さて、軽井沢も


軽く”終了”しかけているようです。


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軽井沢病院、内科も医師不足

asahi.com 2007年10月06日
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000000710060001


 この3年間に、医療事故で産科がなくなり、大学病院の医師引き揚げで小児科などの常勤医師がいなくなった軽井沢町の町立軽井沢病院(福田淳院長)で、今度は内科の勤務医の不足が深刻化している。6月末で2人が辞め、今年いっぱいでもう1人辞める予定。これで、かつて6人いた内科医は2人になる。医師が確保できない場合、外来や健診の制限も考えているという。

 観光客や別荘滞在者で町の人口が膨らむ夏場、軽井沢病院には毎日約500人の外来患者が訪れるという。7月から内科医が2人減って待ち時間が長くなる恐れがあったため、住民に地元開業医での受診も呼びかけた。それでも外来の診察が午後にずれ込んだという。

 02年7月の新築でベッドが60床から103床に増えたころは、12人の常勤医がいた。現在は、外科が福田院長をはじめ3人、整形外科2人、内科3人の計8人。補充できなければ、来年1月から7人となる。

 内科医の退職理由は3人とも開業のためだという。うち1人は体調不良も理由に挙げている。

 減員に伴って激化する内科医の負担を軽減するため、町は7月から火~金曜の夜間(午後6~10時)、開業医4人に輪番制で急患に備えてもらった。だが、勤務医の当直が減るわけではない。春先には院長を除く9人で回していた当直が、やがて6人になる。土日は院外からの応援の医師があたるが、平日は朝までの勤務が1人週1回弱回ってくる計算だ。

 柳沢宏事務長は「医師不足は産科と小児科に続いて、内科に及んだ。次は外科にも波及しかねない」と懸念する。

 ただ、観光地、別荘地として知名度のある同町の場合、看護師については希望者が少なくない。別荘所有者には医療関係者もおり、町はこの夏、医師不足の現状を伝えながら医師を募集するチラシを、町内に1万戸以上ある別荘にも配った。

 今のところ複数の内科医と折衝しているが、確保まで至っていないという。佐藤雅義町長は「勤務医の不足は全国の問題。年間8千人の医師が誕生しているのに、5千人は開業医になる。来春の『医療改正』に期待したい」と話している。

新築から5年。町立軽井沢病院では内科医も不足し始めている=軽井沢町で


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ちなみに


軽井沢の産科の医療事故とはこれです。


東京日和@元勤務医の日々

http://blog.so-net.ne.jp/TL2007/2007-07-13


本当にいつも大変お世話になっております。


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軽井沢病院女性死亡訴訟 町議会が和解可決

信濃毎日新聞 7月13日(金)
http://www.shinmai.co.jp/news/20070713/KT070712FTI090024000022.htm

(リンク切れております)


 北佐久郡軽井沢町議会は12日、臨時会を開き、町立軽井沢病院で2003年10月、出産後に大量出血し転院先で死亡した鈴木良恵さん=当時(32)=の遺族に対し、賠償金8624万円余を支払う和解案を可決した。遺族が町と担当医を相手にしている損害賠償訴訟の控訴審は13日に東京高裁で和解協議を開くが、遺族側はこの日、町側の謝罪の仕方について意向に相違があることを明らかにした。

 賠償金は、一審の東京地裁が支払いを命じた治療費や慰謝料など計7256万円余に遅延損害金を加算。佐藤雅義町長は本会議で「ご遺族の多大な精神的苦痛に対し、心よりおわびする」と謝罪した。

 ただ、議員の「記者会見など公の場で謝罪する考えは」との質問に、同病院の柳沢宏事務長は「裁判所内で(町長と担当医が)謝罪する。公の場で謝罪しないことは原告側の弁護士に話してある」と答弁した。

 議会を傍聴した鈴木さんの母親の美津子さんは「賠償金額は問題でなく、公の場での謝罪を求め続けてきた。(裁判所内という)密室での謝罪で済むなら、一審で終わっていた」と、公の場での謝罪を主張。町側は「裁判所内で医師が謝罪するのも異例のこと。和解案には原告の弁護士と合意している」としている。

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Oh my newsでは


このように取上げられている裁判です。


文責の軸丸 靖子さんは


県立大野病院の事件も


精力的に取上げられている方です。




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「ただみんなの前で謝って欲しかった」

遺族との和解は成立せず 

軽井沢病院の医療過誤 


軸丸 靖子(2007-07-13 20:06)
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070713/13144



「申し訳ありませんでした。和解にならなくて」――。

 13日、東京司法記者クラブで開かれた会見で、被害者の母、鈴木美津子さんはハンカチを握りしめ、涙をこぼしながら謝罪の言葉を繰り返した。

 帝王切開手術で出産後に死亡した長野県北佐久郡軽井沢町の女性(当時32歳)の遺族が、損害賠償と謝罪を求めて同町と担当医を訴えた東京高裁の控訴審和解協議はこの日、「報道陣の前で担当医と町が謝罪する」という遺族の求めに被告側が応じず、不成立となった。

 遺族側は、「担当医が謝罪するのは異例のこと」として事前にプレスリリースを流すなど、この和解に期待を高めていた。それで出てきたのが冒頭の発言だ。

 この日もの別れに終わったことによって、報道陣前の謝罪はおろか、直接の謝罪も、和解での慰謝料決着もなくなった。遺族側は、高裁判決後の上告も辞さない構えだが、謝罪を求めるだけでは棄却の可能性が高く、遺族には傷のみが残る、つらい状況となる。

