>「飛騨赤かぶ医者プロジェクト」


…?


これを聞いて、


何を発想するでしょう(笑)?



私は、正直、


何の意味だかさっぱり分かりませんでした(笑)。




>こうした総合医育成の取り組みは全国的にも珍しい。


いや、それは珍しいでしょう(笑)。


全国が赤カブ先生だらけになったら、


どうなることかと…(笑)。









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1人で数役、総合医育てます 医師不足時代に岐阜大の挑戦

中日新聞 2008年1月4日 朝刊

http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008010402076912.html

 岐阜大(岐阜市)は2008年度から「岐阜良医プロジェクト」(仮称)と銘打って、複数の専門分野を担える医師の育成に力を入れる。「医師不足時代」に対応し、少数でも幅広い分野をカバーできる医師づくりを目指す。「赤ひげ先生」と特産品の赤かぶにちなんで「飛騨赤かぶ医者プロジェクト(仮称)」と名付け、医師不足が深刻な飛騨地方での研修実施も検討している。こうした総合医育成の取り組みは全国的にも珍しい。

 医師養成は従来、医学部を卒業し、免許を取得してすぐに大学病院の医局に入り、特定の専門分野の経験を積んだのが、04年度に医学部卒業後の臨床研修(2年間)が義務化され、各診療科で研修するように改革された。その後は、3年程度の後期研修を受けて専門医の道を歩むのが一般的だ。

 岐阜県内では、山深い飛騨地方などで医師不足が進んでおり、岐阜大は特定の専門に秀でた医師だけでなく、患者数の多い一般的な症例を確実に診察できる医師が求められていると判断。後期研修の段階で、専門分野に強くて、幅広く対応できる総合医の育成に乗り出すことにした。岐阜大の後期研修には毎年、関連病院を含め50人前後が臨むという。

 手始めに新年度前半、小児科の後期研修を受ける若手医師が岐阜市の病院でお産の研修を始める予定で、出産時から子どもに至るまでを一貫して診られる医師の育成を目指す。内科で後期研修中の若手医師には、幅広い救急に対応できるプログラムも考えている。飛騨地方でのこうした研修も視野に入れている。研修を積んだ医者は医師不足に悩む県内の地域で勤務医として活躍することが期待されている。

 岐大地域医療医学センターの山田隆司特任教授は「東大や京大などと先端医療で競うより、地域に根差した岐大らしさを出した方がいい」と強調。その上で「小規模な病院では、狭い専門に特化した医師より二役、三役もこなせる医師の方が助かる。専門医になる道を残しつつ、複数科のできる医師を育てたい」と話している。

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いま、医学教育が揺らいでいますが、


何を目標にするのがいいのでしょう?




1.徹底的な専門領域の習得。プロフェッショナルの育成。


2.複数科の教育(「飛騨赤かぶ医者プロジェクト」


3.プライマリー科、家庭医の育成。




これに、医師不足のファクターが


かかってきます。





医師が少ないにもかかわらず、


タダでも数が少ない医師のなかで、


専門の持たない家庭医や複数専門の医師が増えると、


圧倒的に専門医が減る、


という事にならないでしょうか?




現実問題として、


絶滅危惧種といわれる脳外科医や


産婦人科医、さらには循環器内科などは


どんどん減少しています。




僻地対策としてジェネラリストを作るのは


いいのですが、


診断をつけたあと、


実際に治療する専門医が不足していたら


何にもならないと思います。




>小規模な病院では、狭い専門に特化した医師より二役、三役もこなせる医師の方が助かる。



厚労省は、


その小規模病院を


一掃し、ベットを削減し、


大都市に病院を集約化しようとしています。


僻地病院そのものが


国の手によって


存在の危機にさらされています。




その最前線に行く医師は


どのような技量を身につけ、


今後、どのような医療を目指しているのでしょう?






また、


家庭医やジェネラリストをつくり


専門医とは”別な医師”を作り、

最終的には


大多数の診療は何でも屋の家庭医で安く押さえ、

本当に必要な場合だけ専門医に回す、


医師をさらに二分して価格を安くしろ、


という厚労省の意図が見え隠れしています。





だからこそ、「家庭医」という単語に


厚労省は固執しているのです。





決して家庭医やジェネラリストの方々を


非難しているわけではありません。


ただ、安易な誘導で更なる専門医不足が


急速に起こる可能性を示唆しているつもりです。





マスコミや国、大学が無条件に賞賛する


「家庭医」「ジェネラリスト」「複数科を見れる医師」は、


治療の決定力にならない可能性があることを


医師自身が理解すべきではないでしょうか。