ここまでやられて…


医療関係者は、


本当に、「丸裸の状態」で


法的に守るものが一切無い状態で、


患者さんや家族と接しなくてはいけません。





一般の業種では考えられないと思いますが、


このような点を突いてくる患者さんは


結構多くいます。





そうして、辞めていく医療関係者が


多い事も事実です。



裁判では、


>患者やその家族が看護師に包丁を見せたり、ナースコールを1日80回以上も鳴らしたりして、病院の業務を著しく妨害した


事を認めているにもかかわらず、


>病院側の請求が退けられた


という事です。




信じられますか?




万が一、そういう患者さんが入院してきたら、


「たとえ患者さんが包丁を振り回しても、退院させる事は出来ない」


と裁判所が認めたことになるのです。





優秀な医療関係者がどんどん辞めていっても、


患者さんを退院させられずに


徹底的に付き合うしかない、


という事です。




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暴言患者、拒めぬ医師「診療義務」法の壁

2007年10月10日 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071010-OYT8T00204.htm

「迷惑どこまで我慢」

 医師や看護師が患者による暴力や暴言に悩んでいる問題で、度を越した場合に医療機関が診療を拒もうとしても、医師法で診療義務を課されているため、断念するケースが出ていることが分かった。

 病院からは「毅然(きぜん)とした対応が取りにくい」という声が上がるが、厚生労働省は患者のモラルを理由とした診療拒否に慎重な姿勢を崩しておらず、法律専門家の見方も分かれている。

 「診察治療の求めがあった場合、医師は正当な理由がなければ拒んではならない」。医師法では診療義務をそう規定している。「正当な理由」とは、医師が病気の場合などに限られるというのが、厚労省のこれまでの見解だった。

 診療義務が争点となった裁判では、1997年に入院患者の退院を求めた病院側の請求が退けられたケースがある。

 裁判所は「患者やその家族が看護師に包丁を見せたり、ナースコールを1日80回以上も鳴らしたりして、病院の業務を著しく妨害した」と患者側の悪質行為を認定する一方、「退院を強制すれば、入院が必要な患者にその機会が保障されないことになりかねない」と指摘した。

 昨年、九州のある病院では、胃腸の病気で入院した高齢の男性患者が消灯後に大部屋でテレビを見るなど、迷惑行為を続けた。

 病院では執行部が検討を重ねたが、医師法で診療義務が定められている以上、退院は強制できないとの結論に達し、「ルールに従わないのなら治療は続けられません」という警告にとどめた。

 しかし、患者の行動は改善されず、女性看護師を突き飛ばして転倒させる騒ぎまで起きた。最終的には自主的に退院してもらったが、病院の医師は「迷惑行為をどこまで我慢すべきか、判断するのに相当の時間を費やした」と振り返る。

 神奈川県のある私立病院は数年前、手術後に両手足のしびれが残った入院患者の家族から抗議を受けた。その内容は次第に、医師や看護師の外見に関する中傷へとエスカレート。暴言で傷つき、辞職した看護師は5人を超えた。

 病院側は弁護士に相談し、クレームの記録を取ったり、自主退院を促す誓約書を渡したりしたほか、行政や警察にも相談した。その上で、「患者の家族の暴言など一連の行為が、(診療拒否できる)正当な理由に当たる」と最終的に判断し、入院から3年半後に強制退院の手続きに入った。

見解は二分

 読売新聞が全国の大学病院を対象に実施したアンケートでは

「医師の診療義務を盾にとる患者が増えている」(近畿地方の病院)、

「診療拒否権が認められておらず、医療者側があまりにも法的に守られていない」(首都圏の病院)などの声が寄せられた。

 厚労省によると、モラルに欠ける患者への対応について、病院から、「一定の限度を超えたら診療拒否できる、というような基準を設けてほしい」などと要望されることもあるという。しかし、同省は「患者側の立場を不利にするような解釈も生じかねないため、一律の基準を設けることは難しい」とし、「診療義務は社会的に定着しており、現行法の枠組みを変えるべきではない」との立場だ。

 医療訴訟に詳しい弁護士の間でも意見が割れている。

 森谷和馬弁護士(第2東京弁護士会)は「病院は患者の健康を守る使命を持つサービス業であり、診療を拒否した場合、世間などからの非難は避けられない」と、診療義務を重視する。これに対し、島田和俊弁護士(大阪弁護士会)は「患者側にも診療に協力する義務があり、患者の振るまいによって信頼関係が著しく損なわれた場合などは診療契約を解除できる。病院に甚大な不利益があった場合は、治療の必要性が軽微であれば、必要な手続きを踏んで診療拒否に踏み切るべきだ」と話している。

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要は、


「患者さんには”権利”があるが”義務”はなく、


医療関係者には”義務”があるが”権利”はない」

という劣悪な状況です。




何かに似ています…?


そうですね。


昨今の教育現場と似ていますよね。




命にかかわり、


年齢が全範囲にわたることが


なお問題を厄介にしています。