③を書いてから時間が空いてしまいましたね。
今回のpart4ですがお題は 「分子生物学を攻略せよ」です。
1年生最大の難関科目が分子生物学だといえるでしょう。
なぜ最難関なのかを説明しましょう。
いきなり言ってしまいますと前回までに書いた物理などは臨床ではほとんど用いられず、国試に出ることはありません。しかし分子生物学は違うのです。
分子生物学は医学研究だけでなく臨床においても基礎中の基礎です。
その為国試にも出題されたり、4年次に行われるCBTでも結構な割合で出題されます。
どんな科目なのか説明しましょう。
分子生物学は
①DNAの構造
②DNAの複製機構
③DNAの修復機構
④遺伝子発現の調節
がメインです
①のDNAの構造はアデニン(A) グアニン(G) シトシン(C) チミン(T)の4つの塩基からできています。
DNAの二重らせん構造の解明の歴史などを学びます。
そしてAとT、GとCがそれぞれ相補的に水素結合しているといったことから始まります。
②DNAの複製機構ではDNAがどうして半保存的複製を知り、DNA複製の矛盾を解決する岡崎フラグメントとは何かを学びます。またDNAトポイソメラーゼとは何かを学びます。
②のトポイソメラーゼ阻害剤は抗がん剤として用いられるため分子生物学が臨床でも役立っている証左になります。
③DNAの修復機構ではフォトリアーゼという酵素がDNAを修復したり、さまざまな異常DNA除去修復機構を学びます。
フォトリアーゼの欠損は色素性乾皮症の原因となっていることから分子生物学の重要性は理解していただけると思います。
http://www.dermis.net/bilder/CD002/550px/img0059.jpg
に色素性乾皮症の教科書に出るような写真があります。ショッキングな内容なのでリンクだけ置くことにしました。
④遺伝子発現の調節ですが様々なDNA結合モチーフやオペロンとは何かを学びます。
分子生物学は範囲が膨大なため一年次の最大の難関です。しかし分子生物学は一度理解さえすればあとは覚えるだけです。
留年してしまう人は分子生物学の教科書のあまりの分厚さに驚いて勉強することを嫌がった人たちです。
この厚さですからね。最新版はさらに厚いです。
先んずれば人を制し、遅れれば人に制せられる
と言われます。入学してからも継続的な勉学が必要になります。
医学部で学ぶことの名誉と責任があなたにはあります。
そのことを忘れないでください。