「和解はできなかった」と涙ながらに語る母親の鈴木美津子さん=13日、東京高裁(撮影:軸丸靖子) 遺族や当時の新聞によると、事件が起きたのは2003年10月。自然分娩から帝王切開に切り替えて男児を出産した女性は、経過不良のためICU(集中治療室)に入ったが、土曜だったため医師は不在、看護師がたまに様子を見に来るだけだった。

 女性は、ICU入室当初から頻呼吸状態だったが、担当医は翌朝までの処置を看護師に指示して帰宅。

 その約3時間後に女性は意識不明となり、当直医(他院から応援に来ていた内科医)・担当医がかけつける前に心停止した。心臓マッサージでいったん心拍は回復したが、近隣の佐久総合病院に搬送され、到着する前に死亡した。

 解剖の結果、死因は、子宮縫合部からの出血多量による出血性ショック死と判明。担当医がかけつけた際に下した「肺梗塞」という診断も、誤りだったことが分かった。

 遺族によると、その後、病院側は医療ミスを認め、記者会見で院長が謝罪したが、その会見が開かれることを遺族は知らされていなかった。

 また、院長が「裁判にしないでほしい。病院を良くするように頑張る。担当医には詫びさせる」と言ったため、提訴はしなかったが、院長が退職して連絡がなくなったため、2005年3月、女性の夫、息子(現在3歳)、美津子さんの3者で東京地裁に提訴した。

 昨年7月の1審判決は、担当医らの過失を認め、計約7256万円の支払いを命じていたが、遺族側は「お金の問題ではない。医師らの謝罪がなければ認められない」と控訴していた。

 高裁では、1審判決を踏まえ、賠償金と遅延損害金、医師らの謝罪を含む内容で和解調書の作成が進められていた。しかしこの日、遺族側が想定していた「協議のあとすぐに、遺族と共同で記者会見し謝罪する」という条項は調書に含まれていない点が指摘され、「そうした前例はない」(裁判所)という理由で、協議不成立となった。

  美津子さんは、報道陣の前での謝罪にこだわる理由について、「部屋の中で、私の前でだけで謝って、納得できるだろうか。担当医と町長が社会に対して頭を下げる覚悟をして、会見室まで一緒に来たなら、部屋に入る前に『もういいよ』と言ったかも知れない。それくらいの価値が娘にはあると思う」

と心情を吐露。

 「これは、医師不足による医療事故などとは全然違う。医師は5分で来られるところにいて、テレビゲームをしていたという」

 「それでも100歩譲って『謝罪してもらえるなら和解する』としたが、謝罪が先。担当医にはまだ一度も謝ってもらっていない。今のままでは最高裁まで行かざるを得ない。やめるきっかけがないのだから」

 と悔しさをにじませ、語った。

  * * *

 この日用意されていた和解調書は、12日の軽井沢町議会を通っており、成立の公算は極めて高かった。その中には謝罪の条項は盛り込まれていたが、今日になって加えられた「公の前での謝罪」の1点で、折り合いがつかなかった。

 その理由として、有吉眞弁護士は、「刑事裁判とのからみ」を指摘する。遺族が2006年7月、軽井沢署に担当医ら3人を業務上過失致死容疑で刑事告訴した件だ。公にミスを認め、謝罪してしまえば、医師らは極めて不利になってしまう。謝るわけにはいかないということだ。

 医療過誤で「医師は絶対謝るな」と言われたのは過去の話。いまは、まず病院長と担当医、リスクマネジャーが真っ先に出て行って、患者・家族に真摯(しんし)に説明し、まず力が及ばなかったことを謝罪する、それから原因を追及する。そうすることによって、事件がこじれる=訴訟になるのを防げる、という考え方が主流だ。

 だが、医療過誤の当事者となれば、冷静でいられる患者・家族はいない。感情的に、医師や病院を責め立てる。だがその一方で、医師も冷静ではない。自分が担当した患者が亡くなってしまった、障害が残ってしまったとなれば、医師本人もうろたえるのがむしろ当然だ。

 そこに損害賠償という要素が加わり、人間関係がこじれにこじれて、訴訟になる。日本の医療界には、裁判にせず紛争を解決する仕組み(ADR)がまだないため、納得できない患者は刑事や民事の訴訟を起こさざるを得ない。そうした法的制裁は、再発防止にはつながっていかない。

 さらに、裁判所も医療訴訟を裁くようにはできていない。この日の会見で美津子さんは、「裁判長には、『裁判所は謝罪をする場所ではない、こころのケアをする場でもない、金額を決める場所です』といわれた」と語った。

 厚生労働省は、診療に関連した死亡については、警察ではなく第三者による中立的専門機関を創設し、そちらに届け出るようにする仕組みについて検討を始めている。この仕組みが、できるだけ早く確立することを願う。医療過誤が訴訟になれば、医師にも患者にも、幸せな結果は生まれないのだから。

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うーん。


両方とも分かります。






医療は、一つの医療事故で


全ての医療行為が否定され、


福島の大野病院、奈良の大淀病院を


はじめとして


診療科の閉鎖に直結します。









かといって、


母親をなくされたご家族の


胸中はいかばかりかと思います。








ご家族はどうしようもなく


裁判に訴える、


それしか方法はないが


訴えたとして、救われるわけではない。


地域の医療を荒廃させ


報われない賠償金、慰謝料だけを


積み上げていく…。








しかし、それ以上に


クレーマーと言われる方も


一杯いらっしゃいます。





医療裁判では、トンデモ判決が


目白押しで、


「本気?」


といえるものが大量にあります。







医師が安心して医療を行うことができ、


患者さんが安心して医療を受けることが出来る


そんな環境を早急に作らなくては、


医師の戦線離脱は止まりません。