への展開

経済産業省地域経済産業グループ地域経済産業政策課課長補佐 杉本 敬次氏   


 ・経済産業省における「植物工場」の考え方
 ・植物工場の海外展開のポイント

第3部 海外における“植物工場システム”の市場動向とビジネスチャンス  
(株)日本総合研究所創発戦略センター農業クラスターマネージャー主任研究員 三輪 泰史氏   


 ・海外における“ 植物工場システム”のニーズについて 
 ・海外における“ 植物工場システム”の市場動向とビジネスチャンス 
 ・海外における“ 植物工場システム”の事業戦略

 


※その他の植物工場(システム)関連セミナーはこちら
・海外における“植物工場システム”の具体的戦略
http://www.megaseminar.jp/2010/ms16c/20100928.html

“植物工場システム”(機器・設備・施設)の新規参入における具体的戦略
http://www.megaseminar.jp/2010/ms16c/20100929.html

“植物工場システム”(機器・設備・施設)の最新動向とビジネスチャンス
http://www.megaseminar.jp/2010/ms16c/20100930.html

“小型植物工場ビジネス”2010
http://www.megaseminar.jp/2010/ms16c/20101001.html
 



■関連テキストのご案内
植物工場ビジネス2010の書籍
http://www.mega-books.jp/text/gappon_ag_201007.html