一病息災

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入院するので休職する、

と言った人に対して、

僕は病名を聞かないまま、

一病息災ですよ、と励ました。


病名が、こわくて、聞けなかったのだ。

入院、という言葉を発した時の顔が、

暗く沈んで見えていたし、

ご本人が病名を言わないものだから、

聞きづらくなって、そのままになった。


病気と健康の境目はどこだ、

なんてことをつらつら考えながら、

一病息災という言葉が、

妥当だったのかどうか、

思い悩んだりした。


病気を克服して戻ってほしい、

暗く沈んだ表情ではなくて、

明るく元気な笑顔が見たい、

その気持ちで伝えた言葉なのだけれど、

言葉の選択に、間違いはなかったのだろうか。


本当は、どんな病気なのだろう。

聞いておくべきだったのか。


瞬間の判断。

そんなときに、人間の質が問われるのだ。

相手の気持ちをどう考えて、

自分はどう対応するのか、

そこに人間性が表出する。


とにかく。

はやい回復を祈るしかできない。

祈るしかできない自分が、歯がゆい。
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