阪南病院は


存亡の危機にあるわけですが、


これは以前から言われていたことのようです。







全国の公立病院はどこも、


同じような状況だと思いますが。





>しかし皆、マスコミ報道などで二の足を踏んでしまう。



>「昨年2月14日~今年1月4日まで市長とはお会いできなかった」


>平成16年ごろから、「このままじゃ危ないですよ」と言ってはいた。



>「(労働条件などが悪かったので)今いる医師を大切にしてほしい。


>うちからの新たな補充はもう無理ですよ」と再三申し上げてきた。






この程度の認識で


公立病院は運営されているのです。


つぶれるべくしてつぶれつつある


公立病院。








この問題に対する


和歌山医大学長のインタビューです(注1)。





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「引き揚げではない、理解を」 阪南病院・和歌山医大学長

産経ニュース 2008.2.15 03:02
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/osaka/080215/osk0802150302001-n1.htm


 阪南市立病院が医師の一斉退職で4月から入院受け入れを全面休止する問題で、長年にわたって同病院に医師を派遣し続けてきた和歌山県立医科大学の南條輝志男学長が産経新聞社のインタビューに応じ、医師派遣を断念するまでの経緯などについて語った。

 --医師たちは病院でどんな状況にあったのか

 「平成18年3月、19年3月に1人ずつ内科医が抜け、残った5人に相当な加重がかかった。疲弊していたところへ、2人が家庭の理由などから辞めなければならなくなった。3人では阪南市立病院を支えるのは到底無理だった。引き抜きなどで大阪の他の病院に流れてしまう恐れもあった。全国的に内科医が不足しており、和歌山も一昨年の4月に350床規模の公立病院で内科医ゼロの状態に陥るほど(何カ所かゼロになっている)で3人を失うのならば、和歌山の病院に戻って働いてほしいと思った。“引き揚げ”ではないことを理解してほしい」

 --結果として阪南市立病院は存続の危機にある

 「病院に魅力があるとかないとかで医師の派遣を決めるわけではない。私自身も大学紛争で医師不足だった70年代、この病院で2年半、病院活性化に尽力したという自負がある。もちろん、個人的感情だけではない。和歌山医大の3分の1の学生は大阪出身で、泉南地区から来る学生も多いので、ぜひ病院をなんとかしたいという思いだ」

 --存続のために何か対策を

 「先の公立病院は内科医ゼロという阪南市立病院と同じ状況に陥った。しかし外部医師の外来応援で3カ月つなぎ、立ち直っている。同病院も“つなぐ”ことができれば-との思いで個人的なツテを頼り、関東や府下の知り合いの内科医を見学に招いたり努力してきたつもり。しかし皆、マスコミ報道などで二の足を踏んでしまう。私としては努力こそすれ、切り捨てようなどと思ったことはない」

 --再派遣の可能性は

 「病院と大学の努力だけではどうにもならない部分がある。行政にも何らかの手は打ってもらいたい。補充はぜひしたいという気持ちはある。現在は“補充がなくなった”だけで決して引き揚げではない。教授たちからも「引き揚げなら、自分のところの医師も帰していいか」と言われたが、何とか説得して今の状態を維持してきた」

 --病院事業開設責任者である岩室敏和市長は、話し合いのために和歌山医大に頻繁に来ましたか

 「昨年2月14日~今年1月4日まで市長とはお会いできなかった」

 --阪南市の対応は十分だったか

 「平成16年ごろから、「このままじゃ危ないですよ」と言ってはいた。しかし、実際には市として医師の確保はできなかった。学長就任後も「(労働条件などが悪かったので)今いる医師を大切にしてほしい。うちからの新たな補充はもう無理ですよ」と再三申し上げてきた。院長や副市長はじめ幹部たちとは「このまま病院を閉院したら大変なことになるよ」と話をし、昨年末からは毎日のように連絡を取り合ってきた。副市長(市長が2月6日に解職)も頑張っていたのに辞められたのは惜しい」

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>(労働条件などが悪かったので)

>今いる医師を大切にしてほしい。




これは、


現在、日本医療にたずさわる


多くの現場で当てはまることです。






今の日本医療は


中堅医師をあまりに


軽んじ、使い捨てに走っています。





現状を維持しているのは


中堅医師の努力にほかなりません。


そこに一方的な医療費削減、


僻地、離島手当の全国的な廃止、


大量の文章作成、


そして医療訴訟のトンデモ判決の連発


と、わざと中堅医師を


最前線から離脱させるような


施策を続々と取り入れ、


いまや日本医療は崩壊しています。





将来展望を描ける理想もなく


ジリ貧だけが将来の予想図であり、

まったく医学的な根拠とは無縁の


被害者救済のための医師叩き判決など、





さらには開業医の締め付けは


「勤務医の現場の士気を


さらに落としています。




開業医を締め付けると勤務医が


ぐっと来るのは、


”いつかは開業できるさ。”


”それまでがんばれるだけがんばる”


という医師ですら、


”悪くなる一方だから、


すぐに開業しないとまずい”


ということになり


皮肉にも開業医締め付けが


勤務医の戦線離脱をさらに加速させています。







約1年間、


和歌山医大の学長とも会わなかった


市長さん。





劣悪な勤務条件を


変えられなかった


阪南病院事務サイド。






気付いていないかもしれませんが、


ルールが変わったのです。


医療でも。




進化せず、進化するチャンスを


そのまま見過ごしてきた


公立病院に活路はあるのでしょうか(1)?







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(1)

最後の文章は、


なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?


の冒頭の文章から。




でも、今の日本の場合は


沼を干上がるようにしているのが


国自身なので、


タチが悪いです(笑)。


進化しようとするとそのさきの沼地も


国がカラカラにする、という


ひどい有様です。




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パコ・ムーロ, 坂東 智子
なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?







注1:和歌山市民さんのコメント


http://ameblo.jp/med/entry-10074006868.html#c10101638954


で誤記が判明しましたので訂正いたします。




和歌山県立医科大学を”和歌山大学”と書いておりました。


申し訳ありません。


和歌山医大に訂正させいていただきます。

関係者の方々申し訳ありませんでした。